アイラトが2026年度 第21回「ニッポン新事業創出大賞」で地方創生賞を受賞
「地方から世界へ」の期待を背に,放射線治療計画AI支援ソフトウェアで,治療品質の均てん化と医療現場の過重労働解消実現に挑む。
2026-11-5
AI技術による放射線治療計画支援ソフトウェアの開発・事業化を行うアイラト(株)は,公益社団法人日本ニュービジネス協議会連合会(JNB)が主催する「第21回ニッポン新事業創出大賞」において,アントレプレナー部門の「地方創生賞」を受賞した。ニッポン新事業創出大賞は,全国のニュービジネス協議会が連携し,革新的な事業で日本経済の発展に貢献する企業を顕彰する全国規模の表彰制度である。なかでも地方創生賞は,地域の雇用創出や経済活性化に貢献した企業に贈られるもので,アイラトの受賞は,東北大学発の研究を医療AIとして事業化し,「地方から世界へ羽ばたいてほしい」という期待とともに評価を得た。
■受賞のポイント(JNBホームページより)
高度放射線治療IMRTにおいて,熟練者に依存していた治療計画を独自AIにより自動化し,約6時間を要した作成時間を約30分へ大幅に短縮した点を高く評価する。代表が長年培った医学物理・AI研究の知見と,国内トップ医療施設から得た質の高い臨床データを基盤に,治療計画の高品質化と安全性の自動検証を実現している。国内初の高度管理医療機器プログラム承認を取得し,専門人材が不足する地方病院でも高度な放射線治療を提供できる可能性を拓いた点も意義深い。医療従事者の業務負担軽減と病院経営への貢献を両立し,今後さらに治療計画の高速化・高度化を進め,アジア,米国へ展開することで,世界のがん治療の質向上と医療格差の解消に貢献することを期待する。宮城県仙台市に本社を置く東北大学医療AIスタートアップでもあり,地方創生賞が妥当であると判断する。
■アイラトが取り組む社会課題
日本では2人に1人が生涯でがんと診断され,高齢化に伴い患者数は今後も増える見込みである。身体への負担が少ない放射線治療は高齢化社会で重要性を増す一方,専門医や医学物理士は都市部に集中し,地方では高度な治療を受けられる環境が限られている。特に強度変調放射線治療(IMRT)は治療計画の作成に6時間以上を要し,施設や担当者の経験によって治療の質に差が生じることが,普及の壁となっている。
■アイラトの取り組み
- アイラトは,国内初の放射線治療AIスタートアップとして,放射線治療の中核プロセスである治療計画をAIで革新している。
- 地域を問わない高水準の治療: 施設間の治療品質の差を縮小。患者がどこに住んでいても高水準の治療を受けられる環境づくりを目指す。
- 医療従事者の負担軽減: 従来6時間以上かかっていた治療計画作成を約30分に短縮し,限られた人員でもより多くの患者に高度な治療を届けられるようにする。
2026年6月には,放射線治療計画AI支援ソフトウェア「RatoAI」が高度管理医療機器(クラスⅢ)のプログラム医療機器として製造販売承認を取得。 臨床現場での実装段階へと進んでいる。また,総務省「デジタルインフラ海外展開支援事業」への採択など,海外展開に向けた取り組みも進めている。
■アイラト代表取締役 角谷倫之氏コメント
『このたびは,全国規模の歴史ある表彰制度であるニッポン新事業創出大賞において,地方創生賞をいただき大変光栄です。「地方から世界へ羽ばたいてほしい」という期待の込められた賞を,東北で生まれた医療AIスタートアップとして受賞できたことを心からうれしく思います。当社の社名「AiRato」には,AI,放射線治療(Radiation therapy),そして東北(Tohoku)から医療の未来を切り拓くという想いを込めています。放射線治療は,専門人材の偏在により地域によって受けられる治療に差が生じやすい領域です。だからこそ,東北を拠点とする私たちが,AIでその差を埋めることに意味があると考えています。今回の受賞を励みに,東北から全国,そして世界のがん患者に質の高い放射線治療を届けてまいります。』
■今後の展望
アイラトは今回の受賞を励みに,RatoAIの国内医療機関への導入拡大を進めるとともに,海外展開にも取り組んでいく。また今後も臨床現場の声を反映しながら継続的に改良を重ね,将来的には放射線治療領域におけるAI活用の可能性をさらに広げ,日本発の医療AIとしてこの分野をリードしていく。
●問い合わせ先
アイラト(株)
https://airato.jp/
