ITEM2019 EIZO ブースレポート 
「Making Each Life Visual」をテーマに,12メガピクセル医用画像表示カラーマルチモダリティモニタをはじめとする幅広いソリューションを紹介


2019-5-9


EIZOブース

EIZOブース

ITEM2019でEIZOが掲げるテーマは「Making Each Life Visual」。増大する医療情報をスピーディかつ適切に処理することが求められる時代に,「ビジュアルテクノロジーカンパニー」として,治療・手術,医療ITなどの幅広い分野で,個々の患者の健康に貢献するソリューションの提案をめざす。ブースでは,開発中の12メガピクセル医用画像表示カラーマルチモダリティモニタや手術室向け映像ソリューションなどを展示した。

●開発中の12メガピクセル医用画像表示カラーマルチモダリティモニタを初披露

現在開発中である,EIZO初の解像度12メガピクセル(横4200×縦2800ピクセル)の医用画像表示カラーマルチモダリティモニタが初めて展示された。医用画像が増大する中で多種多量の画像を最適な環境で表示し,効率的に読影できる環境が求められている。既存製品では,「RadiForce RX850」の8メガピクセル(横4096×縦2160ピクセル)が最大解像度だが,EIZOではより高解像度モニタの開発を進めており今回の展示に至った。高解像度が必要とされる領域にブレストイメージングがあるが,日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)では,モニタ診断の条件として,5メガピクセル以上2面が求められている。12メガピクセルの解像度を持つことで,精中機構の推奨条件にも対応することが期待される。同製品では,同一画面内でモノクロとカラーをピクセルごとに自動判別し,それぞれ最適な階調で表示する“Hybrid Gamma PXL”機能など,既存製品で高評価を得ている機能を搭載する予定。また,モニタサイズを31.9インチ(対角線)におさめ,読影室向け間接照明「RadiLight」やアダプタを内蔵するなど,コンパクトさも同時に追求している。なお,発売は2019年12月を予定している。

開発中の12メガピクセルモニタ医用画像表示カラーマルチモダリティモニタ

開発中の12メガピクセルモニタ医用画像表示カラーマルチモダリティモニタ

 

読影室向け間接照明「RadiLight」を背面に内蔵予定。書類の読み書きやキーボード操作時に有用な手元照明を付属し,いずれも手元で手軽に操作できる。また,モニタサイズを小さくかつ薄くするなど,コンパクトな設計になっている。

読影室向け間接照明「RadiLight」を背面に内蔵予定。書類の読み書きやキーボード操作時に有用な手元照明を付属し,いずれも手元で手軽に操作できる。また,モニタサイズを小さくかつ薄くするなど,コンパクトな設計になっている。

 

●読影環境全体をコーディネート可能な読影室ソリューション群

EIZOは,2015年にイメーション(株)の医療市場向けシステムインテグレーション事業を買収するなど,モニタだけでなく,医療ITを含めた総合的なソリューションを提供する体制を整えている。ブースでは,それを形にした展示として,高精細モニタを中心に医療用音声認識ソフトやPC,デスクまでをEIZOがコーディネートした読影デスク環境を紹介し,ニーズに応じた最適なソリューションが提案可能なことをアピールした。

展示された読影環境では,EIZOのフラッグシップモデル「RadiForce RX660」や参照用のモニタを組み合わせた構成だけでなく,医療用音声認識ソフト「AmiVoice」〔(株)アドバンスト・メディア社製〕などもセットアップ。PCについても読影用の高スペックとインターネットなどの外部接続用の小型PCなど,用途に合わせた最適な端末が提供できることをアピールした。EIZOには,“Work-and-Flow”機能として2台のPCを一つのキーボードやマウスで操作できる“Switch-and-Go”機能があり,作業上のストレスを削減することができる。キーボードやマウスについても,人間工学に基づき,長時間の使用でも疲れないようデザインされた製品をチョイスした。さらに,読影用のデスクとして医療向けに開発されたオカムラ製の昇降可能なタイプを採用するなど,ユーザーの要望にあわせてワンストップで提供できることをPRした。

読影に最適な作業環境をトータルに提案するソリューション。デスクは高さ調整が可能。

読影に最適な作業環境をトータルに提案するソリューション。デスクは高さ調整が可能。

 

EIZOが提案可能な最新の読影用モニタ群。中央がマルチモダリティモニタ「RadiForce RX660」

EIZOが提案可能な最新の読影用モニタ群。中央がマルチモダリティモニタ「RadiForce RX660」

 

●国内外企業との統合で手術室向け映像ソリューションを充実

EIZOでは,手術室向け映像ソリューションを“CuratOR”のブランドで展開しているが,2016年のパナソニックヘルスケアの手術内視鏡モニタ事業や,2018年のカリーナシステムの買収で,ビジュアルテクノロジーカンパニーとしての体制が強化されていることを改めて示した。展示では,手術室まわりの映像ソリューションとして4K表示対応の32型ワイド手術用モニタ「CuratOR EX3241」,58インチのIVR用モニタ「RadiForce LS580W」,手術室向け画像統合表示システム「CuratOR Control Software」,カリーナシステムの手術映像記録・配信システムなどのラインアップを紹介した。CuratOR EX3241は,フルHDの4倍にあたる4K UHD(横3840×縦2160ピクセル)高解像度を表示可能な液晶モニタ。発光効率の優れたLEDバックライト搭載パネルにより高輝度700cd/m2を実現,高解像度と高輝度を両立させた。

4K表示対応32型ワイド手術用モニタ「CuratOR EX3241」

4K表示対応32型ワイド手術用モニタ「CuratOR EX3241」

 

手術室向け画像統合表示システム「CuratOR Control Software」

手術室向け画像統合表示システム「CuratOR Control Software」

 

2018年にEIZOグループの傘下となったカリーナシステムは,手術室向けの映像ソリューションで高い技術力と豊富な実績があり,EIZOが持つモニタソリューションとあわせて撮影から記録・配信,表示まで総合的な映像環境の提案が可能となった。ブースでは,カリーナシステムの術野カメラシステム「CHZ-1360-PTR」やONVIFトランスミッター「NVT-SDI」,「NVT-DVI」などを展示した。今後は,カリーナシステムの国内での知名度や導入実績を生かし,国内ではカリーナシステム,海外ではEIZOブランドでの展開を図る。

術野カメラシステム「CHZ-1360-PTR」(カリーナシステム社製)

術野カメラシステム「CHZ-1360-PTR」(カリーナシステム社製)

 

ONVIFトランスミッター「NVT-SDI」「NVT-DVI」(カリーナシステム社製)

ONVIFトランスミッター「NVT-SDI」「NVT-DVI」(カリーナシステム社製)

 

●ニーズに応じた総合的システムを提案可能な統合基盤ソリューション

統合基盤ソリューションコーナーでは,医療ITシステムの運用負荷軽減やセキュリティ強化に向けたサーバ製品やストレージを紹介,ニーズに応じた総合的なシステムも提案可能なことがアピールされた。

多彩なストレージ製品群が紹介された統合基盤ソリューションコーナー

多彩なストレージ製品群が紹介された統合基盤ソリューションコーナー

 

●お問い合わせ先
社名:EIZO株式会社
住所:本社 〒924-8566 石川県白山市下柏野町153番地
TEL:営業1部 メディカルクライアントソリューション課 03-5764-3404
URL:www.eizo.co.jp


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