鳥取大学医学部附属病院と安来市立病院,Teladoc HEALTHによる救急遠隔コンサルテーションの試験運用を開始

2025-12-19

ヘルスケアIT


鳥取大学医学部附属病院と安来市立病院が遠隔コンサルテーションを開始。右から鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センターの上田敬博センター長,武中 篤病院長,安来市立病院の水田正能院長

鳥取大学医学部附属病院と安来市立病院が
遠隔コンサルテーションを開始。
右から鳥取大学医学部附属病院高度救命救急センターの
上田敬博センター長,武中 篤病院長,
安来市立病院の水田正能院長

鳥取大学医学部附属病院と安来市立病院は,ウィーメックス(株)のリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を使った救急医療における遠隔コンサルテーションの試験運用を開始した。2025年12月4日(木)に,記者説明会を開催して,試験運用の概要やねらいを説明して遠隔コンサルテーションのデモンストレーションを行った。説明会には,鳥取大学医学部附属病院病院長の武中 篤氏,同高度救命救急センター長の上田敬博氏,安来市立病院院長の水田正能氏,ウィーメックス(株)病院ソリューション部部長の小暮武男氏らが登壇した。
今回の試験運用は,2次救急を行う安来市立病院の救急外来に設置したTeladoc HEALTHを通じて,大学病院の救急専門医が救急初療におけるコンサルテーションを行う。患者の様子を画像や音声によってリアルタイムに把握することで,適切な治療や転院の判断が可能になり,診療の質の向上や不必要な転院をなくすことで医療費の削減などが期待できる。今回の連携の背景とねらいを上田氏は,「地方の救急医療は専門医の絶対数が少ない一方で,高齢化によって救急搬送のニーズは都市部以上に高まっており,このミスマッチによってさまざまな弊害が生まれている。地方における医師の偏在や勤務環境の改善,働き方改革への対応のためにも遠隔システムは必要だ」と述べた。
Teladoc HEALTHは,カメラやモニタを備えたカート型の専用端末と,PCやタブレット端末などの汎用機器で構成され,遠隔側はアプリを使って専用端末を操作できる。セキュリティを担保したネットワークを使って簡単に接続でき,アプリの操作でカメラのズームアップ(最大70倍)や移動が可能で,離れた場所の患者の情報を容易に取得できる。また,専用端末には超音波や生体情報など周辺機器のデータを取り込み,表示させることも可能になっている。今回のデモンストレーションでも,安来市立病院の救急外来に設置した専用端末を病院側から操作して,患者の患部をズームアップして確認したり,机の上の電子カルテのモニタを拡大して患者情報を確認できることを説明した。
両病院は10月に連携に関する覚書を交わし,運用のガイドラインを作成した上で,2025年11月から試験運用をスタート,これまでにコンサルテーションなど5件を行った。試験運用でシステムの課題や効果を検証した上で,2026年4月から本格運用を予定している。鳥取大学医学部附属病院の武中氏は「医師不足の中,専門医を派遣するのは難しくなっている。ITを活用した連携に期待している」と述べ,安来市立病院の水田氏は,「少子高齢化の中で地方におけるマンパワー不足は深刻で,地域の中で一定レベルの診療を継続するためにさまざまな取り組みを行っている。今回の連携によって安来市の救急医療のレベルが向上し,市民にとって有益な取り組みになることを期待している」と述べた。

Teladoc HEALTHを用いた遠隔コンサルテーションのデモの様子

Teladoc HEALTHを用いた遠隔コンサルテーションのデモの様子

 

●問い合わせ先
ウィーメックス(株)
E-mail:tky-mc_pr_alignment@ml.wemex.com

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