フィリップス,超音波診断装置の新トランスジューサ「X5-1c」と自動計測機能を発表
高精細画像と検査時間の短縮で心エコー図検査の向上に挑む

2022-4-6

超音波

フィリップス・ジャパン


「X5-1c」トランスジューサ

「X5-1c」トランスジューサ

(株)フィリップス・ジャパン(以下 フィリップス)は,循環器に特化した超音波診断装置「EPIQ CVx」のRelease 9.0の販売を開始する。「EPIQ CVx」 Release 9.0の主な新機能として,成人用体表3Dトランスジューサ「X5-1c」と自動計測機能が搭載される。

まさに今,世界は心不全パンデミックとも呼べる時代に突入している。世界中で2600万人の心不全患者がおり,40歳以上の5人に1人は生涯で心不全に罹患すると言われている[1]
さらに近年,循環器領域では抗がん剤治療関連心筋障害の増加,構造的心疾患(SHD:Structured Heart Disease)に対する治療法の多様化などから,体表からアプローチする侵襲性の低い心エコー図検査の需要が増大し,さらにはより高度で正確な診断が求められている。
「EPIQ CVx」 Release 9.0では高精細な画質による検査精度の向上や自動計測による検査時間の短縮をもたらし,これらのニーズに対応する。

「EPIQ CVx」 Release 9.0の製品特長

1.新しいビームフォーミング技術による画像の向上「nSIGHT Plus」
従来の画像処理技術である「nSIGHT」は,受信した莫大な信号をハードウェアにより高速変換していた。しかし現場のニーズに対応するためには,ハードウェアのみでの画像処理に加え次世代の画像処理技術が必要になってきた。そこで「nSIGHT Plus」では,進歩したGPUとソフトウェアを併用し画像処理の早い段階からピクセルレベルでのアダプティブ・アルゴリズムによる画質の向上を行い,2D画像だけでなく3D画像でもクラッタノイズを減少させるなどの処理を行う。3Dを含むすべてのエコーの基礎となる画質が向上することにより,体表からの低侵襲な検査からも多くの臨床有用性をもたらすと考えられ,患者様の負担軽減につながると考えている。

2.刷新された成人用体表3Dトランスジューサ「X5-1c」
フィリップスが世界で初めての体表3Dトランスジューサ「x4」の販売を開始したのが2002年。それから20年にあたる本年2022年に,体表3Dトランスジューサの第4世代となる「X5-1c」の販売を開始します。その特長は以下になる。

・「X5-1c」は狭い肋間からもスキャンしやすい形状が採用されており,欧米人と比較して小柄な高齢の日本人に特に有用である。また,ウィンドウへのアクセスが容易になることにより検査時間の短縮や検査精度の向上をもたらす。

・「nSIGHT Plus」に基づいた画像処理Image Boostで2D画像,3D画像ともに進化しており,特に従来,体表エコーでは困難であった三尖弁や肺動脈,左室心尖部などの描出能が向上する。

これらの特長により,「X5-1c」トランスジューサが体表心エコー図検査において大きな進歩となることが期待される。

X5-1cを用いた三尖弁のTrueVueイメージ

X5-1cを用いた三尖弁のTrueVueイメージ

 

3.ルーチン計測の自動化技術で検査効率の向上へ「Auto Measure」
ルーチンの心エコー図検査で計測される項目は増える一方であり,検査時間を短縮することは困難である。「Auto Measure」は毎日の検査で計測される一般的な計測項目を自動で計測する。これにより,標準的な2D心エコー図検査での計測にかかる時間が,手動の場合と比較して51%短縮したとの報告もあり[2],検査効率の改善と患者様の負担軽減に貢献する。

これらの機能に関して産業医科大学病院 臨床検査・輸血部 診療教授 竹内正明氏は次のように述べている。
「フィリップスの新しいトランスジューサである『X5-1c』は従来の『X5-1』と比べ,大きさは変わらないものの,そこから得られる画質は大きな進歩を遂げた。このため画質不良例の減少,新たな異常の発見に大きく貢献すると思われ,他の循環器画像診断検査を依頼する件数も減少すると考えられる。一方,装置内に搭載された自動計測機能(Auto Measure)はエコー記録者が計測にかける時間を大幅に短縮させ,また検者間の測定誤差を消失させるため,記録者はよりよい画像の収集に集中でき,患者ごとの経時的な心エコー指標の変化をより正確に捉えることができると考えられる。『X5-1c』は超音波診断の新たなブレークスルーになり得る。」

「EPIQ CVx」には従来から自動解析ツールや3Dのフォトリアリスティックな画像表現など,循環器に特化したさまざまな機能が搭載されている。Release 9.0でソフトウェア,ハードウェアともにさらに進化したことで,診断から治療までのすべての領域において心エコー図検査の質を向上させることを目指す。

[1]  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5494150/
[2]  Based on Philips external testing as compared to manual measurement methods.  

販売名:超音波画像診断装置 EPIQ/Affiniti
医療機器認証番号:225ADBZX00148000
クラス分類:管理医療機器/特定保守管理医療機器

販売名:フィリップス 超音波診断用プローブ X5-1
医療機器認証番号:223ACBZX00007000
クラス分類:管理医療機器/特定保守管理医療機器

 

●問い合わせ先
(株)フィリップス・ジャパン
TEL 0120-556-494
www.philips.co.jp/healthcare

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