医療法人徳洲会 湘南鎌倉総合病院,ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を開始
手術が難しいがんに,新たな選択肢を

2026-2-10

放射線治療


医療法人徳洲会湘南鎌倉総合病院(神奈川県・鎌倉市)は,がん治療に力を入れる県内有数の総合病院として,神奈川県初の陽子線治療施設を運用してきた。
今回,従来の粒子線治療・放射線治療とは異なる新しいアプローチとして,「ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)」を導入した。

医療法人徳洲会 湘南鎌倉総合病院

 

同院のBNCTの特徴

・高出力の加速器(約3倍)
・本邦初の高精度イメージガイド
・治療装置にCTが併設
・全身の固形腫瘍を対象

同院が導入したBNCTは,国内でこれまでに実施されてきたBNCTと比較して,中性子線の出力が一定の条件下で約3倍と高出力である点が特長である。
BNCTは陽子線とは異なり,1回の照射で高い治療効果が期待できる革新的ながん治療。手術が難しい患者にとって,治療の選択肢を大きく広げるものとして期待されている。なお,本治療は通常診療ではなく,国の制度に基づく有償の特定臨床研究として実施し,一定の基準を満たした患者を対象に行う。

本邦初の高精度イメージガイド
BNCT

 

ホウ素中性子線捕捉療法(BNCT)について

BNCTは,がん細胞に集まりやすいホウ素薬剤を投与し,その後,細胞に中性子線を照射することでホウ素薬剤を取り込んだがん細胞の内部で反応を起こし,選択的にがん細胞を破壊する治療。
正常組織への影響を抑えながら,がん細胞に集中して効果を発揮できる点が大きな特徴。

対象となる患者

・手術が困難,または手術による身体的負担が大きいがん
・再発や局所進行により,従来の治療が適応しにくいケース
・他の放射線治療で十分な効果が得られなかった場合
・ホウ素薬剤を用いた画像検査により正常組織よりがんにホウ素薬剤が集まりやすいことが確認された方

BNCTを導入した背景

・同院はIAEA(国際原子力機関)によりアジアのハブ病院の一つであると認定されているため
・陽子線治療をはじめとする粒子線治療の経験と実績を蓄積する必要があるため
・手術困難な患者の治療選択肢をより一層拡充する必要があるため
・国内外でBNCTの臨床研究が進み,治療効果が期待されているため
・地域のがん医療を担う総合病院としての使命を果たすため

同院は,患者の身体的負担を軽減しながら,治療効果を目指した医療の提供に取り組んでいる。

患者へのメリット

・原則として1回で治療が完結する
・身体への負担が比較的少ない
・手術が難しいケースでも治療の選択肢が広がる
・通院回数が少なく,日常生活への影響が軽減される

今後の展望

本研究で得られた知見をもとに,安全で有効な治療の確立や普及につなげ,より多くの患者に新たな治療選択肢を提供できるよう取り組んでいく。

 

●問い合わせ先
湘南鎌倉総合病院 BNCTサポートデスク
TEL 0467-46-9916(サポートデスク直通・平日8:30~17:00)

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