日本診療放射線技師会と日本放射線技術学会がトップ会談をライブ配信
——卒後教育,専門・認定技師制度などでの協力体制をアピール

2020-10-26


JARTとJSRTの協力体制を再確認したトップ会談 (写真左から,司会・富田博信JART副会長,上田克彦JART会長,白石順二JSRT代表理事)

JARTとJSRTの協力体制を再確認したトップ会談
(写真左から,司会・富田博信JART副会長,
上田克彦JART会長,白石順二JSRT代表理事)

公益社団法人日本診療放射線技師会(JART)と公益社団法人日本放射線技術学会(JSRT)は,2020年10月15日(木),「JART-JSRTトップ会談~両団体のこれまでとこれから~」をライブ配信した。本企画は,JARTの上田克彦会長とJSRTの白石順二代表理事が,両団体のこれまでの協力体制を踏まえて,今後の活動について意見を交換する場として設けられた。司会はJARTの富田博信副会長が務めた。

冒頭,トップ会談の趣旨について触れた白石JSRT代表理事は,これまで両団体は年2回懇談会を設けるなど協力体制を築いてきたが,会員の認知度が決して高くなかったと指摘。今回の会談は,両団体の考えなどを周知する機会にしたいと述べた。両団体は2017年に将来構想会議を設けて,答申を出している。およそ1時間にわたったトップ会談では,この答申に基づき,(1)JARTとJSRTのこれまでの協力体制,(2)社会貢献のあり方,(3)地方活動のあり方,(4)国際化と国際戦略,(5)診療放射線技師の卒後教育,(6)学術大会の開催,(7)診療放射線技師養成機関の教育,(8)専門・認定技師制度,の8つのテーマを設けて進められた。

JARTとJSRTのこれまでの協力体制については,まず,両氏から,JSRTは学問を極める学術団体であり,JARTは診療放射線技師の地位向上と生涯教育を通じて人材育成を行い,国民に医療を提供する職能団体であると,それぞれ説明があった。その上で,両団体は年2回の懇談会と情報交流会のほか,市民公開講座の開催で協力していることなどが紹介された。また,社会貢献のあり方として,白石JSRT代表理事は,研究を通じてエビデンスを示すことがJRSTの役割で,そのエビデンスを基に政策につなげる活動を行うことがJARTの役割だとし,両団体が協力することで初めて社会貢献できると強調した。

地方活動のあり方に関しては,現在,東北,中部,中四国,九州で合同での学術集会を開催しているが,今後ほかの地方でも合同で開催できるよう,課題を解決していきたいと上田JART会長が述べた。さらに,学術大会の開催については,両氏が今後合同開催を検討していきたいと口をそろえた。最後のテーマである専門・認定技師制度については,白石JSRT代表理事が両団体や各認定機構が個別に活動するのではなく,第三者の認定機関を設けるのが望ましいと述べた。これを受けて,上田JART会長も診療報酬上で評価してもうためには,統一した制度が必要だとの認識を示した。

ライブ配信では570名の視聴があり,その後のYouTube配信では,3日間で2000回超えの視聴回数を記録した。現在はJSRTの動画チャンネル で視聴が可能である。質の高い,安全な放射線診療の提供には,両団体が協力して取り組んでいくことがカギとなると言っても過言ではない。今後の両団体の活動が注目される。

●問い合わせ先
公益社団法人日本診療放射線技師会
http://www.jart.jp

公益社団法人日本放射線技術学会
https://www.jsrt.or.jp/


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