1．RSNA 2025が11月30日に開幕，テーマは“Imaging the Individual”
2．5日間の日程で7つのPlenary Session，325以上のEducation Course，834題のScientific Paperを用意
3．Technical Exhibitsは12月3日まで，763社が出展
4．世界160か国に5万2800人以上の会員を有するRSNA

1．RSNA 2025が11月30日に開幕，テーマは“Imaging the Individual”

放射線医学における世界最大級の学術集会、北米放射線学会（RSNA 2025）が、11月30日（日）に開幕する。会期は12月4日（木）まで（Technical Exhibitsは3日までの4日間）。例年どおり米国イリノイ州シカゴ市のマコーミックプレイスが会場となる。今回のテーマには，“Imaging the Individual”が掲げられた。大会長は，ハーバード大学医学部放射線科教授，マサチューセッツ総合病院放射線科画像科学副部長のUmar Mahmood, M.D., Ph.D.が務める。現地時間11月30日16時からは恒例のPresident's Address and Opening SessionがArie Crown Theaterで行われる。President's Addressでは，Mahmood大会長は，“Imaging the Individual”と題したプレゼンテーションを行う。precision medicineが進む中で，人工知能（AI）などの技術革新によって放射線医学がどのように個人に最適化された医療に寄与するか，Mahmood大会長の主張が注目される。また，Opening Sessionでは，米国国立衛生研究所（NIH）のAll of Us Research ProgramにおいてChief Medical and Scientific Officerを務めるGeoffrey S. Ginsburg, M.D., Ph.D.が登壇する。米国におけるprecision medicineのプロジェクトを取りまとめる立場から，“The All of Us Research Program: Advancing Precision Medicine for the Nation”をテーマに講演する。

放射線医学にかかわる人々が世界から集結するマコーミックプレイス

多くの参加者が詰めかけるPresident's Address and Opening Sessionは現地時間11月30日16時から

2．5日間の日程で7つのPlenary Session，325以上のEducation Course，834題のScientific Paperを用意

RSNA 2025は例年どおりプログラムが充実している。Plenary sessionは，President's Address and Opening Sessionをはじめ，Image Interpretation SessionやRSNA/AAPM Symposiumといった恒例企画も含め7セッション用意される。また，RSNAの力を入れているEducation Courseは325以上のコースが設けられた。Scientific Paperは，19領域（乳腺，心臓，胸部，救急放射線，消化器，泌尿生殖器，頭頸部，画像情報学，IVR，Multisystem，筋骨格，神経，画像解釈以外のスキル，核医学・分子イメージング，産婦人科，小児，物理学，放射線腫瘍，血管），834題ある。レイクサイドラーニングセンターの展示では，Education Exhibitが1487題，Scientific Posterが1951題，Quality Improvement Reportが122題採択された。さらに，レイクサイドラーニングセンターのLearning Center Theaterでは，145題のプレゼンテーションが行われる予定になっている。
なお，会期中にはDigital Posterの受賞者が発表される。前回のRSNA 2024では，Education ExhibitのMagna Cum Laudeを久野博文氏（国立がん研究センター東病院）らが，Science PosterのMagna Cum LaudeをTianyi Qu氏（東京科学大学）らが受賞している。今回の日本関連の発表の受賞が期待される。

Education Exhibit，Scientific Poster，Quality ImprovementのDigital Poster会場となる
レイクサイドラーニングセンター

レイクサイドラーニングセンター内に設けられるLearning Center Theater

3．Technical Exhibitsは12月3日まで，763社が出展

RSNA会場のマコーミックプレイスで最も活気があるのがTechnical Exhibits。例年どおりGrand Concouseを挟んでSouth Hall AとNorth Hall Bを会場に行われる。今回は763社が出展をすると発表されており，その展示面積は41万9400平方フィート（3万8960m²）に上る。このうち初出展の企業は141社。North Hall Bには初出展の企業・団体を集めたFirst-Time Exhibitor Pavilionが設けられ，38社が展示を行う。一方，South Hall Aには，今回もAI Showcaseがあり，114社が出展。このほかにも，9社が出展する3D Printing & Mixed Reality Showcaseやに日本医学放射線学会がブースを構えるEducators Rowなどのエリアが用意されている。

Technical Exhibitsには763社が出展

今回も関心を集めるであろうAI Showcase

4．世界160か国に5万2800人以上の会員を有するRSNA

RSNA 2025が開催される11月30日（日）～12月4日（木）は，世界中から参加者がマコーミックプレイスに訪れる。また，例年どおりバーチャルミーティングも用意される。前回のRSNA 2024は，約3万9000人が参加しており，放射線医学の学術集会としては世界最大規模を誇る。RSNAは現在，160か国に5万2800人以上の会員を有しており，日本からも例年多数の演題が採択され，また会場を訪れる臨床家，研究者，技術者も多い。今回，日本（千葉大学）出身者である蓑島　聡氏（ユタ⼤学放射線科教授）がGold Medalistに選出されたことも，日本にとっては大きなトピックと言えるだろう。

RSNA 2024の「Japan Presents」では日本の存在感をアピール

RSNAのWebサイトでは蓑島　聡氏のGold Medalist受賞を紹介