国会議員による政策勉強会「AI医療機器議員懇話会」が発足し第1回の会合を開催
2025-4-10

開催に当たって挨拶する加藤勝信財務大臣。
左は多田智裕AI医療機器協議会会長
国会議員によるAI医療機器の政策勉強会として「AI医療機器議員懇話会」が発足し,2025年4月9日(水)に衆議院第一議員会館で第1回の会合を開催した。会合には,AI医療機器協議会会長の多田智裕氏〔(株)AIメディカルサービス代表取締役 CEO〕が出席しAI医療機器市場のポテンシャルやスタートアップの課題などをレクチャーして共有した。会の冒頭で挨拶した加藤勝信財務大臣は,「AIの分野は日進月歩どころか“秒進分歩”の進化で,これをどうやって医療現場に取り込むのか,政府として対応するのかは大きな課題だ。ソフトウエアを含むAI医療機器の活用が進んでおり,それによって医師不足や経験不足を補うなどの効用が期待でき,持続可能な社会保障制度の実現に向けた重要な技術の一つだと考えている。この分野で世界を担う,日本の企業や技術が生み出されるように議論を重ねていきたい」と述べた。
会合でレクチャーを行った多田会長は終了後の囲み取材で,「医療AIは2030年には32兆円市場になると試算されているが,日本のスタートアップは,市場での認知やマネタイズの筋道が不明確で,さらなる成長につながっていないのが現状だ。日本には,質が高く大量の医療データが蓄積されているなど高いポテンシャルがあり,医療AIやプログラム医療機器が国内だけでなく世界に羽ばたく産業として発展するためにも,この分野に対する相互の理解を深めることで今後の展開につながっていくことを願っている」とコメントした。
同懇話会は今後も検討を重ねて,今年6月頃に決定される「骨太の方針2025」に向け一定の方針を示す方向だ。

加藤勝信財務大臣