ミニメドジャパン,ミニメド™ 780G システムのスマートガード™機能,国内で2歳以上の小児への適応拡大を承認
―幼児期からの自動インスリン注入(AID)療法が可能に―

2026-5-22

日本メドトロニック


【製造販売元】 日本メドトロニック(株) 販売名:メドトロニック ミニメド 700シリーズ 医療機器承認番号:30300BZX00256000

【製造販売元】 日本メドトロニック(株)
販売名:メドトロニック ミニメド 700シリーズ
医療機器承認番号:30300BZX00256000

ミニメドジャパン合同会社(以下,ミニメドジャパン)は,「ミニメド™780G システム」に搭載されたスマートガード™機能について,製造販売元である日本メドトロニック(株)が使用対象年齢をこれまでの7歳以上から2歳以上へ拡大する薬事承認を,2026年5月20日に取得したことを発表した。スマートガード™機能は,血糖管理における負担を軽減することを目的として設計されている。血糖値と相関する皮下グルコースの変化を持続的に読み取り,膵臓本来のインスリン分泌機能を模倣するかのように,必要なインスリンを自動的に調節・注入する。今回の薬事承認により,2歳から6歳までの小児においても本機能の使用が可能となり,血糖管理が難しい幼児期の1型糖尿病患者に対して,自動インスリン注入(AID:Automated Insulin Delivery)療法という新たな治療選択肢を提供する。

ミニメド 780G システムは,血糖自己測定による較正[1]が不要な持続グルコースモニタリング(CGM)と連動し,グルコース値の予測に基づいて基礎インスリンの調整および追加インスリンの注入を自動で行う国内で唯一のAIDシステムとして,2023年11月の日本発売以降,多くの人々に使用されている。実臨床では,血糖管理の質の向上に加え,日常生活における負担軽減や安心感の向上など,QOLの観点からも高い評価が得られている。

海外における臨床試験および実臨床データでも,ミニメド780G システムの有用性が一貫して示されている。全世界47万人のミニメド780G システムの実臨床データは,最大規模のエビデンスの一つであり,本システムの使用開始後,目標血糖範囲(70–180 mg/dL)に含まれる割合であるTime in Range (TIR)は平均で72.1%に達し,低血糖指標であるTime below Range (TBR)(<70 mg/dL)は0.3%に抑えられていた。さらに,推定HbA1c指標であるGlucose Management Indicator (GMI)は7.0%となり,良質な血糖管理が可能であることが示唆されている[2]。さらに,参考推奨設定(Recommended Optimal Setting)が使用された場合,Time in Range(TIR)が77.1%*に達することが示されている[2]

また,小児を対象とした国際的な臨床研究である LENNY Study[3] の結果は,医学誌 The Lancet Diabetes & Endocrinology に掲載され,1型糖尿病を持つ2~6歳の小児におけるミニメド780G システムの有効性および安全性が示されている。本多施設共同・無作為化クロスオーバー試験では,スマートガード使用時に,非使用時と比較してHbA1cが0.6%低下し,TIRが9.9%向上した[3]。さらに,保護者・介護者からは,夜間の睡眠の質の改善,血糖管理にかかる時間の低減,および低血糖に対する恐怖感の軽減といった,QOLの改善も報告されている[3]

近年,国内外の糖尿病治療ガイドラインにおいても,AIDの有用性は明確に位置づけられている。国内では日本糖尿病学会は,小児・思春期1型糖尿病についてインスリン頻回注射法に比べ,低血糖の頻度を増加させずに血糖コントロールを改善することから,AID療法が強く推奨されている[4]。 国際小児思春期糖尿病学会(ISPAD)のガイドラインでは,AID療法は,小児・思春期1型糖尿病において,TIRの改善や低血糖・高血糖の軽減,QOLの向上,特に夜間におけるケアの負担軽減を目的として,強く推奨されている[5]。欧州をはじめとする海外ガイドラインにおいても,小児患者に対するAIDの活用が血糖管理改善のための治療選択肢として推奨されている。

今回の適応拡大に際し,日本小児・思春期糖尿病学会 理事長 菊池 透医師は次のように述べている。
「幼児期は,自身の体調や低血糖症状を言葉で十分に表現できないため,糖尿病管理が特に難しい時期です。医療現場では,夜間の低血糖に対する保護者の不安や,継続的な管理負担の大きさを強く感じています。今回,ミニメド780Gシステムのスマートガード機能が2~6歳の小児にも使用可能となることは,こうした課題に対する重要な前進であり,患者とご家族の安心感やQOL向上に大きく貢献すると考えます。」

