富士通Japan,「デジタルホスピタル」実現のためのAIエージェントやクラウド型電子カルテをアピール

2026-7-30

富士通


医療機関のAI活用とDXでデジタルホスピタルの実現をめざす富士通Japanブース

医療機関のAI活用とDXでデジタルホスピタルの
実現をめざす富士通Japanブース

富士通Japanは,「つながる医療が未来をつくる-デジタルホスピタルで拓く,持続可能な医療」を展示テーマに,同社が推進する「デジタルホスピタル」としてAIエージェントの紹介や,大規模病院向け,中小規模病院・診療所向けの電子カルテや生成AIを活用した診療・業務支援のさまざまなソリューションを展示した。ブースではシステム展示のほか,ブース内にセッションコーナーが設けられ製品紹介や導入事例などの講演やプレゼンテーションが行われた。DX Insights Stageとして,「AIエージェントによる外来オペレーションの効率化と今後の構想について」(慶應義塾大学・陣崎雅弘氏),「中小規模病院様向け電子カルテHOPE Smart Cloud Karte導入事例」(赤坂台病院・根津撤也氏)の講演が行われた。

医療機関向けAIエージェントサービスとして,受付や問診,患者からの問い合わせなどに対応する外来オペレーションのサービスを紹介した。富士通のAIエージェントサービスは,会話ログや電子カルテデータ,ステータス情報,条件や制約事項などを入力情報として,患者や医療従事者と対話しながら自律的にタスクを実行するのが特長だ。まずは,外来や入退院におけるオペレーション(QA機能,ナビゲーション機能,予約確認 / 変更機能)を中心に,患者対応や医療従事者間のタスクをAIエージェントが実行する機能が提供される。展示では,同社がすでに提供している患者向けサービス「HOPE LifeMark-コンシェルジュ」と連動したデモを行った。患者のスマートフォンにインストールされたコンシェルジュのアプリから,新規に外来予約をするとAIエージェントが予約枠から候補の時間をピックアップして表示したり,予約前日のリマインドや患者からの質問に答えたりする機能を紹介した。AIエージェントを使うことで,細かな条件設定やプログラムを必要とせず,AIエージェントが自律的にタスクを実行してスタッフや利用者の負担を軽減する。

外来業務を支えるAIエージェントサービスを展示

外来業務を支えるAIエージェントサービスを展示

 

AIエージェントはコンシェルジュと連動してさまざまなサービスを提供可能

AIエージェントはコンシェルジュと連動してさまざまなサービスを提供可能

 

AIエージェントに関してはセッションで陣崎氏が慶應義塾大学病院での取り組みを講演した。同院は内閣府の「AIホスピタルプロジェクト」に参画し,医療AIの病院業務への「実装」に取り組んできた。陣崎氏は,AIの病院業務への実装について2018年からの第一段階では,高度なAIの導入ではなく,普遍的な業務のデジタル化やロボットの導入に取り組んだと述べた。ここでは,外来業務での問診のデジタル化,薬剤部門でのロボットの導入,病棟でのコマンドセンターの導入など,単数あるいは少数の部門の課題に対して,既存のワークフローにAIやITを取り入れることで大きなメリットを生んだ。第二段階では,第一段階の各部門の成果やその過程で培われたAIに取り組む素地をベースとして,部門横断的な課題に対してAIを適用することをめざしている。そのターゲットとなるのが生成AIやAIエージェントの導入で,現在,富士通のAIエージェントを先行導入して検証を行っており,外来の受付業務において人の業務の代行や患者待ち時間の減少などの効果が出ていることを紹介した。

陣崎雅弘氏は慶應義塾大学病院のAIホスピタルの取り組みを講演

陣崎雅弘氏は慶應義塾大学病院のAIホスピタルの取り組みを講演

 

