フィリップス・ジャパン,乳がん検診に関するメディアラウンドテーブルを開催
—「高濃度乳房」通知を契機に考える,DWIBSによる“痛くない乳がんMRI検査”の可能性
2026-10-9
乳がん月間に合わせ,乳がんMRI検査に関する
メディアラウンドテーブルを開催
(株)フィリップス・ジャパンは2026年10月1日(木),10月の乳がん月間に合わせ,高原クリニック イノベーティブスキャン(東京都世田谷区)において,メディアラウンドテーブル「『高濃度乳房』通知の動きで改めて考える,乳がん検診の選択肢 痛みや恥ずかしさへの不安を減らす乳がんMRI検査」を開催した。日本人女性に多い高濃度乳房は,マンモグラフィでの乳がん検出感度が低下することが報告されており,米国では2023年から高濃度乳房の通知が法律で義務づけられている。日本国内においては,乳がん検診で一律に通知をすることは時期尚早とされてきたが,2026年7月に厚生労働省の「がん検診のあり方に関する検討会」において,受診者本人に乳房構成を通知する方針が示された。乳房構成の通知に当たってはさまざまな課題があるものの,受診者が自身により適した検診を検討するための情報を得られることの意義は大きい。
ただし,その前段として,日本国内では乳がん検診の受診率が51%(2025年)にとどまっていることが大きな社会課題となっている。本イベントでは,乳がん検診の現状と課題,そしてMRIを活用した乳がん検査の可能性について,会場となった高原クリニック イノベーティブスキャン院長で,(株)ドゥイブス・サーチ代表取締役の高原太郎氏が講演を行った。
冒頭,フィリップス・ジャパン代表取締役社長の安部美佐子氏が挨拶し,「検査時の痛みや羞恥心への不安から乳がん検診を受けられない人々に,新たな選択肢があることを広く知ってほしい」と述べた。また,同社プレシジョンダイアグノシス事業部長の奥秋知幸氏は,MRIを同社の画像診断事業の中核と位置付け,AI技術を活用してより簡単・確実に,一人ひとりに最適化された検査の提供や,ヘリウムフリーMRIによるサステナブルな医療,医療現場の課題解決をめざす最新のMRI開発について説明した。国内では同社MRIが1400台以上導入されており,AIによる撮像支援や時間短縮などを通じて,乳房MRI検査の普及を支援していく考えを示した。
安部美佐子 氏(代表取締役社長)
奥秋知幸 氏(プレシジョンダイアグノシス事業部長)
続いて,全身MRIがん検査法「DWIBS(ドゥイブス)」の開発者である高原氏が講演を行った。DWIBSは拡散強調画像(DWI)を応用したMRI撮像法で,がん組織など細胞密度が高まり水分子の動きが制限される領域を,造影剤を使用せずに高信号に描出する。全身がんスクリーニングにおいてPET/CTと同等の診断性能を示すことが報告され,2020年度診療報酬改定では前立腺がんの骨転移に対して加算が認められている。
高原氏は,DWIBSの原理について解説した上で,乳がん検診の現状と課題について説明した。日本では女性の約8人に1人が乳がんを経験するとされる一方,検診受診率は国の目標に届いていない。また,罹患数は30歳代から急増するが,対策型検診の対象外となっていることも課題である。受診率が上がらない要因として,特にマンモグラフィの痛みや不快感が受診障壁となっているケースも少なくない。高原氏はこうした背景から,「マンモグラフィを置き換えるのではなく,受けられない人のための新たな選択肢としてMRI検査を位置づけたい」と強調した。また,高原氏は,非造影MRIと一口に言っても撮像方法によって画質には大きな差があることから,乳がん診断・検査のエキスパートが集まり基本的な画質に関する議論を行って画質評価基準を策定するとともに,乳がんMRI検診を実施する施設に対しては精度管理や撮像,画質評価方法について現地指導を行い,適切な検診の提供に取り組んでいることなどを紹介した。
講演では,同院のMRI室からライブ中継を行い,実際の乳がんMRI検査の流れを紹介した。専用の検査着を着用したまま撮像できる工夫や,乳房圧迫を伴わない検査環境などが示され,羞恥心や身体的負担への配慮が説明された。検査時間は約15分で,受診者の快適性向上を図っている。
高原氏は,乳がんMRI検診のメリットとして,高濃度乳房でも病変を描出可能なことや,胸壁の死角が存在せず付加的な範囲(肺,肝臓)まで観察できること,特異度が高いこと,T1WIとのフュージョン画像で局所を把握しやすいことなどを挙げた。また,がん発見率の高さから,発見がん1例あたりのコストで見るとマンモグラフィ単独や超音波併用の検査よりもコストが低い可能性があり,今後学会などで議論していくと述べた。その上で,「重要なのは,痛みなどの理由で従来の検診を受けられない人々の存在を社会が認識することだ」と述べ,乳がん検診受診率向上に向けた新たなアプローチとしてMRI検査の意義を訴えた。
高原太郎 氏(高原クリニック イノベーティブスキャン院長)
乳がんMRI検査により,乳がん検診が届いていない非受診者・非対象者が検診を受けやすくなることが期待される。
高濃度乳房によりマンモグラフィで病変検出が難しい場合にも,乳がんMRIでは検出可能なケースを紹介
高原クリニック イノベーティブスキャンに設置されたフィリップスのヘリウムフリーMRI「BlueSeal」
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(株)フィリップス・ジャパン
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