大原記念財団,AWS ジャパンとスマートホスピタル実現に向けた包括連携協定を締結し,持続可能な医療提供を目指す
生成 AI による医療業務の効率化とサイバーセキュリティ対策強化,AI 人材育成を推進

2026-3-25

医療DX

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一般財団法人大原記念財団(以下「大原記念財団」)は2026年3月25日,アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(以下「AWS ジャパン」)とスマートホスピタルの実現に向けた包括連携協定を締結したことを発表した。本連携により,生成 AIおよびクラウド技術を活用した医療デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し,医療の質向上,業務効率化,患者利便性の向上を目指す。さらには院内でのAWS に精通した AI クラウド人材育成を通じて,福島県域における医療の質の向上と持続可能な医療提供体制の強化を目指す。両者は本協定のもと,2026 年度から 2028 年度の第 1 期 3か年において医療 DX の基盤整備と生成 AI 活用の拡大を推進する。

■背景と目的

日本の医療現場では,超高齢化社会の進展と 2040 年問題(生産年齢人口の急減)を背景に,医療従事者の業務負担増大と人材不足が深刻な課題となっている。政府が推進する「医療 DX 令和ビジョン 2030」においても,電子カルテのクラウド化・医療情報の標準化・サイバーセキュリティ対策の強化が急務とされている。

大原記念財団は,1892 年の開院以降,134 年にわたり福島県北医療圏の地域医療を担ってきた。医療従事者の成り手不足が予測される 2040 年を見据え,「医療従事者が本来の業務に専念できる環境づくり」が最重要課題と位置づけ,いち早く生成 AI の実証に着手してきた。AWS ジャパンの技術支援を受け実施した生成 AI を活用した退院サマリーの自動作成の初期検証では,従来比 50%以上の業務効率化が可能であることを確認しており,この取組をさらに加速するため,AWS ジャパンとの包括連携協定を締結した。

■連携の主な内容

本連携において,両者は以下 3 つの柱の取り組みを推進する。

1. 生成 AI を活用した医療業務の効率化

  • ロボティック プロセス オートメーション(RPA)と生成 AI を組み合わせた退院サマリーの自動作成(2026 年 4 月より本番稼働開始予定)
  • 看護サマリー等の自動作成による看護業務の効率化
  • 病床管理の最適化,診断群分類(DPC)に応じた入院期間自動表記,KPI 日次集計の自動化

 

2. 診療情報のクラウド基盤の整備とサイバーセキュリティ対策強化

  • 電子カルテのクラウド化推進
  • 当財団で運営する医療施設間の情報共有を支えるクラウド基盤の導入
  • 医療情報のセキュリティ対策強化

 

3. 人材育成

  • WS に精通した AI クラウド人材の育成
  • 医療 DX を推進する院内人材の継続的なスキルアップ

 

■両者コメント

一般財団法人大原記念財団 理事長兼統括院長 佐藤 勝彦 氏
「大原記念財団は,『人を愛し,病を究める』を理念に掲げ,地域住民の健康を守ることを最大の使命として歩んでまいりました。東日本大震災という未曾有の危機においても地域医療を守り抜いた経験から,医療の持続可能性を確保するためには,デジタル技術の積極的な活用が不可欠であると確信しています。
2024 年度に医療 DX 企画室を新設し,AWS ジャパンとの連携を通じて院内各部門の業務効率化を推進してまいりました。既に生成 AI を活用した『退院サマリー』の実証が成果を上げており,2026 年 4 月からの本番稼働に向けて確かな手応えを感じています。今後も,看護サマリーの自動作成をはじめ,医療の質向上と働き方改革の両立に向けた取り組みを加速してまいります。」

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
パブリックセクター統括本部ヘルスケア & アカデミア事業本部長    大場    弘之 氏
「大原記念財団様との連携により,AWS の生成 AI とクラウド技術が日本の医療現場の課題解決に貢献できることを大変うれしく思います。AWS は昨年発表したヘルスケア・ライフサイエンス業界における戦略的ビジョンのもと,医療データを統合的に活用する医療機関・団体支援しています。本取り組みが日本全国の地域医療機関における医療 DX 推進のモデルケースとなることを期待しています。」

■医療現場の声

総合診療科 医師 菅藤 賢治 氏
「これまで退院サマリーの作成には 1 件あたり 30〜60 分を要しており,深夜まで対応することも珍しくありませんでした。生成 AI が電子カルテの情報を自動的に整理・文書化してくれることで,医師本来の業務である患者さんとの対話や診断・治療に集中できる環境が整うことに期待しています。」

医療アシスタントチーム 宍戸 恵子 氏
「RPA と生成 AI の組み合わせにより定型的な入力・転記作業が自動化されれば,私たちも患者さんの対応や医療チームのサポートにより多くの時間を使えるようになります。現場全体の負担軽減につながると大きく期待しています。」

 

●問い合わせ先
一般財団法人大原記念財団 経営本部経営企画課
TEL:024-526-0300(代表)
E-mail:nagamine@ohara-hp.or.jp

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