ITEM2022 トーレック ブースレポート 
高感度でインテリジェントな1本式磁性体検出システムのプレミアムモデル「CELLSENSE ULTRA」が登場


2022-5-6


トーレックブース

トーレックブース

自社開発製品から輸入製品まで,多彩な画像診断装置周辺機器を取りそろえるトーレックは,X線関連製品とMRI関連製品を出展した。新製品としては,磁性体検出システム「CELLSENSE ULTRA」(metrasens社製)のデモ機を展示。従来の1本式磁性体検出システムよりもハイスペックなプレミアム装置で,国内では,MRI検査前のスクリーニング用モデルを2022年夏以降に発売予定である。このほかMRI関連製品としては,1本式磁性体検出システムのスタンダードモデル「フェロガード・クリーナー」とハンディタイプのMRI用高機能金属探知機「Ceia PD240CH」を紹介。また,X線関連装置としては,光ファイバー式リアルタイム線量計 「RD-1000」やX線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」,ハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」を出展し,安心・安全な画像検査に貢献する製品ラインアップをアピールした。

●プレミアムクラスの磁性体検出システム「CELLSENSE ULTRA」を発表

MRI関連の新製品である磁性体検出システム「CELLSENSE ULTRA」(英国・metrasens社製)は,1本式磁性体検出システムのプレミアムモデルである。本体にソフトウエアを搭載したデジタルシステムで,ソフトウエアのバージョンアップで継続的に製品を改良できる“インテリジェント”なシステムをコンセプトに開発された。従来の1本式磁性体検出システムと比べ,内蔵センサが高感度化し,数も追加されている。また,本体(高さ183.5cm)は検知位置を5つのゾーンに分け,頭から足先までの範囲を均一に検出でき,従来製品と比べて検知力が70%向上している。独自のプログラムにより環境ノイズを軽減し,誤認警報を抑制している点も特長だ。磁性体を検知すると,本体上部の赤いランプが点灯するとともに,検知した位置のランプが青く点灯する。また,タッチパネルが搭載されており,感度(5段階)やサウンド,ランプの明るさ,充電残量アラームの設定などを行える。デジタルシステムとして,設定などの操作や検出結果といったデータを蓄積することができ,データを抽出して分析することも可能。バッテリー搭載で,3時間充電で約16時間稼働する(使用状況による)。防塵防水規格IP65に準拠しており,院内各所に移動して使用することもできる。
なお,CELLSENSE ULTRAは海外では高いセキュリティが求められる刑務所や更生施設などで用いられている。日本国内では高い性能はそのままに,デザインを変更してMRI検査前スクリーニングに用いる医療向けバージョンの「フェロガード」シリーズとして,2022年夏以降に発売を予定している。
ブースでは,1本式磁性体検出システムのスタンダードモデルである「フェロガード・クリーナー」も併せて展示された。本体の前で被検者がゆっくりと360°回転するだけで,磁性体の有無をライトと警告音で示し,短時間で磁性体のスクリーニング検査を行える。

プレミアムクラスの磁性体検出システム「CELLSENSE ULTRA」

プレミアムクラスの磁性体検出システム「CELLSENSE ULTRA」

 

タッチパネルを搭載したインテリジェントなシステムで,磁性体を検知すると検出位置のランプが青く点灯する。

タッチパネルを搭載したインテリジェントなシステムで,磁性体を検知すると検出位置のランプが青く点灯する。

 

1本式磁性体検出システムのスタンダードモデル「フェロガード・クリーナー」

1本式磁性体検出システムのスタンダードモデル「フェロガード・クリーナー」

 