また,ミニメドジャパンの日本法人社長 岡 光代氏は次のように述べている。
「今回の適応拡大により,幼少期からAID療法を新たな治療選択肢として届けることが可能となりました。私たちは,糖尿病患者とそのご家族の幸せを第一に考え,一人ひとりに寄り添ったソリューションの提供と,誰もがアクセスできる環境づくりを目指しています。私たちは,今後も必要とされる患者に先進的な治療法を提供することで,患者さんとご家族の方々のよりよい毎日に貢献してまいります。」

ミニメドジャパンは,今後も科学的エビデンスと臨床現場のニーズに基づき,患者とその家族,医療従事者を支援する革新的な治療ソリューションの提供を通じて,糖尿病治療のさらなる発展に貢献していく。

国内の1型糖尿病患者をめぐる背景や課題
国内の1型糖尿病患者数は約9万2千人[6]であるとされ,特に1型糖尿病の場合は若年発症の割合が高く,罹病期間が長い傾向がある。そのため,生涯にわたり血糖管理を継続する必要があり,成長・就学・就労・妊娠など,ライフステージごとに治療と日常生活の両立が求められる。特に小児期においては,食事量や運動量が日々大きく変動することに加え,自身での管理が難しい場面も多く,保護者や介護者が血糖測定やインスリン投与を担うケースが少なくない。その結果,患者本人だけでなく,家族にとっても身体的・心理的負担が大きくなることが課題とされている。1型糖尿病と2型糖尿病の違いに対する認知の不足や社会的スティグマが,学校や職場における誤解を招くことが多く,糖尿病とともに生きる人々の課題を一層深刻化させている。

ミニメド 780Gシステムについて
ミニメド 780Gシステムは,メドトロニックが提供する自動インスリン注入(AID : Automated Insulin Delivery)療法の機能を備えたインスリンポンプシステムである。ミニメド780Gシステムに搭載されているスマートガード機能(アドバンスハイブリッドクローズドループ:AHCLとも呼ばれる)は,持続グルコースモニタリング(CGM)と連動し,グルコース値に基づいて5分ごとにインスリン投与を自動化し,高血糖を自動補正しながら,個々の患者に合わせて投与量を最適化する§ 。本システムは目標グルコース値100~120 mg/dLでの使用を前提として設計されており,この目標値は個人に応じて調整・カスタマイズが可能である。また,本システムは,インスリン分泌が高度に障害される糖尿病を適応としており,自動化により負担の少ない血糖管理を求める人々のニーズに応えることを目的としている。

ミニメド 780Gシステムのスマートガード機能の新しい適応と使用対象
従来では7歳以上の1型糖尿病に限られていたが,今回の拡大から,インスリン分泌が高度に障害される糖尿病を適応とし,2歳以上の1型糖尿病及びその他の糖尿病患者,18歳以上の2型糖尿病患者を新たな使用対象としている。(ただし,妊娠糖尿病を除く)

※メドトロニックの糖尿病事業部門ダイアビーティスは2026年3月,MiniMedとして新たな一歩を踏み出した。

* このTIRは,グルコース目標値100 mg/dLおよび残存インスリン時間2時間の参考推奨設定を,少なくとも95%の時間で使用した場合に達成されたものである。なお,各患者におけるスマートガード機能の設定は,個々の治療目標や特性に基づき,主治医により決定される。

§ スマートガード機能を指する。効果には個人差がある。

1.CGMが測定している変動する間質液中のグルコース濃度(センサグルコース値)を血糖値(血液中のグルコース濃度)に近づけるため,定期的に血糖自己測定器で測定した値を入力することを較正と呼ぶ
2.Medtronic Data on File(2026年1月31日時点。血糖管理のデータマネジメントシステムであるケアリンク登録時に関連する同意書内容に同意,及び10日以上のセンサデータのあるユーザーを集計。)
3.Battelino et al. Efficacy and safety of automated insulin delivery in children aged 2–6 years (LENNY): an open-label, multicentre, randomised, crossover trial; Lancet Diabetes Endocrinol 2025
4.  日本糖尿病学会.“小児・思春期における糖尿病”. 糖尿病診療ガイドライン2024. 南江堂, 2024, 18章, p.401
5.ISPAD Clinical Practice Consensus Guidelines 2024: Diabetes technologies: Insulin delivery.
6.2017年厚生労働科学研究 田嶼班

 

●問い合わせ先
ミニメドジャパン合同会社
https://www.minimed.com/jp

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