日本マイクロソフトが手術動画DBなどヘルスケア分野での取り組みをPR

2019-10-9

ヘルスケアIT


成長著しいヘルスケア事業をPR

成長著しいヘルスケア事業をPR

日本マイクロソフト(株)は2019年10月8日(火),本社(東京都港区)で,報道関係者向けにヘルスケア分野の事業展開に関する説明会を開催し,クラウド,人工知能(AI)によるソリューションの提供などの取り組みをPRした。

同社の国内におけるヘルスケア事業は,クラウド事業が対前年比53%増の成長率を示した。主力のクラウドサービス「Microsoft Azure」については対前年比176%増となっており,また,パートナー企業の事業も成長を見せている。同社業務執行役員パブリックセクター事業本部医療・製薬営業統括本部長の大山訓弘氏は,このように事業の概況を説明した上で,ヘルスケア分野における展開をプレゼンテーションした。

大山訓弘 氏(日本マイクロソフト)

大山訓弘 氏
(日本マイクロソフト)

竹下修由 氏(国立がん研究センター東病院)

竹下修由 氏
(国立がん研究センター東病院)

 

 

同社では,「より良い医療のかたちへ〜人の一生に寄り添うデジタル ヘルスケア〜」をテーマに,クラウドやAIの技術によるソリューションを提供している。これにより,医療現場の改革,医療の質の均てん化,ヘルスケア連携を支援していくという。

その具体的な事例として,医療現場の改革に向け,“Microsoft Teams”とTXP Medical(株)の救急領域向けの電子カルテシステム「NEXT Stage ER」を連携させ,文書作成の手間を削減することを可能にした。また,倉敷中央病院では,Microsoft Teamsを活用し,カンファレンスなどにおいて多職種間でのコミュニケーションの充実を図っているという。このほかに,働き方改革のリーダー向けにコミュニティを設立し,1000名程度のリーダーの育成を支援する。

また,医療の質の均てん化については,AIや複合現実(MR)などを先進技術の活用を進め,実現に貢献することとしている。その例として,アステラス製薬(株)が「Microsoft HoloLens」を用いた服薬アドヒアランス支援の試験運用を2019年後半から開始した。2020年には50施設,2022年までには1000施設の導入をめざすという。また,国立がん研究センターなどとの間で,Microsoft Azureによる手術動画データベースの構築を始めた。同センター東病院NEXT医療機器開発センターが中心となり,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の研究事業として2017年度から開始し,日本内視鏡外科学会,日本コンピュータ外科学会などの協力の下,約1000症例の動画を収集。Microsoft Azureでデータベース可視化システム,AI手術支援システムを開発する。経験の浅い医師のトレーニングに活用されるほか,本研究の企業コンソーシアムの参加企業がデータを活用し,機器開発を行う。当日は,同院大腸外科/NEXT医療機器開発センターの竹下修由氏が,データベースの構築や運用について解説を行った。

このほか,ヘルスケア連携については,亀田医療情報(株)が電子カルテシステム「blanc」をMicrosoft Azureによるクラウドで提供することが,大山氏からアナウンスされた。大山氏は,クラウド環境によるセキュアなネットワークで医療情報を扱えるというメリットなどを紹介した。

同社では,スタートアップ企業を支援する活動も展開しており,今後もヘルスケア分野での事業を強化していくこととしている。

倉敷中央病院におけるMicrosoft Teamsによる多職種連携

倉敷中央病院におけるMicrosoft Teamsによる多職種連携

 

医師の暗黙知を可視化する手術動画データベース

医師の暗黙知を可視化する手術動画データベース

 

手術動画データベースのデータフロー

手術動画データベースのデータフロー

 

HoloLensのデモンストレーションも行われた

HoloLensのデモンストレーションも行われた

 

●問い合わせ先
日本マイクロソフト株式会社
コーポレートコミュニケーション本部
TEL 03-4535-8055
https://www.microsoft.com/ja-jp/

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