北原病院グループ,NECの生体認証技術を用いた本人意思(リビングウィル)の管理を行う会員制サービスをスタート

2019-7-12

NEC

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日本初のサービスに取り組む,左から浜崎千賀 氏(KMSI),北原茂実 氏(KNI),中俣 力 氏(NEC)

日本初のサービスに取り組む,左から浜崎千賀 氏(KMSI),
北原茂実 氏(KNI),中俣 力 氏(NEC)

北原病院グループと(株)Kitahara Medical Strategies International(KMSI)は,会員制医療・生活サポートサービス“北原トータルライフサポート倶楽部”において,会員の個人情報や受けたい医療や介護など意思を登録し生体認証システムで管理する“デジタルリビングウィル(DLW)”のサービスをスタートした。本人認証にはNECの生体認証システムを採用し,救急医療での運用や効果を検証する実証を,「新技術等実証制度」(いわゆる「規制のサンドボックス制度」)を利用して2019年7月から開始する。実証開始に当たって,サービスや実証事業の内容,生体認証技術の概要を説明する記者向け発表会を,2019年7月9日(火)に都内で開催した。

北原病院グループの北原茂実氏(医療法人社団KNI理事長)は今回のサービス提供の背景について,少子高齢化の中で独居の高齢者が増加によって,急変時に患者背景が把握できないことから治療が滞ったり,家族との連絡が取れずに対応に難渋したりするケースが増え,受入拒否や延命治療の長期化による負担増など,さまざまな課題があることを説明した。北原氏は,そういった状況に対する北原グループとしての挑戦が今回の北原トータルライフサポート倶楽部とDLWだとし,「北原トータルライフサポート倶楽部は,医療,介護はもとより生きるために必要なあらゆるサービスをワンストップで提供する。サービスの提供のためには,会員の情報(どこにいて,どういう状態で,何を望んでいるか)を一元的に把握することが必要で,DLWによって急変時はもとより,個人に合った医療、介護サービス、日常生活のサポートまでが可能になる」と述べた。

北原トータルライフサポート倶楽部は,登録された個人の医療・健康情報や希望する医療や介護の内容などを基に包括的な生活サポートを提供する仕組みだ。2018年4月から,一部サービスを先行してスタートしている。サービス内容は,救急医療サポートサービスのほか,ライフサポートサービスコンシェルジュ,ユアリハビリテーション,メディカルコンディショニングなど豊富なメニューが提供される。同倶楽部を運営するKMSI取締役/事業推進本部本部長の浜崎千賀氏は,「北原トータルライフサポート倶楽部は,個人の意思を核として個人に合わせたオーダメードの医療・生活サービスを提供するまったく新しいサービスプラットフォームだ。今回実証を開始する救急医療サポートサービスだけでなく,日常の買い物などの生活上の多様なニーズや困りごとに対してサポートを行う“トータルライフサポートサービス”を提供するのが特徴だ」と説明した。
同倶楽部の会員登録に必要となるDLWは,個人の医療・健康情報,受けたい医療や生活に関する希望などの本人の意思をシステムに保存(ホスティング型プライベートクラウド)し,生体認証を用いてDLWとしてセキュアに保管する。今回の実証に合わせてサービスをスタートし,実証では医療機関の救急受入時に,生体認証を用いた本人認証,DLWに登録された本人意思の確認,救急医療への効果などの検証を行う。

デジタルリビングウィルに基づく救急医療の実証計画の内容

デジタルリビングウィルに基づく救急医療の実証計画の内容

 

また,NEC執行役員常務の中俣力氏は,「規制のサンドボックス制度の認定を取得した今回のDLWの実証を,NECは技術で支える」として,同社が持つ生体認証技術の概要を説明した。NECの生体認証技術には,顔,指紋・掌紋,指静脈,虹彩,声,耳音響などがあり「Bio-IDiom(バイオイディオム)」と総称している。今回のDLWでは,顔,指紋・掌紋,指静脈が利用されている。

救急医療の受入におけるデジタルリビングウィルと生体認証技術の活用

救急医療の受入におけるデジタルリビングウィルと生体認証技術の活用

規制のサンドボックス制度(新技術等実証制度)は,新しい技術やビジネスモデルによる事業活動の促進を目的として,政府が2017年に国家戦略特区法や構造改革特区法を改正して,2018年6月6日に施行された生産性向上特別措置法に基づき創設された。参加者や期間を限定することで既存の規制の適用を受けずに迅速な実証が可能な環境を整えることができる。実証で得られた情報や成果を活用して,規制改革の推進に結びつける制度。2019年7月12日現在,8つのプロジェクトが認定されている。

●問い合わせ先
(株)Kitahara Medical Strategies International
北原トータルライフサポート倶楽部 事務局 奥田,峯尾
TEL 042-642-8882
E-Mail:kitahara-totalsupport@kitaharamsi.com

医療法人社団KNI 広報部 亀田
TEL 042-645-1356
E-Mail:Yoshikazu_Kameda@kitaharahosp.com

NEC 医療ソリューション事業部
E-Mail:dh_press@med.jp.nec.com

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