ITEM2022 アゼモトメディカル ブースレポート 
リンケージ機能の自由度を高め,使い勝手を向上させた医療被ばく線量管理システム「AMDS」を展示


2022-5-6


アゼモトメディカルブース

アゼモトメディカルブース

アゼモトメディカルは, 2018年にリリースした医療被ばく線量管理システム「AMDS(アミダス)」を中心に紹介した。国内では,医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)が2015年に公表した日本の診断参考レベル(Japan DRLs 2015)が,2020年7月にJapan DRLs 2020へと改訂され,2020年4月からは線量管理・記録の義務化が始まった。各医療機関は線量管理システムを活用するなどして線量の管理・最適化に取り組んでいるが,アゼモトメディカルでは,AMDSの機能を追加・強化するバージョンアップでユーザー施設の線量管理・最適化を支援している。今回は,2022年3月のバージョンアップで実装された新機能をアピールするとともに,製品ラインアップに「白虎ライト」が追加されたことをPRした。
また,ブースでは,丸紅グループのクレアボ・テクノロジーズ社が2022年4月から販売を開始した,人工知能(AI)技術を活用した画像解析ソフトウエア「VIDA Insights」も併せて紹介した。

●リンケージ機能の自由度が向上した医療被ばく線量管理システム「AMDS」

AMDSは,線量管理により“最適な撮影条件を編み出す(アミダス)”ことをめざして開発された。各種モダリティやPACS,RISなどから線量データ(RDSR,DICOM画像,Dose report)を自動収集・処理し,Webブラウザのポータルページで個人別・プロトコル別に線量管理を行うことができる。大きな特徴が,モダリティメーカーや装置,施設ごとに異なる検査プロトコル名とJapan DRLsの検査名のリンク(紐付け)を設定することで,自動で紐付けが行われる独自の“リンケージ機能”である。一度設定すれば,以降は線量データ収集時に自動で処理されるため,ユーザーが手間を掛けることなく,Japan DRLsとの比較解析をいつでも行うことができる。
2022年3月のバージョンアップでは,リンケージ機能の自由度が向上した。その一つが,オリジナルコード(検査名)を作成する機能の追加である。これまでリンケージプロトコルのコード(検査名)はAMDSに登録された一覧から選択する方法としていたが,ユーザー自身でコード名を自由に作成できるようになった。これにより,モダリティ側のプロトコル名のままリンクが可能になるほか,非常に数多くのプロトコルを設定している施設においても使い勝手が向上する。
2つ目が,Japan DRLsへの紐付けが選択式になった点である。従来は部位別ですべての検査がJapan DRLsと紐付けられていたが,Japan DRLs 2020への切り替えを機に,紐付けない選択へのニーズが表面化したことから,ユーザー自身で紐付けなしも設定できるようになった。これにより,3D処理用の検査や施設独自で作成しているプロトコルなど,Japan DRLsと比較する自施設データに含めたくない検査を外すことができ,統計解析においてより適切なデータ処理が可能になる。

“リンケージ機能”によりJapan DRLsとの比較解析を容易に行える「AMDS」

“リンケージ機能”によりJapan DRLsとの比較解析を容易に行える「AMDS」

 

リンケージプロトコルコード(検査名)の作成機能が追加

リンケージプロトコルコード(検査名)の作成機能が追加

 

Japan DRLsと紐付けない選択も可能にし,より適切な統計解析を実現

Japan DRLsと紐付けない選択も可能にし,より適切な統計解析を実現

 

このほか,AMDSには手入力・修正機能とCSV取り込み機能が実装された。Japan DRLsでは,適正なデータ比較のために標準体格(身長,体重)が設定されているが,実際の運用では患者の身長や体重がRISなどに登録されておらず,AMDSにデータが入らないケースも多くある。また,モダリティがRDSR未対応などの場合にOCR機能で情報の取り込みを行うが,文字化けしてしまうケースもある。そこで,AMDSの画面で患者の身長・体重の入力や検査情報の修正をできるようにし,正確な線量データ管理やDRLs比較を可能にした。
CSV取り込み機能は,RISからCSVで出力した情報を登録・反映させる機能。例えば,IVRにおいて手技の途中でプロトコルが変更となったケースで,RDSRで収集したデータに最初に登録したプロトコルの情報しか反映されていない場合や,核医学検査での実投与量や薬剤名など,後から必要な情報をCSV出力して取り込むことで自動的にデータが書き換えられる。AMDSの標準機能として実装され,RISを連携しなくてもわずかな作業量で正確な情報の管理が可能になる。

患者の身長・体重の手入力や検査情報の修正に対応し,正確な線量データ管理やDRLs比較が可能に

患者の身長・体重の手入力や検査情報の修正に対応し,正確な線量データ管理やDRLs比較が可能に

 

●AMDSの製品ラインアップに「白虎ライト」を追加

AMDSは,大規模病院向けのメインモデル「朱雀」,同じく大規模病院が対象のクラウド型モデル「青龍」,小規模病院・クリニック向けのメインモデル「白虎」,CT装置1台のクリニックなどに向けた「玄武」の4モデルを展開してきたが,今回,新しく「白虎ライト」の追加が発表された。白虎は,ワークステーション規模のサーバを院内に設置し,5台のモダリティを接続可能(同時接続クライアント数は1台)なモデルであるが,CTとアンギオが1台ずつのような施設も多く,価格差の大きい玄武と白虎の間のモデルを求める声があった。そこで,モダリティ接続数3台までの白虎ライトを新たにラインアップし,5つのモデルから医療機関に最適なモデルを提案できるようにした。

●AIを活用した胸部CT画像解析ソフトウエアを紹介

令和4年度の診療報酬改定では,被ばく線量管理の実施も要件に含まれる画像診断管理加算3に人工知能(AI)を用いた画像診断補助ソフトウエアに係る要件が追加され,340点に評価が見直された。医療現場ではAI画像解析ソフトウエア導入の気運も高まっていることから,丸紅グループのクレアボ・テクノロジーズ社が4月に発売した人工知能(AI)技術を活用した画像解析ソフトウエア「VIDA Insights」も併せて紹介した(販売協力などは未定)。
VIDA Insightsは,胸部CT画像から定量的データ解析を行うことで,読影時間の短縮に貢献することをめざしたAIソフトウエア。肺野内の各ピクセルのCT値から含気量を定量的に解析して呼吸機能評価を支援する機能や,気道・気管支を1画像に展開し,3断面の再構成画像を作成するtopographic MPR(tMPR)などの機能を搭載している。

胸部CT画像から定量的データ解析などを行える「VIDA Insights」(クレアボ・テクノロジーズ社)

胸部CT画像から定量的データ解析などを行える「VIDA Insights」(クレアボ・テクノロジーズ社)

 

呼吸機能評価を支援する機能など複数のソリューションを実装し,読影時間の短縮に貢献

呼吸機能評価を支援する機能など複数のソリューションを実装し,読影時間の短縮に貢献

 

●お問い合わせ先
社名:株式会社アゼモトメディカル
住所:東京都千代田区神田東松下町17 ファーストビル6階
TEL:03-6271-0829
URL:http://azemoto.co.jp/


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