アルム,診療所の環境を身近な場所へ郵便局・公民館を活用した遠隔診療を福島県只見町で実証開始
~持ち運べる診療所で,住民の通院負担軽減を目指して~
2026-9-3
福島県の只見町国民健康保険朝日診療所(以下 朝日診療所)と(株)ディー・エヌ・エー(以下 DeNA)の子会社である(株)アルム(以下 アルム)は,只見町の郵便局や公民館を診療拠点として活用する遠隔診療の実証事業※1を2026年9月3日より開始する。
只見町公民館にてJoin Mobile Clinicによる遠隔診療の様子
本実証では,アルムが提供する統合型遠隔医療支援ソリューション「Join Mobile Clinic(以下JMC)」初の試み※2として,住民にとって身近な生活拠点である郵便局・公民館でJMCによる遠隔診療を実施し,医療アクセスの向上に取り組む。患者の方は郵便局・公民館にいながら看護師のサポートを受けつつ,必要に応じて超音波エコーなどのポータブル医療機器の検査を組み合わせながら朝日診療所の医師による遠隔診療を受けられる。診療にはJMCに搭載された医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join(ジョイン)」を用いる。
医師側ではエコーの様子もモニター上で確認できる
只見町の地域医療を取り巻く課題
福島県只見町は,人口3,370人のうち65歳以上が占める割合が48.4%※3と,全国平均約29%※4と比べても高齢化が著しく進む中山間地域である。東京都23区の約1.2倍にあたる広大な町域に集落が点在し,冬季には積雪が非常に多く,国から特別豪雪地帯に指定されている。
町内唯一の診療所である朝日診療所が地域医療を支えているが,医師・看護師の尽力によって医療が維持されているものの,高齢化の進行や移動手段の制約に伴い,診療所まで自力で通院することが難しい住民もいる。特に積雪の多い冬季には,日常的な通院や継続的な受診が住民にとって大きな負担となることから,身近な場所で医療につながる環境を確保することが地域医療における課題となっている。
こうした課題に対し,町内の公民館や郵便局を活用し,医師がいる朝日診療所と地域の身近な拠点をオンラインでつなぐことで,住民の通院負担の軽減と医療アクセスの向上を目指す。
■ 実証概要
実施期間:2026年9月~ 2027年2月末予定
診療対象:朝日診療所への通院が困難な住民。高血圧など生活習慣病の未病・重症化予防を目的とした定期検診が中心。
診療形態:各拠点にJMCを設置し,医師は診療所から,看護師が患者に付き添う D to P with N型遠隔診療(予約制にて運用予定)。
第1拠点:只見公民館:2026年9月〜2027年2月末予定
第2拠点:布沢簡易郵便局:2026年11月~2027年2月末予定
通信環境:第2拠点では次世代通信基盤 IOWN(アイオン)/APN※5を活用予定(12月開通予定)。開通までは通常インターネット回線にて実施
JMCは,各種ポータブル医療機器を活用先の医療ニーズに応じて組み合わせ,スーツケースに収めて持ち運べるようにしたパッケージ。医療資源が限られ,医療機関へのアクセスが難しい地域では平時に,非常時には被災地や避難所などで,遠隔地の医師による診療を支援する。
<今後の展望>
只見町は,本実証で得られた結果をもとに,住民が住み慣れた地域で医療を受け続けられる体制のあり方を検討していく。アルムは,只見町での知見を同様の課題を抱える地域や離島の医療アクセス改善に活かしていく。本実証を通じて,人口減少と高齢化が進む地域において,地域の身近な場所に医療を届ける新たな選択肢の実現に取り組んでいく。
※1 本実証は総務省「地域社会DX推進パッケージ事業(先進的通信システム活用タイプ)」にて採択。DeNA,アルム,只見町,NTT東日本と連携して実施
※2 JMCは国内外で災害時などの非常時を中心に活用されてきた。本実証では,平時の地域医療における有用性を検証する。
※3 出典:只見町広報ただみ8月号No.675
※4 出典:内閣府「令和7年版高齢社会白書」
※5 IOWNはNTTが推進する次世代通信基盤構想,APN(All-Photonics Network)はその中核をなす光伝送技術。
●問い合わせ先
(株)アルム
https://www.allm.net/
