インテュイティブサージカル,ダビンチ手術のリモート症例見学プログラム本格運用開始
「インテュイティブ テレプレゼンス」で遠隔視聴が可能に

2021-9-7

遠隔診療

手術支援ロボット


内視鏡手術支援ロボット分野のグローバルリーダーであるインテュイティブサージカルの日本法人,インテュイティブサージカル合同会社(以下,インテュイティブ)は,「インテュイティブ テレプレゼンス(以下,ITP)」技術を活用し,内視鏡手術支援ロボット「ダビンチ」を使用した手術を遠隔でリアルタイムかつインタラクティブに視聴できる,認定医向けリモート症例見学プログラムの運用を開始した。

同プログラムは,外科医同士(peer-to-peer)の学びあいを通じて,ダビンチ手術の手技向上のための継続的学習を支援することを目的としており,三重大学医学部附属病院 産科婦人科准教授の近藤英司氏によるパイロット実施を経て,本格的に運用を開始した。

同プログラムでは,ダビンチ手術を執刀する医師(メンター)のいる手術室と見学する遠隔医師(オブザーバー)を,ITPを介してしてオンライン接続することで,オブザーバーは,メンターの手技や手術の進行を,音声と映像でリアルタイムに視聴することができる。また,メンターと同じ手術室にいるコーディネーター(医師)から解説を聞くことができ,コーディネーターと対話することも可能。全てのデータは暗号化して転送され,強固なセキュリティ保護が図られている。

同プログラムを活用することにより,オブザーバーは移動することなく,どこからでも経験豊富なダビンチ執刀医の手術から学びを得ることができ,より多くの医師に学習の機会を提供できるようになる。インテュイティブは,同プログラムが,医師間のネットワークの拡大にも寄与すると考えている。

同プログラムは,今年6月に実施された三重大学医学部附属病院 婦人科での子宮全摘手術でのパイロット実施を皮切りに,7月および8月には藤田医科大学(愛知県)での上部消化管手術でも実施され,8月30日に三重大学医学部附属病院と,北海道,静岡県,愛知県の3病院のオブザーバーを結んで実施された例をもって,本格運用に移行された。今後は他領域の症例見学にも導入される予定。

同プログラムの実用化に尽力した三重大学医学部附属病院 産科婦人科准教授の近藤英司氏は次のように述べている。「ダビンチ手術においては,これまでダビンチサージカルシステムのデュアルコンソールを用いた教育が最も有用でしたが,『ITPによるリモート症例見学』が新たな選択肢になり得ると感じています。当院は多くの医療機関に対しダビンチ手術の指導を行っていますが,今後,デュアルコンソールとITPの組み合わせで,より効果的な指導を実践できればと思います」

インテュイティブサージカル合同会社社長の滝沢一浩氏は次のようにコメントしている。「リモート症例見学にご参加いただいた先生方からは,『移動が制限される中,他施設のエキスパートの手術手技をライブで視聴し,学べるのは大変有用である』との感想をいただいており,当プログラムが利便性の高い有力なトレーニングツールになると考えています。インテュイティブでは,『Intuitive ecosystem(インテュイティブ エコシステム)』の一環として,ダビンチ手術の安全な普及に向けて,外科医の皆様に継続的な学習の機会をご提供することに注力しております。今後も新たなテクノロジーを活用したソリューションを提供してまいります」

ITPによるリモート症例見学プログラムは,当面,より高度かつ複雑な症例の手技習得を目指す認定医を対象として行うが,今後は,ダビンチ手術認定医の資格を取得するために義務付けられている症例見学においても導入が検討されている。

 

●問い合わせ先
インテュイティブサージカル合同会社
https://www.intuitive.com/ja-jp

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