アトックスブース

原子力発電所の保守管理などの事業を展開するアトックスが，量子科学技術研究開発機構（QST）と共同で開発したのが頭部専用PET「Vrain」だ。2回目の出展となる今回のITEMでは，Vrainを展示して，来場者に特徴的なヘルメット型検出器や装置のサイズ，イスのかけ心地などを確認できるようにした。

2022年1月に発表されたVrainは，リング上に検出器を配置する一般的なPETと異なり，ヘルメット状とした。これにより，優れた放射線の検出効率を得られ，少ない検出器数で頭部をカバーでき，製造コストも抑えている。また，寝台ではなくイスを採用したことで，被検者は着座姿勢で検査を受けられる。さらに，頭部専用の装置であることから，設置面積も少なく，既存のPETの1/5程度のスペースに収まるコンパクトサイズを実現した。

検査対象となる疾患は，現状では，脳腫瘍やてんかんがメインであるが，今後はアルツハイマー型認知症とその前段階である軽度認知障害（MCI）への適応も期待されている。また，販売先としては，大学病院，研究機関などが主なターゲットになっている。

Vrainは着座姿勢で検査を受けられるコンパクト設計が特長

直径28cmのヘルメット型検出器を採用

VrainのPET画像とMR画像のフュージョンのコンソール上で可能