東和ハイシステムと日立が音声認識対応の歯科医院向け電子カルテシステム開発に向け協創開始
AIを活用した音声でのカルテ入力を実現することにより,院内業務のDX実現をめざす

2022-2-15

医療情報システム(電子カルテ)

AI

日立製作所


東和ハイシステム(株)(以下,東和ハイシステム)と(株)日立製作所(以下,日立)は,音声認識対応の歯科医院向け電子カルテシステムの開発に向け協創を開始した。具体的には,東和ハイシステムの歯科医院向け電子カルテシステムと日立のAI音声認識技術*1を連携させ,歯科医が個々の患者の診療中に端末で電子カルテ入力をする際,手袋を外さずに音声でカルテ入力ができる仕組みの構築に取り組む。

歯科医院向け統合型電子カルテにおいて,日立のAIを活用した音声によるカルテ入力や画面操作は初の試みとなり,院内業務のDX(デジタルトランスフォーメ―ション)実現をめざす。

今後,両社は共同開発を進め,歯科医療用語の辞書を学習させた用語モデルを整備することで音声認識の精度向上を図り,2022年3月4日から6日に開催される「日本デンタルショー」*2で日立技術を適用したプロトタイプのデモを紹介するとともに,市場での実証実験を重ね,2022年秋の製品化に向けて取り組んでいく。

*1 「デジタル対話サービス」として提供している技術
*2 一般社団法人日本歯科商工協会が主催する日本デンタルショー

取り組みの背景

東和ハイシステムは,歯科電子カルテ統合システムの開発・販売・サポートを手掛け,西日本を中心にこれまで約3,100の医院にシステムを導入してきた。その中で,日立のHiRDB*3や指静脈認証,JP1*4などを歯科電子カルテ統合システムと連携させ,医院での受付から診療,会計などの一連の業務プロセス,データの安全安心な運用を支援してきた。歯科医療のさらなる高度化に向けたDXのニーズを受け,AI音声認識技術の活用に取り組むにあたり,日立のAIを活用する。今回は,金融分野の大規模コールセンタなどで音声テキスト化の高信頼な技術・実績を有する,(株)日立情報通信エンジニアリングのRecware*5を採用し,協創を開始した。

*3 金融,公共,交通など社会インフラを支える高信頼セキュアデータベース。
*4 統合システム運用管理 JP1。オンプレミスからクラウドまで複雑化・多様化する ITシステムを統合管理する。
*5 音声活用ソリューション。通話中の会話のリアルタイムテキスト化と録音データからのテキスト化の2タイプの音声認識を提供。

開発内容および今後の展望

日立のAI音声認識技術により,診療結果や発話を認識・テキスト化し,東和ハイシステムの歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」と連携させることで,電子カルテの音声入力を実現する開発を実施する。その結果に基づき,日立は東和ハイシステムとともに,歯科医院の現場での実証を積み重ねて得たナレッジを生かして製品化に取り組む。さらに,本製品を歯科医院の現場データを安全に分析・活用できるクラウドサービスとして発展させ,日立のデータから価値を生み出すLumada*6事業との連携を推進することで,歯科医療における診療の高度化や患者の満足度向上への貢献をめざす。

*6 顧客のデータから価値を創出し,デジタルイノベーションを加速するための,日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称

日立AI音声認識技術を活用した電子カルテ入力のイメージ

日立AI音声認識技術を活用した電子カルテ入力のイメージ

 

日本デンタルショー出展について

3月4~6日,パシフィコ横浜で開催される「日本デンタルショー」に東和ハイシステムとして出展する。
出展ブースでは,電子カルテ*7にiPadを用いたインフォームドコンセント機能を融合させた歯科電子カルテ統合システム「Hi Dental Spirit XR-10i」と,クラウドを活用したスマホで予約から会計まで行える「オンライン診療システム」を紹介。さらに,日立AI音声認識技術を活用し,歯科医院の更なるDX実現をめざす取り組み内容についてデモを交えて紹介する。

日本デンタルショー出展について

*7 厚生労働省のガイドライン(「電子保存の三原則」真正性・見読性・保存性)に対応。日立「指静脈認証」を採用することで真正性を確保,高信頼セキュアデータベース「HiRDB」を採用することで,監査証跡機能による情報漏洩,データ改竄を排除

 

●問い合わせ先
東和ハイシステム(株)
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(株)日立製作所
サービスプラットフォーム事業本部 IoT・クラウドサービス事業部
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