中小規模病院向けの電子カルテとして,2025年の国際モダンホスピタルショウで参考出展され,その後7月にリリースされたクラウド型電子カルテシステム「HOPE Smart Cloud Karte」を展示した。HOPE Smart Cloud Karteは,2030年までに電子カルテ普及率100%の目標が掲げられた医療DX令和ビジョン2030を背景に開発された中小規模病院(300床以下)向けのクラウド型電子カルテシステムで,マスタなどのひな形を用意して導入にかかるコストや時間の削減を可能にしたのが特長だ。富士通がこれまで培ってきた1500以上の導入実績を基に運用を定型化し,「お客様ポータル」と呼ばれる専用サイトのガイダンスに従って進めることで,専用スキルや体制がなくてもスムーズに導入し運用を開始することができる。画面やユーザーインターフェイス(UI)についても富士通電子カルテの機能を継承して使い慣れた環境で運用することができる。また,生成AIを利用した「紹介状」「退院サマリ」の自動生成機能を搭載。こちらもあらかじめ用意されたプロンプトで容易に利用できるなど,現場の負担を軽減する機能が搭載されている。

中小規模病院向けクラウド型電子カルテシステム「HOPE Smart Cloud Karte」

中小規模病院向けクラウド型電子カルテシステム「HOPE Smart Cloud Karte」

 

生成AIを利用した「紹介状」「退院サマリ」の自動生成機能を利用可能

生成AIを利用した「紹介状」「退院サマリ」の自動生成機能を利用可能

 

無床診療所向けのクラウド型電子カルテとして,「HOPE LifeMark-TX Simple type」を紹介した。電子カルテを一から導入する新規開業向けの完全クラウド型のシステムとして提供される。シンプルで直感的なUIで,入力欄に合わせて必要な項目が自動で展開してクリックすることなくスムーズなカルテ入力が可能になっている。また,医事会計の機能が統合さており,カルテの画面からシームレスに会計やレセプトチェックなどが行えるのも特長だ。また,国の「共通算定モジュール」にも対応している。

無床診療所向けのクラウド型電子カルテ「HOPE LifeMark-TX Simple type」

無床診療所向けのクラウド型電子カルテ「HOPE LifeMark-TX Simple type」

 

大規模病院向けのコーナーでは,音声ソリューション「音声カルテ」を展示した。診察室のスピーカーフォンなどで入力された医師と患者との会話を音声認識し,その内容を生成AIによりSOAP形式に自動で要約を作成するものだ。医師はその下書きを確認し,必要に応じて修正を加え,カルテ転記ボタンで電子カルテのプログレスノートに保存する。そのほかインフォームドコンセントやカンファレンスの議事録作成などにも対応できる。音声カルテの生成AI基盤は,専用回線を利用した閉域ネットワーク上においてセキュリティを担保し,API連携によって診療情報はクラウド上には保存されないシステム構成を取るなど安全な運用環境を担保している。

音声ソリューション「音声カルテ」を展示

音声ソリューション「音声カルテ」を展示

 

診察の会話を自動認識してSOAP形式で要約を生成

診察の会話を自動認識してSOAP形式で要約を生成

 

また,「医療機関向け医療文章作成支援サービス(Generative AI Services for Healthcare)」は,富士通の生成AIを活用した医療文章作成支援サービスで,医師向けの退院サマリ作成,看護師向け看護サマリ作成支援サービス,患者申送り(勤務前情報収集)作成支援サービス,他職種向け汎用生成AIサービスなどを提供する。富士通の生成AIソリューションは,電子カルテと連携した診療・記録データの利用が可能で,閉域ネットワークの活用で安全に利用できることが特長だ。看護師向けの患者申送り作成支援では,電子カルテの看護記録や医師記録からその日の患者の状態を要約し,日勤夜勤の交代時の申送り情報を生成する。看護師間の申し送りや患者情報の収集は,複数の画面を確認して作成するため看護師の業務の中で大きな負担となっており,生成AIの活用が期待されている。電子カルテと連携して情報を集約できる富士通の生成AIだからこそ実現できた機能と言えるだろう。

「医療機関向け医療文章作成支援サービス」の患者申送り(勤務前情報収集)作成支援サービス

「医療機関向け医療文章作成支援サービス」の患者申送り(勤務前情報収集)作成支援サービス

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国際モダンホスピタルショウ2026
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