日本メドトロニック,外科手術支援ロボットなど同社の最新テクノロジーを体験するイベント「Medtronic Day 2025」を開催
2025-12-9
経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)用デバイス
「Evolut FX+ System」
日本メドトロニック(株)は2025年11月27日(木),メドトロニック イノベーションセンター(神奈川県川崎市)において,医療イノベーションを紹介する体験イベント「Medtronic Day 2025」を開催した。
メドトロニック イノベーションセンターは,同社の製品を安全かつ正確に使用するためのトレーニングを提供する施設。低侵襲外科手術や心臓・血管治療に関する手術手技のトレーニングなど,さまざまなトレーニングを受けることができる。イベント当日は,同社社員による製品紹介や,産学連携の現状に関する講演が行われたほか,イノベーションセンターにおけるトレーニングツールや,さまざまな製品を見学・体験するツアーが行われた。
はじめに,同社代表取締役の宇佐美英司氏が,「50年の歩み,そして未来へー人とテクノロジーで医療を変えるー」と題して講演した。メドトロニックは,グローバルでは2024年に75周年,日本では2025年11月に50周年を迎えたとして,同社の事業概要について概説。心臓血管,神経疾患,外科,糖尿病という4つのポートフォリオで幅広い治療ソリューションを提供していると述べ,製品開発の歴史などを紹介した。また,イノベーションセンターでは,年間2000回を超えるプログラムを開催し,5000人を超える医療従事者が参加するほか,大きなトラックにモバイルトレーニングラボを搭載して全国各地を回り,年間150回,約2000人がトレーニングに参加していることなどを紹介した。
次に,「革新が生まれる現場から:メドトロニックの最新テクノロジー」と題し,3つの事業部から最新の製品紹介が行われた。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)用デバイスの「Evolut FX+ System」,心房細動治療のための3Dマッピング・アブレーションシステム「Affera Mapping and Ablation System」と,本システムで稼働させる「Shere-9カテーテル」,カテーテルを用いた高血圧治療のための腎デナベーションシステム「Symplicity Spyral」について,3名の同社社員が治療の背景や各製品の特長などを概説した。
心房細動治療の為の3Dマッピング・アブレーションシステム「Affera Mapping and Ablation System」(左)と「Shere-9カテーテル」(右)
続いて,慶應義塾大学医学部整形外科学教室教授の中村雅也氏が,「産学連携によるイノベーションの加速を目指して」と題し,同社と同大学の産学連携の概要,およびその成果などを報告した。なかでも,同大学が研究開発を進めるリアルハプティクス技術は,触覚をリアルタイムに双方向に伝送することが可能で,現在,この技術を用いた触覚を持つロボットの開発が進められている。また,同社と共同で開発が進められているサージカルドリルは,骨を貫通した瞬間に自動停止する触覚フィードバック機能の搭載によって,脊髄損傷のリスクを低減するなど,手術の安全性向上に寄与することが期待されると述べた。
中村雅也 氏(慶應義塾大学)
講演後に行われたメディア体験会では,モバイルトレーニングラボを搭載したトラック内の見学や,中村氏の講演で紹介された触覚を持つロボットや触覚フィードバック機能を搭載したサージカルドリルなどに触れる機会が設けられた。また,Evolut FX+ SystemやAffera Mapping and Ablation Systemをはじめ,同社の多数の製品について各担当スタッフから詳細な説明があり,同社のイノベーションの一端を学ぶ機会となった。
●問い合わせ先
日本メドトロニック(株)
www.medtronic.co.jp
