日本における診療所，病院，および調剤薬局向けヘルスケアITソリューションのプロバイダーとして業界をリードするＰＨＣ（株）メディコム事業部（以下，「ＰＨＣ」）は，12月9日，Teladoc Health, Inc.（本社：米国 ニューヨーク，最高経営責任者：Jason Gorevic）が開発・製造するリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を日本国内で初めて提供開始したことを発表した。本製品は，医師不足が課題となっている小規模な医療施設や遠隔地の医療機関においても緊急時の専門医療の提供を可能とするシステム。

今回の提携により，現場に専門医がいない医療施設と専門医とを繋ぐ「Teledoc HEALTH」の画期的な製品ラインナップを広く提供することが可能となった。高齢化が進み，医療への需要が拡大を続け，専門医不足^(※1)が喫緊の課題となる中，遠隔医療は患者さんのニーズに応える一つの有用な解決策として期待されている。本技術は，高度な専門知識が必要とされる周産期医療や集中治療（ICU・NICU）の現場に加えて，へき地などの医療資源に乏しい地域において，特に必要とされている。かかる状況を踏まえ，グローバルヘルスケア企業として事業を展開するＰＨＣホールディングス（株）の100％子会社であるＰＨＣは，「Teladoc HEALTH」の日本における非独占販売権を取得した。

Teladoc Health, Inc.は，600施設を超える海外の総合病院や医療施設と提携している。今回発売した「Teladoc HEALTH」は，現場の医療従事者と遠隔地の専門医が円滑なコミュニケーションを図るために開発された。同製品の最上位機種である「Lite 4」は，電子聴診器などの現場の医療機器とシームレスに接続し，最大45倍ズームが可能な高解像度カメラで患者さんの診察をアシストする^（※2）。また，HIPAA^（※3）認証を取得した同製品は，患者の医療情報保護のために必要な高いセキュリティ基準を満たしている。さらに，ＰＨＣの全国に広がるサービスネットワークを通じて，顧客がスムーズに本製品を運用できるよう，きめ細かなサポートをタイムリーに提供する。

同製品を使用した，一般社団法人 アジア遠隔医療研究所の代表理事を務める郡隆之氏は，「従来，何かあった際は電話で対応していたので，患者さんの状態は音を通じて把握するしかありませんでした。『Teladoc HEALTH』によって画像が使えるようになったので，リアルタイムに患者さんの様子を診ることができます。また，遠隔地から患者さんをモニターできますので，参考になる患者さんの医療情報が圧倒的に増えます。あたかもその場で診察しているかのように感じます。」と述べ，製品を高く評価した。

ＰＨＣホールディングス（株）にて執行役員およびヘルスケアソリューション共同ドメイン長を務める大塚孝之氏は，「当社は，1972年に日本で初めて医事コンピューターを発売して以来，ヘルスケアIT事業の拡大を図り，国内の診療所にベストインクラスの電子カルテシステムを提供してまいりました。このたびのTeladoc Health, Inc.との提携を通じて当社の遠隔医療サービスを拡充し，チーム医療体制の強化と，患者さんへの迅速でより良い医療の提供に貢献できることを期待しています」と述べている。

製品ラインナップ

Teladoc Health Inc. との提携に関する詳細については，以下を参照。
https://www.phchd.com/jp/bx/telehealth

^{（※1）集中治療医および産科医の不足に関しては以下を参照：
・一般社団法人 日本集中治療医学会「我が国の集中治療医療提供体制を強靭化するための提言」
http://www.jsicm.org/news/upload/レジリエンスの高い医療提供体制構築提言ホームページ公開v3.pdf
・厚生労働省「第１回周産期医療体制のあり方に関する検討会（資料）」
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000096037.pdf
（※2）本製品には医療機器に該当する機能は含まれていない
（※3）Health Insurance Portability and Accountability Act：アメリカで発行された，医療情報のプライバシー保護やセキュリティ確保について定めた法律・基準}