ITEM2023 トーレック ブースレポート 
磁性体検出機「METRASENS ULTRA with XACT ID」など,MRIの安全対策関連の製品を前面に打ち出し展示を展開


2023-5-10


トーレックブース

トーレックブース

医療現場の安心・安全に貢献する製品を多く取り扱うトーレックは,今回,MRIの安全対策関連製品とX線の線量測定に関連する製品を二本柱として展示を行った。なかでも展示の中心となったのは,MRI用ハンディタイプ型高機能金属探知機「Ceia PD240CH」と,磁性体検出機「METRASENS ULTRA with XACT ID」。これら2製品をブース前面の中央に配置してアピールした。

一方,X線関連の製品としては,リニューアルされたX線管電圧管電流計「AB-2015G」や,X線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」などが紹介された。これらのうち,AB-2015Gは,近年増加傾向にあるパルスX線装置にも対応する製品となっている。

■磁性体はもとより非磁性体も高感度に検出可能なMRI用ハンディタイプ型高機能金属探知機「Ceia PD240CH」

Ceia PD240CHは,MRI検査前の患者スクリーニング用に開発されたデュアル・センシング方式のハンドヘルド型金属探知機である。全金属(磁性体および非磁性体)を高感度に検出する「オールメタル」,小型の磁性体金属を検出する「ボディ」,微小な磁性体金属を検出する「ヘッド」の3段階の検出モードを搭載。従来の金属探知機では検出困難であった増毛パウダーや使い捨てカイロの金属粉なども検出できるほか,体内埋め込み金属が磁性体か非磁性体かを簡便に識別することができる。軽量で携帯性に優れており,モードを設定して患者にかざすだけで金属の検知が可能。また,金属を検知した場合の通知方法は,ライトと警報音・振動を切り替えて選択できるなど,使い勝手の良さも優れた特長と言える。

磁性体・非磁性体に対応したMRI用ハンディタイプ型高機能金属探知機「Ceia PD240CH」

磁性体・非磁性体に対応したMRI用ハンディタイプ型高機能金属探知機
「Ceia PD240CH」

 

■頭からつま先まで均一な磁性体の検出が可能な「METRASENS ULTRA with XACT ID」

METRASENS ULTRA with XACT ID(1本型:以下,METRASENS ULTRA)は,更衣室などに設置して,MRI検査前に磁性体の有無をスクリーニングすることを目的とした磁性体検出機である。患者にMETRASENS ULTRAの前で1回転してもらうだけで,微小な磁性体を高感度に検知することができる。検知位置は5つに区分されており,磁性体を検知した場合は警告音に加えて検知した場所のライトが光るため,磁性体がある位置を特定しやすい。また,内蔵された独自のソフトウエアによって,背景にある環境ノイズを効果的に低減するため,誤認警報を低減できる。シンプルなタッチパネルでユーザー設定が行いやすいことや,バッテリーが搭載されているため場所を選ばず設置できることも大きな特長である。

磁性体検出器「METRASENS ULTRA with XACT ID」(1本型)

磁性体検出器「METRASENS ULTRA with XACT ID」(1本型)

 

■バイオプシー検査の迅速な実施を支援するX線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」

MB-1024DRは,バイオプシー検査後すぐに,採取した検体をその場でX線撮影することを可能とした装置である。検体をシャーレに入れて検査台にセットし撮影すると,約10秒で画像が表示されるため,石灰化含有の有無をその場で迅速に確認することができる。検出器にはFPDを採用しており,等倍撮影で48μm / pixel,2倍拡大撮影で24μm / pixelの高解像度が得られる。また,本体サイズは幅260mm×高さ450mm×奥行き310mmとコンパクトな設計のため,マンモグラフィ検査室内にも設置可能。これにより,検体採取と検体画像確認を迅速かつスムーズに行えるほか,被検者は検体画像確認のための待ち時間が短縮されるため,負担軽減にもつながる。

X線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」

X線乳腺組織画像表示装置「MB-1024DR」

 

■パルスX線装置にも対応するX線管電圧管電流計「AB-2015G」

AB-2015Gは,X線装置の出荷時やメンテナンス時に,主に装置メーカーが使用することを目的とした製品である。既存製品からのリニューアルによって,管電圧,管電流に加え,外囲器電流,フィラメント電流,mAs値,毎秒フレーム数,負荷時間といった多数の項目の同時測定が可能となった。近年増加傾向にあるパルスX線装置の測定にも対応する。X線装置とAB-2015Gを直接ケーブルで接続して測定するため,高精度な測定が可能となる。また,測定記録や波形記録は,操作パネルで確認することができる。

X線管電圧管電流計「AB-2015G」右が測定器,左が操作パネル

X線管電圧管電流計「AB-2015G」
右が測定器,左が操作パネル

 

■開発中の日常管理用の簡易線量計キットを参考出品

X線関連製品では,現在開発中の簡易線量計キットが参考出品された。これは,X線の日常管理に機能を絞った簡易線量計の自作・組立キットで,診療放射線技師の講習会などで教育ツールとして活用することなどを想定している。線量計の構造などを確認できるほか,乾電池で使用できる簡易的な製品でありながら,X線の線量率,積算線量,照射時間,パルス数の計測が可能なため,自作後はX線の日常管理に用いることができる。

参考出品された日常管理用の簡易線量計キット

参考出品された日常管理用の簡易線量計キット

 

●お問い合わせ先
社名:トーレック株式会社
住所:〒223-0052 神奈川県横浜市港北区綱島東5-6-20
TEL:045-531-8041
URL:https://toreck.co.jp/


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