日本メドトロニック,冷凍アブレーションカテーテル製品が再発性症候性の発作性心房細動に対する第一選択治療用カテーテルとして保険収載
より多くの患者に心房細動の根治を目指した治療を提供可能に

2022-10-20

日本メドトロニック


日本メドトロニック(株)は,「Arctic Front Advance(アークティック フロント アドバンス)冷凍アブレーションカテーテル」ならびに「Freezor MAX (フリーザー マックス)冷凍アブレーションカテーテル」(以下総称して,冷凍アブレーションカテーテル)の使用目的変更に関する薬事承認を2022年5月に取得し,同年10月に保険収載されたことを発表した。これにより,再発性症候性の発作性心房細動に対して,薬剤による治療を経ず,冷凍アブレーションカテーテルによるアブレーション治療(第一選択治療)を行うことが可能になった。

Arctic Front Advance 冷凍アブレーションカテーテル 医療機器承認番号:22600BZX00062000

Arctic Front Advance
冷凍アブレーションカテーテル
医療機器承認番号:22600BZX00062000

 

Freezor MAX 冷凍アブレーションカテーテル 医療機器承認番号:22600BZX00060000

Freezor MAX
冷凍アブレーションカテーテル
医療機器承認番号:22600BZX00060000

 

心房細動は最も発症率の高い不整脈のひとつで,日本では現在100万人を超える患者がいると言われている1。心房細動は進行性の疾患であり,発症後の時間経過とともに治療効果が低減する可能性もあることから,早期に治療を行うことの重要性が指摘されていた2,3,4。薬物治療では,心房細動の抑制効果がアブレーション治療よりも低く1,2,3,さらに副作用が原因で治療を中断せざるを得ないケースもあることなどから5,近年では第一選択治療としてのアブレーション治療が注目されていた。

これまでメドトロニックの冷凍アブレーションカテーテルは,薬剤抵抗性を有する再発性症候性の発作性又は持続性心房細動を適応として,日本国内で10万人以上の患者に使用されてきた。今回の適応拡大で,今後は薬剤抵抗性の有無に関わらず,全ての再発性症候性の発作性心房細動が適応となる。これにより,心房細動患者にとっての早期治療の選択肢が広がり,より適切なタイミングでアブレーション治療を受けられるようになることが期待される。

今回の適応拡大は,米国で実施された多施設共同前向き無作為化試験 (STOP AF First)6,7の結果に基づいている。本試験では,再発性症候性の発作性心房細動に対して行われる第一選択治療として,メドトロニックの冷凍アブレーションカテーテルによるアブレーション治療を行った場合と,抗不整脈薬を用いた薬物治療を行った場合の臨床成績が比較された。この結果,冷凍アブレーション治療を行った場合に,薬物治療を行った場合よりも心房性不整脈の再発抑制効果が高いことが示された。

またSTOP AF Firstに加えて,同じく第一選択治療として,メドトロニックの冷凍アブレーションカテーテルによるアブレーション治療と薬物治療を比較した2つの無作為化試験(EARLY-AF8,Cryo-FIRST9)のいずれにおいても,メドトロニックの冷凍アブレーションカテーテルによる心房性不整脈の再発抑制効果が薬物治療よりも高いことが示されている。

東京慈恵会医科大学 教授 山根 禎一氏は,次のように述べている。「近年のカテーテルアブレーション治療に関する技術の進歩を考えると,心房細動治療においてアブレーション治療が第一選択になることは合理的であると考えます。そして,この度のメドトロニックの冷凍アブレーションカテーテルの適応拡大は,第一選択治療としてのアブレーション治療の位置づけを改めて考えるうえで大きな意義があると捉えています。冷凍バルーンのメリットは,術者によらず均一な治療効果を期待できることであると考えていますので,これを機に,より多くの心房細動患者さんが適切なタイミングで根治を目指す治療を受けられるようになることを期待しています。」

超高齢社会を迎え今後もその患者数が増加すると言われている心房細動に対し,メドトロニックは,診断から治療まで包括的なソリューションの提供を通して,健康に暮らせる社会の実現に向けて貢献していく。

