キヤノンメディカルシステムズ,「低速微細血流を映像化する超音波映像装置用信号処理法の発明」が令和四年度全国発明表彰「経済産業大臣賞」を受賞

2022-5-31

超音波

キヤノンメディカルシステムズ


キヤノンメディカルシステムズ(株)は,令和四年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において,「低速微細血流を映像化する超音波映像装置用信号処理法の発明」(特許第 6553140号)が「経済産業大臣賞」および「発明実施功労賞」を受賞した。令和三年度全国発明表彰「恩賜発明賞」に続く受賞であり,特別賞以上の連続受賞は同社としては初になる。

全国発明表彰は,日本の科学技術の向上と産業の発展に寄与することを目的に,公益社団法人発明協会が,多大な功績をあげた発明を表彰するもの。本発明を適用した超音波診断装置により,これまでとらえられなかった組織の動きと速度が重なる低速の微細血流を鮮明に映像化することが可能となった。Superb Micro-vascular Imaging(SMI)という名称でAplio i-series, Aplio a-series等で実装され,腹部,血管,乳腺,胎児等の様々な領域の血流診断に利用されており,疾病の早期発見を可能にするなど医療の発展に大きく貢献している。

【受賞した発明の概要】
本発明は,医用超音波診断装置の血流映像法に関するもの。血流映像法における重要な課題の一つに,組織の動きに起因して映像上に現れる組織ノイズがある。従来は,組織の動きよりも血流の方が速いことを前提にハイパスフィルタで組織の動き成分を抑制していたが,この方法では,組織の動きよりも遅い血流(低速微細血流)は,組織ノイズに紛れて映像化できないという課題があった。
本発明では,リアルタイムに主成分分析を行い,エコーに含まれる主成分以外の成分を抽出して映像化する。組織からのエコーは振幅が大きく組織の動きは時間的・空間的にほぼ均一なので,主成分となる。つまり,主成分以外の成分を抽出することで組織ノイズを選択的に抑制でき,血流のみを表示できるようになった。これにより,様々な領域における微細血流診断が可能となった。

超音波診断装置 Aplio i-series

超音波診断装置 Aplio i-series

組織の動きを携帯電話の振動で模擬した血流ファントム実験結果

組織の動きを携帯電話の振動で模擬した血流ファントム実験結果

 

【受章および受賞者】
経済産業大臣賞
佐藤 武史(キヤノンメディカルシステムズ(株) 研究開発センター 先行技術研究部 イメージング技術担当)
実施功績賞
瀧口 登志夫  (キヤノンメディカルシステムズ(株) 代表取締役社長)

【全国発明表彰について】
全国発明表彰は,大正8年の第1回帝国発明表彰にはじまり,優れた発明を完成した者,実施化に尽力した者,発明の指導・奨励・育成に貢献した者を顕彰することにより発明の奨励・育成を図り,我が国科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的としている。

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon

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