ITEM2021 東洋メディック ブースレポート 
放射線治療計画サポートソフトウエア“Workflow Box”や「超音波骨密度測定装置 EchoSシステム」を中心に,豊富な医療用診断・測定機器を展示


2021-5-7


東洋メディックブース

東洋メディックブース

医療用診断・測定機器や放射線治療関連製品を豊富に取り扱う東洋メディックは今回,Mirada Medical社(英国)の放射線治療計画支援ソフトウエアツール“Mirada RTx”と放射線治療計画サポートソフトウエア“Workflow Box”,およびEcholight社(イタリア)の「超音波骨密度測定装置 EchoSシステム」を中心に展示を行った。また,骨密度測定関連製品,放射線治療関連製品,線量計,患者固定具などのコーナーを設け,従来から定評のある多数の製品を展示した。

●自動輪郭描画などにより放射線治療計画を支援する“Mirada RTx”と“Workflow Box”

Mirada RTxは,デフォーマブル・レジストレーション・アルゴリズムを利用した放射線治療計画支援ソフトウエアツールである。デフォーマブル・レジストレーションとは,歪みのないCT画像に,歪みのあるMR画像などをフュージョンさせる技術で,治療計画作成時にCT画像はもとより,MRI,PET,SPECTの画像も自由に組み合わせて使用可能となる。また,Mirada RTxにはATLASベースの自動輪郭描画機能が搭載されており,ATLAS画像や,過去に輪郭描画ずみの画像を利用することで,治療計画を行いたい症例の画像に対し,各モダリティの任意のビュー上にワンクリックでリスク臓器(OAR)の自動輪郭描画を行うこともできる。モダリティや放射線治療計画装置のメーカーを問わず使用可能で,デフォーマブル後や自動輪郭描画後の画像セットを放射線治療計画システムにエクスポートして利用できるほか,エクスポート前に自動輪郭描画後のデータの確認や編集も可能である。これにより,放射線治療計画作成の効率化が図られるほか,作成者による描画結果の差を低減することも期待できる。
また,2020年12月に薬機法承認を取得し販売を開始した放射線治療計画サポートソフトウエアWorkflow Boxは,CT画像の自動輪郭描画に特化した製品となっている。Zero-Clickプラットフォームにより,CT装置あるいは放射線治療計画装置からCT画像が転送されると自動的に輪郭作成を実行。クリック不要で,輪郭描画の結果は放射線治療計画システムあるいはMirada RTxに数分で返される。自動輪郭描画の機能としては,デフォルトでATLASモデルが用意されているほか,最新技術である機械学習を利用したDeep Learning Contouring(DLC)である“DLC Expert”が搭載されており,どちらを使用するかはユーザーが選択できる。DLC Expertは,頭頸部,肺野,腹部の3つの領域について,それぞれ200症例以上の輪郭描画後のデータを学習しており,現在,頭頸部,胸郭,乳房,前立腺のモデルが用意されている。また,Mirada RTxとWorkflow Boxを組み合わせて使用することで,放射線治療計画作成のさらなる効率化を図ることができる。

Mirada Medical社のコーナー  モニタはWorkflow Boxによる前立腺がんの自動輪郭描画後の画像

Mirada Medical社のコーナー
モニタはWorkflow Boxによる前立腺がんの自動輪郭描画後の画像

 

Workflow Boxによる頭頸部腫瘍の自動輪郭描画後の画像

Workflow Boxによる頭頸部腫瘍の自動輪郭描画後の画像

 

●腰椎および大腿骨の測定が可能な「超音波骨密度測定装置 EchoSシステム」

超音波骨密度測定装置であるEchoSシステムは,国内初のFRAX骨折リスク評価ツール搭載装置であり(同社調べ),2020年8月に薬機法承認を取得した。超音波骨密度測定装置では従来,かかとを測定するものが一般的であったが,EchoSシステムではX線を使用することなく腰椎および大腿骨を測定できる。X線被ばくのリスクがないほか,管理区域のない施設でも設置できる。また,骨密度の測定に当たりEchoSシステムが採用しているREMS(radiofrequency echographic multi-spectrometry)法は,測定したスペクトルを,年齢,性別,BMI,部位にマッチした基準スペクトルモデルと比較。測定したスペクトルを低骨密度または健常に分類,スコアを算出し,これをDXA-BMDとの回帰式を用いて骨密度測定値(eBMD)に変換する。日本人の骨密度リファレンスカーブとカットオフ値が搭載されており,eBMDからTスコア,Zスコア,%YAMの値を算出してメディカルレポートとして出力される。
EchoSシステムでの測定には,専用のコンベックスプローブを使用し,腰椎なら約80秒,大腿骨なら約40秒走査するだけで簡単に骨密度を測定することができる。また,EchoSシステムには,キャスター付きのスタンドに搭載され院内で使用するパネルPCタイプの「EchoStation」と,専用カートに収納し持ち運びも可能なノートPCタイプの「EchoS」の2種類があり,いずれも省スペースでアクセスビリティに優れているなど,アンメットニーズに応える製品となっている。

このほか,骨密度装置のコーナーには,ホロジック社の「Horizon」などが展示された。

超音波骨密度測定装置 EchoSシステム

超音波骨密度測定装置 EchoSシステム

 

パネルPCタイプの「EchoStation」とノートPCタイプの「EchoS」をラインアップ

パネルPCタイプの「EchoStation」とノートPCタイプの「EchoS」をラインアップ

 

EchoSシステムのファントム測定風景

EchoSシステムのファントム測定風景

 

測定にはコンベックスプローブを使用

測定にはコンベックスプローブを使用

 

腰椎(左)と大腿骨(右)のメディカルレポート

腰椎(左)と大腿骨(右)のメディカルレポート

 

骨密度測定装置コーナー

骨密度測定装置コーナー

 

●お問い合わせ先
社名:東洋メディック株式会社
住所:〒162-0813 東京都新宿区東五軒町2-13
TEL:03-3268-0021
URL:https://www.toyo-medic.co.jp/


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