【心房細動(Atrial Fibrillation:AF)とは】
心房細動は最も発症率の高い不整脈のひとつで,日本では現在100万人を超える患者がいると言われており1,心房細動の有病率は加齢とともに増加する11。また,心房細動の患者では,脳梗塞や心不全,認知症の発症リスクが高まることも報告されている4,10,11,12,13,14,15。心房細動の症状には,脈の乱れ,胸部の不快感,胸の痛み,動悸,息苦しさ,運動時の疲労感,めまいなどがあげられるが,半数程度の患者は自覚症状がないとも言われている11。心房細動の治療には,心房細動を受け入れてうまく付き合っていく方法(レートコントロール治療)と,心房細動そのものを取り除く方法(リズムコントロール治療)がある。このうちリズムコントロール治療には,心房細動の発作を抑制する抗不整脈薬による薬物治療と,心房細動の根治を目指す治療としてカテーテルを用いたアブレーション治療がある。

【カテーテルアブレーション治療とは】
カテーテルアブレーション治療は,カテーテルと呼ばれる細い管を脚の付け根から血管(静脈)を通じて心臓に入れ,心房細動の原因となる不規則な電気信号の発生部位を焼灼(しょうしゃく; アブレーション)することで,異常な電気信号の流れを遮断する治療法。外科的な手術と比べて,治療に要する時間が短く,身体への負担が少ないことが特徴である。心房細動の根治を目指す治療法として,患者の症状に応じて適応が検討される。カテーテルアブレーション治療は,使用するエネルギー源によって,高周波電流などを用いて加熱焼灼する方法と,冷却剤を用いて冷凍焼灼する方法などに分けられる。また,カテーテルの形状も大きく2種類あり,先端に金属の電極がついた電極カテーテルと,先端に小さな風船が付いたバルーン型カテーテルがある。バルーン型の冷凍バルーンカテーテルでは,バルーン形状を活かして肺静脈入口部に接触面を当てることで,円周状に冷凍焼灼でき,手術時間の短縮が期待できる。また,冷却により肺静脈周囲の心筋組織とバルーンが固着するためカテーテルを安定的に保持することができ,術者の負担軽減や,術者ごとの臨床成績のばらつきを抑えることにもつながる。

【STOP AF First について6,7
米国の24施設で実施されたメドトロニック主導の前向き多施設共同無作為化試験。発作性心房細動を有し,抗不整脈薬による薬物治療歴のない,又は薬物治療に抵抗性を有さない,225名の被験者を,冷凍アブレーション治療を行う群と薬物治療を行う群に無作為に割付け,12か月間のフォローアップを行った。12か月後の治療成功率は,冷凍アブレーション治療群で74.6%,薬物治療群で45.0%であり,冷凍アブレーション治療群で有意に成功率が高いことが示された(P<0.001)。また,冷凍アブレーション治療群の合併症発生率は低く(治療後12か月間の主要安全事象発生率:1.9%),重篤な有害事象の発生率は両治療群間で同程度であることが示された。

1 Ohsawa M et al. J Epidemol. 2005; 15(5): 194-196.
2 Chew DS, et al. Circ. Arrhythm. Electrophysiol. 2020, vol. 13 (4), e008128
3 Kawaji T, et al. Int. J. Cardiol. 2019, vol. 291, p. 69-76.
4 Lunati M, et al. J. Cardiovasc. Med. 2018, vol. 19, issue 8, p. 446-452.
5 Inoue H et al. Int J Cardiol. 2009; 137(2): 102-107.
6 Wazni OM, et al. NEJM. 2021, vol. 384, n. 4, p. 316-324.
7 Wazni O et al. Heart Rhythm. 2022 Feb;19(2):197-205.
8 Andrade JG et al. N Engl J Med. January 28, 2021;384(4):305-315.
9 Kuniss M et al. Europace. March 17, 2021:euab029.
10 2011 ACCF/AHA/HRS Guidelines for the Management of Patients With Atrial Fibrillation
11 脳卒中データバンク2009
12 Santhanakrishnan R, et al. Circulation. 2016;133:484-492
13 Bunch TJ, et al. J Cardiovasc Electrophysiol. 2011;22(8):839-845
14 Chen LY, et al. J Am Heart Assoc. 2018 Mar 7;7(6):e007301
15 Fuster V, et al. Journal of the American College of Cardiology. 2006; 48:854-906.

 

●問い合わせ先
日本メドトロニック(株)
https://www.medtronic.com

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