AI医療機器協議会が骨太方針・成長戦略を見据えた会員企業39社の共同提言を発表
2026-7-10
AI医療機器協議会が骨太方針・成長戦略を
見据えた39社の共同提言を発表
AI医療機器協議会は2026年7月7日(火),厚生労働省において「AIは日本の医療をどう変えるのか」と銘打ったメディア向けセッションを開催した。このセッションで,政府の「骨太方針」および具体的な政策実行計画となる「成長戦略」を見据えた会員企業39社の共同提言を発表した。
会見には同協議会会長の多田智裕氏〔(株)AIメディカルサービス代表取締役〕,理事の奥村伸子氏〔エルピクセル(株)PM室室長〕,山並憲司氏〔(株)Smart Opinion代表取締役社長〕,島原佑基氏〔医療AI推進機構(株)機構長〕の4名が出席した。
まず,多田氏が説明を行い,AI医療機器が医療費増加の抑制と医療安全を両立する画期的なツールであることを強調。医療分野におけるAIの市場は,世界での年平均成長率が30%を超え,2030年には30兆円の市場規模に達すると見込まれるが,日本のAI医療機器の承認数は主要国に大きく水をあけられているという現状を指摘した。その上で,戦略産業クラスターとしての位置づけ,スタートアップへの財政支援拡大,審査機関である医薬品医療機器総合機構(PMDA)の人員体制強化を要望した。
次いで,共同提言の内容について,(1)検診におけるAI活用推進,(2)AI医療機器の広告規制の緩和の実現,(3)医療画像データの流通,(4)AI医療機器の保険収載・保険外併用療法の実現,の4つの視点から,現状の課題と目標,将来像などの説明が行われた。
奥村氏は,(1)検診におけるAI活用推進について,政府ががん検診の受診率向上をめざしている一方で,画像診断を担う放射線科医の不足などにより,受診率の向上が進んでいない現状を解説。画像診断支援AIの精度が向上していることから診断の質を保ちながら受診率向上を図れるとして,「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」の段階的な改定を求めた。続く山並氏は,(2)AI医療機器の広告規制の緩和の実現についての提言を紹介した。非保険部門におけるAI医療機器の社会実装に向けては,厳格な広告規制が認知拡大を妨げていると指摘。規制を緩和することで,AI医療機器のメリットを周知でき,予防医療の普及に寄与すると述べた。また,島原氏は,(3)医療画像データの流通について,日本では進んでいない現状を課題に挙げた。そして,この課題解決に向けて,次世代医療基盤法事業者に画像データベース整備予算を与えるなどの対策が必要だと説明した。(4)AI医療機器の保険収載・保険外併用療法の実現については,山並氏が薬機法承認から保険収載までに空白期間があることに加え,医療機関の経営環境も厳しく,導入・実証が進んでいない状況を指摘した。その解決のためには,AIを継続的に活用できる制度や導入のための補助金が必要だとして,AI医療機器専用補助金枠の創設を求めた。
多田智裕 氏(AIメディカルサービス)
奥村伸子 氏(エルピクセル)
山並憲司 氏(Smart Opinion)
島原佑基 氏(医療AI推進機構)
AI医療機器のデモンストレーションも実施
●問い合わせ先
AI医療機器協議会
https://aimd.jp/
