RSNA2017 ホロジック - マンモグラフィ 
マンモグラフィ検査,バイオプシー検査を一新する最新システムを紹介

2017-11-30

ホロジック

マンモグラフィ


「3Dimensions」(薬機法未承認)

RSNA 2017 マンモグラフィ

Hologic, Inc(ホロジック)の主力製品であるマンモグラフィシステムは,トモシンセシス(3D)撮影機能を搭載したデジタル式乳房X線撮影装置「Selenia Dimensions」の後継機種となる「3Dimensions」(日本国内薬機法未承認)が大きくアピールされた。大きな特長は,乳房圧迫の負担を軽減する圧迫板「SmartCurve」(FDA,日本国内薬機法未承認)と,トモシンセシス画像の高画質化(ClarityHD)だ。
SmartCurveは,従来の圧迫板がフラットであるのに対し,乳房のフォルムに合わせてカーブした形状となっている。これまで,乳房全体を均等に圧迫することで被検者に強い痛みを与えてしまう点がマンモグラフィの課題であったが,SmartCurveは乳房の形に合わせて圧迫するため,痛みを軽減することができる。SmartCurveでトモシンセシス撮影も可能である。
ポジショニングはフラットタイプと同様であり,また,SmartCurveの角に丸みがあることで,MLO撮影では腋窩を自然に,かつしっかりと支えることができる。ブースでは,2サイズのSmartCurveと,小乳房用も含む従来のフラットタイプの圧迫板のラインアップを展示した。

新製品の「3Dimensions」(日本国内薬機法未承認)

「3Dimensions」(日本国内薬機法未承認)

 

乳房の形状に合わせてカーブさせた「SmartCurve」(FDA,日本国内薬機法未承認)

乳房の形状に合わせてカーブさせた「SmartCurve」(FDA,日本国内薬機法未承認)

 

SmartCurveで圧迫した際に横から見た様子

SmartCurveで圧迫した際に横から見た様子

 

ClarityHDは3Dimensionsの新しい3Dアルゴリズムであり,撮影時間3.7秒のまま従来のトモシンセシス画像よりも高い鮮鋭度と粒状性のよい画像を実現した。Intelligent 2D(シンセサイズド2D)もより2Dに近い濃度とコントラストを提供できる。細かい石灰化や乳腺構造も明瞭にとらえることができ,診断やバイオプシーの精度向上に貢献する。

従来のC-view(上段)とIntelligent 2D(下段)を比較

従来のC-view(上段)とIntelligent 2D(下段)を比較

 

また,操作性向上のために,3Dimensionsには細かな改良が施されている。Selenia Dimensionsでも,ポジショニングをしやすいようにフェイスシールドが前後に移動する機構を搭載していたが,3Dimensionsではさらに,MLOポジショニング時にCアームを15°退避する機構が搭載され,スマートなポジショニングが可能となった。さらにCアーム操作ボタンをアーム側面左右にも備えることで,MLO撮影においてCアーム操作がより快適となった。なお,バイオプシーガイダンスユニット「Affirm」に対応する。
3Dimensionsは,2017年8月にFDAを取得。米国ではすでに40台導入されている。

Cアームが15°退避する機構を搭載

Cアームが15°退避する機構を搭載

 

Cアーム側面の操作ボタン使用時

Cアーム側面の操作ボタン使用時

 

ガントリ側面の操作ボタン使用時

ガントリ側面の操作ボタン使用時

 

3Dimensionsのユニバーサルコンソール

3Dimensionsのユニバーサルコンソール

 

バイオプシーシステムとしては,従来の吸引式組織生検システム「ATEC」と吸引式組織生検用針キット「Eviva」(共に日本国内ではセンチュリーメディカル社が販売)を改良し,組織採取から標本撮影までをひとつのシステムで完結する画期的なバイオプシーシステム「Brevera」(日本国内薬機法未承認)が展示された。Breveraは,装置本体の中にシールドルームが設けられ,採取した組織を自動で回収,X線撮影し,モニタに画像を表示する。組織の吸引から画像表示までの時間は約8秒。
マンモグラフィガイド下生検の一般的なフローは,生検システムで採取した検体をシャーレにとり,別室のマンモグラフィ装置や標本撮影用X線装置で撮影する。米国では1回の穿刺につき12方向,日本でも3〜6方向の組織をまとめて採取した上で標本撮影を行っているが,Breveraでは1方向の採取ごとに検体を回収・撮影し,すぐに画像を確認できるため,従来の米国における生検のように全方向の組織を採取することなく,目的とする病変から検体を採取し回収できたことを確認した時点で検査終了となる。また,検体を確認できるまで,被検者は乳房を圧迫,穿刺したままであり負担が大きかったが,Breveraにより検査フローが簡略化し,時間を短縮できることで,被検者と施術者の負担を軽減することができる。
コンソールモニタには,Dimensionsシリーズと同じユーザーインターフェイス(UI)を採用しているため,バイオプシーの一連の検査を同じ操作性で行うことができる。

組織採取から標本撮影までを1台で完結する「Brevera」(日本国内薬機法未承認)

組織採取から標本撮影までを1台で完結する「Brevera」(日本国内薬機法未承認)

 

モニタに標本のX線撮影画像を表示

モニタに標本のX線撮影画像を表示

 

わかりやすいバイオプシー手順

わかりやすいバイオプシー手順

 

そのほかのマンモグラフィ関連のシステムとしては,乳腺体積比計測ソフトウエア“Quantra”のバージョン2.2が紹介された(日本国内薬機法未承認)。これまでは乳腺体積比がパーセンテージのみで表示されていたが,最新バージョンではBI-RADSのカテゴリー(A〜D)でも表示されるようになった。なお,体積や乳腺体積比の数値など詳細も確認することができる。米国では,マンモグラフィでのスクリーニングが難しい高濃度乳房の被検者に対して,そのことを伝える“Are You Dense? ”活動が浸透し,34州で告知が義務づけられている。カテゴリー表示により,乳房のタイプがよりわかりやすくなる。

“Quantra”バージョン2.2のBI-RADSのカテゴリー表示

“Quantra”バージョン2.2のBI-RADSのカテゴリー表示

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