エヌビディアがプレスブリーフィングでヘルスケア分野のAIコンピューティング強化に言及

2018-5-24

AI(人工知能)


キンバリー・パウエル 氏(Vice President of Healthcare)

キンバリー・パウエル 氏
(Vice President of Healthcare)

エヌビディア(同)は2018年5月9日(水),NVIDIAオフィス(東京都港区)において,「ヘルスケア分野における「AIコンピューティングの動向および展望」をテーマにしたプレスブリーフィングを行った。近年の第3次人工知能(AI)ブームの中で,ヘルスケア分野でのAI活用が注目を集めており,その中心的なプレーヤーとして,GPUの世界トップ企業であるエヌビディアの存在感が増している。今回は,米国本社ヘルスケア事業のVice Presidentであるキンバリー・パウエル氏が,同社の取り組みについて説明した。

ゲームやグラフィックス向けのGPUメーカーとしてスタートしたエヌビディアは,2006年にGPU向けソフトウエア開発環境の「CUDA」を発表。以後,GPUコンピューティングが進歩し,それが現在のディープラーニングの発展へとつながっている。ヘルスケア分野では,CUDA発表以降,2009年にシーメンスヘルスケア(現・シーメンスヘルシニアーズ)の超音波診断装置の画像処理技術“Amnioscopic Rendering”,2011年にはGEヘルスケアの「Revolution CT」に,同社のGPUコンピューティング技術が生かされている。さらに,2018年には,医用画像処理・解析に特化したスーパーコンピュータ「Project Clara」を発表した。Project Claraは,GPUによる並列演算処理によって,高度な画像処理・解析を高速に行えるため,放射線医学でのAIの研究開発が加速すると期待される。

Project Claraなどのハードウエアの開発とともに,エヌビディアでは画像診断装置メーカーとの提携やスタートアップ企業の支援にも取り組んでいる。2017年の北米放射線学会(RSNA2017)では,GEヘルスケアと提携して,CTの「Revolution Frontier」やデータ分析サービス「Applied Intelligence」などにエヌビディアのGPUコンピューティング技術が用いられることをアナウンスした。また,JRC 2018直前には,キヤノンメディカルシステムズ(株)と医療研究機関向けディープラーニング研究インフラの開発・販売で提携を発表した。

一方,スタートアップ企業支援としては,「NVIDIA Inception Program」を行っており,これに参加する約2800社のうち,約300社がヘルスケア分野のAI開発を行っているという。

エヌビディアでは,AIをヘルスケアを支える重要な技術ととらえ,今後もGPUコンピューティングの技術開発とともにこれらの施策を進めていくことにしている。

医用画像処理・解析向けスーパーコンピュータ「Project Clara」

医用画像処理・解析向けスーパーコンピュータ「Project Clara」

 

NVIDIA Inception Programに参加するヘルスケア分野のスタートアップ企業

NVIDIA Inception Programに参加するヘルスケア分野のスタートアップ企業

 

●問い合わせ先
NVIDIA PR 事務局(イニシャル内)
TEL 03-5572-7306
E-mail nvidia@vectorinc.co.jp

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