キヤノンメディカルシステムズ,AI技術を用いた読影支援など,医療の効率化を実現するソリューションをアピール

2021-8-3

キヤノンメディカルシステムズ


病院・診療所・健診センター別にソリューションを紹介したキヤノンメディカルシステムズブース

病院・診療所・健診センター別にソリューションを
紹介したキヤノンメディカルシステムズブース

キヤノンメディカルシステムズは,ポストコロナでの医療環境の変化を見据えて,人工知能(AI)技術などを用いて医療機関内で発生する情報を速やかに収集,統合し,その分析・加工による,効率的で質の高い医療を提供するためのソリューションを来場者にアピールした。同社のヘルスケアITシステムについて,病院,診療所,健診センターの領域別に紹介。病院を対象とした製品として,大中規模病院向け電子カルテシステム「HAPPY ACTIS」,医事会計システム「HAPPY RAPPORT」,歯科電子カルテシステム「HAPPY ACTIS-ERD」,シーエスアイの電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ」,診断支援ソリューション「Abierto Cockpit」,読影支援ソリューション「Abierto Reading Support Solution(Abierto RSS)」,キヤノンITSメディカルの画像転送参照サービス「Medical Image Place」,動画ネットワークシステム「Cardio Agent Pro」などを展示。診療所向けには医事会計・電子カルテシステム「TOSMEC Aventy 3.0」を紹介した。さらに,検診センター向けとして,大中規模施設向け健診システム「HealthcareAgent」,中小規模施設向け健診システム「AsosiadoIV」,健診データ収集システム「ハンディ健診3.0」をPRした。

●モバイル端末による操作で看護業務を支援する電子カルテアプリケーション“HAPPY ACTIS Mobile”

大中規模病院向け電子カルテシステムの「HAPPY ACTIS」で利用可能なモバイル端末用電子カルテアプリケーション,HAPPY ACTIS Mobileを紹介した。利用者によって画面のカラーを変更できるようにして,容易に識別を可能にするなどインターフェイスに工夫を凝らしている。病棟の各所でリアルタイムでのカルテ入力が可能で,ナースステーションに戻ってからカルテ端末に入力することなく業務の効率化を図れる。また,これまでのようにノートPCのカルテ端末をカートに乗せて病室を移動するといった負担も解消できる。処置,処方などは,モバイル端末内蔵のカメラでバーコードを読み取る三点認証により,迅速かつ確実な実施が可能である。さらに,内蔵カメラで褥瘡などを撮影し,ケーブルに接続することなく,HAPPY ACTISのサーバに画像を送信することで,患者の取り違えを防ぎ,安全に画像を保存できる。なお,アプリケーションは,iOS版とAndroid版を用意している。

利用者によって画面のカラーを変更でき識別しやすいインターフェイスを採用した“HAPPY ACTIS Mobile”

利用者によって画面のカラーを変更でき識別しやすいインターフェイスを採用した“HAPPY ACTIS Mobile”

 

利便性に優れた内蔵カメラによる三点認証で処方・処置などの安全性を確保

利便性に優れた内蔵カメラによる三点認証で処方・処置などの安全性を確保

 

●読影支援ソリューションAbierto RSSのアプリケーションを拡充

2020年7月に発表したAbierto RSSは,ディープラーニングを用いて開発されたアプリケーション群。今回の国際モダンホスピタルショウでは,新たなアプリケーションとして,MR画像から脳動脈瘤候補を検出する“Aneurysm”と骨転移候補を表示する“Bone Subtraction”が紹介された。Aneurysmは脳動脈瘤の候補を検出してマーカーで示し出す。これにより,脳ドックなどにおいて医師の診断を支援し,読影業務の効率化にも寄与する。もう1つのBone Subtractionは,今回画像と過去画像を差分し,CT値の変化から腫瘍が骨に転移している可能性のある部位をカラー表示する。
2020年7月に発表したAbierto RSSのアプリケーションは,“脳卒中パッケージ(for Stroke)”として提供され,急性期脳卒中の診断を支援する。アプリケーションには,CT画像から出血領域をカラーで強調表示する“Hemorrhage analysis”,虚血を定量評価するためのASPECTS解析を自動化する“Ischemia analysis”,パーフュージョン解析を行う“Brain Perfusion”,主幹動脈の閉塞部位を検出し,MPR画像とVR画像上にマーカーで示す“Brain Vessel Occlusion”がある。
なお,Abierto RSSは,Medical Image Placeとも連携し,ユーザーはサブスクリプション方式でアプリケーションを利用できる。

“Aneurysm”は脳MR画像から動脈瘤候補を検出

“Aneurysm”は脳MR画像から動脈瘤候補を検出

 

骨転移の可能性をカラーで表示する“Bone Subtraction”

骨転移の可能性をカラーで表示する“Bone Subtraction”

 

頭部単純CT画像上で出血部位を強調表示する“Hemorrhage analysis”

頭部単純CT画像上で出血部位を強調表示する“Hemorrhage analysis”

 

“Ischemia analysis”は,early CT signの確率が高い領域を強調表示

“Ischemia analysis”は,early CT signの確率が高い領域を強調表示

 

パーフュージョン解析を行う“Brain Perfusion”

パーフュージョン解析を行う“Brain Perfusion”

 

閉塞部位などをマーカーで示す“Brain Vessel Occlusion”

閉塞部位などをマーカーで示す“Brain Vessel Occlusion”

 

●ペースメーカーのデータを統合管理する「CardioAgent Pro for CIEDs」

2021年1月に発表したCardioAgent Pro for CIEDsは,ペースメーカーなどの心臓植込みデバイスをクラウドを利用して一元管理するサービス。従来の心臓植込みデバイスの遠隔管理は,デバイスメーカーごとに各社のWebサイトにアクセスして,患者の状態や埋め込まれたデバイスのデータを取得していた。さらに,それらの情報を電子カルテに転記するといった作業も生じており,煩雑であった。CardioAgent Pro for CIEDsでは,デバイスメーカーを問わず,クラウド環境でデータを自動収集して施設内の専用ゲートウェイで一元管理する。データの参照は,専用のアプリケーションが不要で,ブラウザで行える。

クラウドを利用しペースメーカーなどの心臓植込みデバイスを一元管理できる「CardioAgent Pro for CIEDs」

クラウドを利用しペースメーカーなどの心臓植込みデバイスを一元管理できる「CardioAgent Pro for CIEDs」

 

●新機能の開発が進むAbierto Cockpit

医用画像をはじめとした各検査情報を一覧表示して,患者の状況を把握できる医療情報統合ビューワのAbierto Cockpitは,ブース内で現在開発を進めている新機能が参考展示された。“病変経時変化”(W.I.P.)は腫瘍のサイズの変化を表示して,ほかの情報を組み合わせて治療効果を確認できる。また,“有害事象”(W.I.P.)は,副作用など時系列に表示する。

“病変経時変化”(W.I.P.)と“有害事象”(W.I.P.)など新機能の開発が進む医療情報統合ビューワ「Abierto Cockpit」

“病変経時変化”(W.I.P.)と“有害事象”(W.I.P.)など新機能の開発が進む医療情報統合ビューワ「Abierto Cockpit」

 

●お問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
国内営業本部 ヘルスケアIT営業部
担当:武田 芳郎
yoshiro.takeda@medical.canon
TEL:03-6369-2045
URL:https://jp.medical.canon/

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