DRLs 2015をテーマにした「第5回ディジタル一般撮影ミーティング」が開催

2015-9-7

フィリップス・ジャパン

X線装置


DRLs 2015がテーマ

DRLs 2015がテーマ

2015年9月5日(土),「第5回ディジタル一般撮影ミーティング」が開催された。ディジタル一般撮影ミーティングと(株)フィリップスエレクトロニクスジャパンが共催するこの研究会は,ディジタル一般撮影に関する知識を共有し,日常の検査に役立てることを目的に,2011年にスタートした。以後,毎年1回開催され,今回は第1回目と同じ大阪大学銀杏会館(大阪府吹田市)が会場となった。当番世話人は,松澤博明氏(大阪大学医学部附属病院)が務め,「ディジタル一般撮影の診断参考レベル(DRL)を考える!」をテーマに掲げた。開会に当たり挨拶した代表世話人の中前光弘氏(奈良県立医科大学附属病院)は,2015年6月7日に医療被ばく研究情報ネットワーク(J-RIME)から公表された「最新の国内実態調査結果に基づく診断参考レベルの設定(DRLs 2015)」が,マスコミにも取り上げられ,一般市民にも知られるようになり関心が高くなっていることに言及。被検者からの問い合わせにも適切に対応できるよう,知識を身に付ける機会にしたいと,テーマの趣旨を説明した。

約130人が参加

約130人が参加

 

 

当番世話人:松澤博明 氏(大阪大学医学部附属病院)

当番世話人:松澤博明 氏
(大阪大学医学部附属病院)

代表世話人:中前光弘 氏(奈良県立医科大学附属病院)

代表世話人:中前光弘 氏
(奈良県立医科大学附属病院)

 

 

プログラムは2部で構成された。I部は講演会として教育講演と基調講演が組まれ,休憩を挟んだII部ではパネルディスカッションが用意された。

I部の講演会は,「ディジタル一般撮影の診断参考レベル(DRL)を考える!」がテーマとなった。先に,座長を中前氏が務め,竹井泰孝氏(浜松医科大学医学部附属病院)による教育講演「知っておきたい“診断参考レベル”の基礎知識!」が行われた。竹井氏は,日本放射線技術学会(JSRT)の学術調査研究班において小児CTの医療被ばくに関する調査研究を行い,DRLs 2015策定に当たっては,CT-DRLs策定WG班の一員としてかかわった。まず竹井氏は,DRLsとは医療被ばくの最適化を進めるためのツールであると説明。線量制限値でなく,臨床的な目的に寄与しない放射線量を回避するためのものだと述べた。その上で,DRLs 2015策定の経緯と,実際の医療現場での活用法について解説した。さらに,竹井氏は,DRLsは標準体型群で設定されていることなどを説明したほか,JSRTの計測部会が行っている線量計の貸し出し事業を紹介。DRLs 2015を活用するためには,自施設での線量レベルの確認,検査時の撮影条件や照射野サイズ,被検者の体厚などの記録をすることが重要であるとまとめた。

次いで,松澤氏が座長を務め,基調講演が行われた。「一般撮影における診断参考レベルの概要」をテーマに,岸本健治氏(大阪市立大学医学部附属病院)が登壇した。岸本氏は,日本診療放射線技師会(JART)が策定した医療被ばくガイドラインの改定経緯を紹介したほか,海外の現状について説明した。そして,DRLs 2015の公表後に自施設の線量と比較を行った結果を提示。DRLs 2015で設定された値を下回る線量で検査を施行できており,この結果を基に今後の運用を決めていくと述べた。さらに,岸本氏は,DRLs 2015の利用法を解説し,注意点として,正当な理由があればDRLs 2015の値を超えてもよいこと,被写体厚によって線量が変わることなどを挙げた。この後,岸本氏は,線量と画質の関係について解説。CRとFPD DQE(検出量子効率)を比較した結果を示して,FPDはCRと比べ線量を1/2以下に低減することが可能と説明した。加えて,DRLs 2015とexposure index(EI)との関係も示して,被検者が同じ場合に両者には相関があると述べた。

竹井泰孝 氏(浜松医科大学医学部附属病院)