●軽量・高感度なMRI用高機能金属探知機「Ceia PD240CH」

「Ceia PD240CH」は,MRI被検者の検査に特化した充電式の高感度な金属探知機で,軽量(460g)なハンディタイプの使いやすさと,磁性体金属,または非磁性体金属を含む全金属を差別化してスクリーニングできるデュアル・センシング方式が特長となっている。測定モードは,すべての金属を検出する「オールメタル」,小さな磁性体金属を検出する「ボディ」,微小な磁性体金属を検出する「ヘッド」の3つを搭載し,これらを使い分けることで体内インプラントも磁性体/非磁性体の判定も簡易的に行うことができる。従来の金属探知機では検出が難しかった使い捨てカイロや酸化鉄を含む増毛材も検知することが可能である。

デュアル・センシング方式のMRI用高機能金属探知機「Ceia PD240CH」

デュアル・センシング方式のMRI用高機能金属探知機「Ceia PD240CH」

 

●IVRでの線量測定など幅広い線量測定用途に活用できる光ケーブル式リアルタイム線量計 「RD-1000」

光ケーブル式リアルタイム線量計 「RD-1000」は,リアルタイムに皮膚入射線量を測定し,本体の液晶ディスプレイに表示する線量計で,IVRでの透視による入射線量の測定をはじめ,幅広い用途に利用できる。プラスチック光ケーブルとセンサはX線透過性に優れ,X線画像への影響を最小限に抑えている。センサに搭載したシンチレータにX線が入射すると発光し,その発光量から算出した線量を本体のディスプレイに表示する。最大4チャンネルを同時に任意のポイントで測定でき,線量はチャンネごとに表示され,透視が終わるとそれぞれの累積線量が表示される。専用ソフトウエアが付属しており,PCへのデータ転送・保存が可能で,被ばく線量管理に活用できる。

幅広い用途に活用できる光ケーブル式リアルタイム線量計 「RD-1000」

幅広い用途に活用できる光ケーブル式リアルタイム線量計 「RD-1000」

 

●迅速かつスムーズなバイオプシー検査を支援するX線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」

X線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」は,マンモグラフィのバイオプシー検査で採取した検体をX線撮影し,石灰化含有の有無を迅速に確認できる検査支援ツール。検体をシャーレに入れて検査台にセットし,撮影,約10秒で撮影画像が表示される。FPDを採用しており,等倍撮影で48μm / pixel,2倍拡大撮影で24μm / pixelの高解像度で撮影することができる。本体サイズは幅260mm×高さ450mm×奥行き310mmとコンパクトな設計のため,マンモグラフィ検査室内にも設置が可能で,検体採取と検体画像確認を迅速かつスムーズに行うことができ被検者の負担軽減にもつながる。

コンパクト設計のX線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」

コンパクト設計のX線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」

 

●さまざまな測定環境に対応するハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」

米国・Fluke Biomedical社製のハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」は,高い線量を測定する半導体式測定器と低い線量を測定するGM管式測定器を組み合わせた構造により,さまざまな測定環境に対応することができる。測定用途・計測対象により3モデルをラインアップしており,フルバージョンでは空気カーマ,周囲線量当量を測定し,X線に加えてα線,β線,γ線も測定できる。電源ボタンの長押し約3秒で起動し,迅速に測定作業を行える点も特長で,防塵防水規格IP64に準拠し屋内だけでなく屋外でも使用可能。また,本体の大型ディスプレイにはリアルタイムの線量率,累積線量,平均エネルギー,ピーク線量率を同時に表示可能で,データは測定時間と併せて保存される。本体に4000件の測定データを蓄積でき,任意のタイミングでまとめてPCに転送できる。PCソフトウエアを標準搭載しており,データの詳細な解析も可能だ。

迅速な起動や4000件のデータ保存で使い勝手の良いハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」

迅速な起動や4000件のデータ保存で使い勝手の良いハイブリッドサーベイメータ「RaySafe 452」

 

●お問い合わせ先
社名:トーレック株式会社
住所:〒223-0052 神奈川県横浜市港北区綱島東5-6-20
TEL: 045-531-8041
URL:https://toreck.co.jp/


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