ITEM2026 シーメンスヘルスケア 取材速報
CT,MRIはもとより血管撮影装置の新製品「ARTIS pheno.vision」にも人工知能(AI)技術が搭載されるなどAI活用の深化をアピール
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2026-4-18
シーメンスヘルスケアブース
シーメンスヘルスケアは,今年も展示ホールBの入口右側に大きくブースを構え,ITEM 2026開幕とともに多くの来場者を出迎えた。同社が圧倒的な優位性を誇るフォトンカウンティングCT(PCD-CT)「NAEOTOM Alpha.Prime」や,中東情勢悪化に伴う原油危機で注目されているヘリウムフリー1.5T MRI「MAGNETOM Flow.Elite」などの大型のモダリティが目を引くブースは,ひときわ存在感を放っていた。
例年,同社ブースでは複数の新製品が紹介されるが,今回も,初日17日(金)の午前10時30分頃から新製品発表会が開催され,AIを用いた画像処理技術「OPTIQ AI」を搭載したロボティックアームタイプの血管撮影装置「ARTIS pheno.vision」が紹介された。血管撮影装置は,医師が治療を行いながらリアルタイムに画像を参照するため,タイムラグのない画像表示が求められる。そのため,AI画像処理技術の搭載に時間を要したが,今回,満を持しての登場となった。OPTIQ AIでは,画像生成時にディープラーニングを活用することでノイズを大幅に低減し,微細な血管やカテーテル,ガイドワイヤなどの視認性を向上する。ブースでは,実機展示はなかったものの,壁面に設置に設置された大型ディスプレイでOPTIQ AIの有無を比較した動画などが紹介された。
AIを用いた画像処理技術「OPTIQ AI」を搭載した血管撮影装置「ARTIS pheno.vision」
OPTIQ AIによる画像処理の概要
CTは,前回のITEMでも紹介されたシングルソースのPCD-CT「NAEOTOM Alpha.Prime」が展示された。同社のPCD-CTは,現在,ラインアップを3機種に拡大し,「NAEOTOM Alpha class」として展開している。デュアルソースで検出器が6cmの「NAEOTOM Alpha.Peak」,デュアルソースで検出器が4cmの「NAEOTOM Alpha.Pro」に対し,NAEOTOM Alpha.Primeはシングルソースのため,価格も安価で設置性や経済性に優れる普及機の位置づけだ。2025年の夏に販売を開始し,現在,4施設で4台が稼働しており,ブース壁面のディスプレイではユーザーのコメント動画が紹介された。また,PCD-CTの根幹を支える半導体検出器の展示コーナーが設けられ,動作原理や,シリコンなどと比較したテルル化カドミウム(CdTe)の優位性などがパネルで紹介された。
シングルソースのPCD -CT「NAEOTOM Alpha.Prime」
MRIは,国内では2025年11月に販売が開始され,第111回北米放射線学会(RSNA 2025)で発表されたヘリウムフリー1.5T MRI「MAGNETOM Flow.Elite」が紹介された。開口径70cmのワイドボアと,新設計のブランケットコイル「BioMatrix Contour coils」,音響システムをヘッドコイルに搭載した「ComfortSound」などが特長である。今回特に注目されたのはBioMatrix Contour coilsで,最も大きいXLサイズは,1枚で90cmの範囲をカバーすることができる。コイルに複数の穴を空けることで,撮像時に発生する熱を逃せる設計となっていることが,大きな特長としてアピールされた。
ヘリウムフリー1.5T MRI「MAGNETOM Flow.Elite」
90cmの範囲をカバーする「BioMatrix Contour coil」のXLサイズ
ヘルスケアITのコーナーでは,“Smart Imaging Value Chain”をコンセプトに掲げ,統合型医療情報プラットフォーム「Syngo Carbon」が紹介された。DICOMデータはもとより,非DICOMの超音波画像やECG波形データ,病理画像などを統合的に管理することができる。さらに,今回のITEMでは,Syngo CarbonにAIが搭載され,さまざまな臓器の自動解析が可能となり,医療の質の向上とワークフロー改善が同時に実現できることがアピールされた。また,インフォコムのレポートシステムとの連携により,レポート作成のワークフローの改善を図ることも可能となる。
統合型医療情報プラットフォーム「Syngo Carbon」
超音波のコーナーでは,循環器領域に特化した「ACUSON Origin」とリアルタイム3Dに対応した心腔内エコーカテーテル「AcuNav Lumos 4D ICE」が紹介された。ACUSON Originでは,さまざまなAI機能によって心臓の構造の認識や計測をアシストし,心エコー検査のワークフローを支援する。AcuNav Lumos 4D ICEは,経食道心エコーと同等の診断精度や画質が得られることなどが,実際の画像とともに示された。
循環器領域に特化した「ACUSON Origin」とリアルタイム3Dに対応した心腔内エコーカテーテル「AcuNav Lumos 4D ICE」(右側壁面に展示)
これらのほか,放射線治療関連ソリューションのコーナーでは,高精度放射線治療を支えるものとして,同社の治療計画用CT装置で採用されている,たわみの少ない高精度テーブルや,放射線治療計画支援機能を追加したPCD-CT「NAEOTOM Alpha.Prime for RT」が紹介された。また,バリアン社のコーナーでは,次世代の高精度放射線治療ソリューション「RapidArc Dynamic」や,従来よりも高画質が得られる新しいコーンビームCT(CBCT)「HyperSightイメージングソリューション」の有用性を概説した。
放射線治療関連のソリューションを紹介
●お問い合わせ先
社名:シーメンスヘルスケア株式会社
住所:東京都品川区大崎1-11-1ゲートシティ大崎ウエストタワー
TEL:03-3493-7500
URL:https://www.siemens-healthineers.com/jp