竹井泰孝 氏
(浜松医科大学医学部附属病院)

岸本健治 氏(大阪市立大学医学部附属病院)

岸本健治 氏
(大阪市立大学医学部附属病院)

 

 

Ⅱ部のパネルディスカッションは,松澤氏と岸本氏が座長を務め,「ディジタル一般撮影の被ばくを考える」をテーマに,4名のパネリストが登壇した。まず,藤本真一氏(福井大学医学部附属病院)が,「FPDの感度を指標とした付加フィルタの有用性の検討」をテーマに発表した。藤本氏は,感度を上げ,入射皮膚表面線量を低減させるという付加フィルタのメリットを説明した上で,胸部正面立位,腰椎正面臥位撮影での有用性を検討した結果を示した。その結果として藤本氏は,付加フィルタを使用することで,感度が上昇し,SNRも高くなったと述べ,画質を担保しつつ入射皮膚表面線量の低減が可能であるとの考えを示した。

2番目に登壇した飯田聖一郞氏(聖路加国際病院)は,「当院における撮影条件と被ばく線量」と題し,FPDの一般撮影装置による線量低減について,放射線科医と診療放射線技師による視覚評価の検証結果を解説した。飯田氏は,腹部ファントムを用いた検証において,従来の25%〜35%まで低減が可能であったという結果を示した。そして,まとめとして,診療放射線技師が被ばく低減への関心を高く持つことが重要であると述べた。

続いて,平井隆昌氏(国立がん研究センター中央病院)が,「撮影装置の撮影ログ管理機能を用いた撮影条件の適正化〜PDSAサイクルを活用して〜」をテーマに発表した。平井氏は,まず自施設において担当技師ごとに線量のバラツキがあったとの調査結果を示した。その上で,技師間におけるバラツキをなくし,積算線量の最適化を図るためのPDSA(S=study)サイクルを用いた改善手法を解説した。この取り組みでは,ファントムを用いてEIを算出し撮影条件を設定し直した上で,フィリップスエレクトロニクスジャパンの「DigitalDiagnost」に搭載された品質管理ソフトウエアの“Clinical QC”などの撮影ログ管理機能を使用し,300症例のデータを集めて度数分布を確認した。その結果として,平井氏は,PDSAサイクルの活用により,担当技師間のバラツキを抑え,積算線量のコントロールを行えること,撮影ログ管理機能により撮影条件が適正化できることなどを挙げた。

4番目の発表では,北中康友氏(フィリップスエレクトロニクスジャパン)が登壇した。テーマは,「撮影条件等の管理サポートシステム」。北中氏は,線量を知るための指標としてEIと面積線量積(DAP)を解説したほか,撮影条件を知るための線量推定法として,NDD法とMC法を説明した。

藤本真一 氏(福井大学医学部附属病院)

藤本真一 氏
(福井大学医学部附属病院)

飯田聖一郞 氏(聖路加国際病院)

飯田聖一郞 氏
(聖路加国際病院)

 
     
平井隆昌 氏(国立がん研究センター中央病院)

平井隆昌 氏
(国立がん研究センター中央病院)

北中康友 氏(フィリップスエレクトロニクスジャパン)

北中康友 氏
(フィリップスエレクトロニクスジャパン)

 

 

すべての発表後,総合討論が行われた。DRLs 2015の活用方策として,とりあえず自施設の各部位の標準体型における入射表面線量の測定,またはNDD法などから算出し,DRLs 2015との比較を行うことから始めることや,蓄積されたビッグデータとして解析し,さらなる適正化を進めるといったことが,会場からの意見も交え話し合われた。最後に,松澤氏が,当番世話人の恒例の謎かけで,「DRLsの活用とかけて,果実と解く。その心は咲いて木になる(最適になる)」と述べ,会を締めくくった。

会場との質疑応答で盛り上がるパネルディスカッション

会場との質疑応答で盛り上がる
パネルディスカッション

 

 

当日は約130人が参加。DRLs 2015が公表され,医療機関の対応が急がれる中,多くの施設にとって参考となる場となり,最後まで盛況であった。

 

●問い合わせ先
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
お客様窓口
TEL 0120-556-494
http://www.philips.co.jp/healthcare

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