アライドテレシス,ビットブレイン,EPLink,医療DXを支援する安全でスムーズな通信基盤の整備・導入に向けた協業を開始
2026-10-13
医療DX推進をめざした3社協業を開始
アライドテレシス(株),(株)ビットブレイン,(株)EPLinkの3社は2026年10月6日(火)に合同記者発表会を開催し,医療機関向けの安全でスムーズな通信基盤の整備・導入に関する協業を開始することを発表した。アライドテレシスとビットブレインは,2026年6月に,アライドテレシスのルータがビットブレインの医療専用閉域ネットワーク「WCI(Wires Connect Intelligence)」に対応し,高スループットかつ安全なネットワーク環境構築に向けた協業を発表している。今回,治験支援事業に取り組むEPLinkの参画により,治験・臨床研究領域を起点とした活用モデルの検討を進め,医療DXを支える新たな情報連携基盤の実現をめざす。
発表会では,各社から医療DXの取り組みや事業・サービスの説明,今回の協業における役割が紹介された。はじめに,アライドテレシス代表取締役副社長の佐藤朝紀氏が登壇し,「医療DXが進展する中で,医療情報を守りながら必要な相手と安全につながる通信インフラが求められている」と協業の背景を述べた。そして,協業により安全な医療ネットワークの構築から医療現場への導入・運用支援までを3社で一体提供し,設計や調整の標準化により導入負担の軽減を図ることで,治験支援を起点に医療情報連携,遠隔医療,医療AIなど幅広い領域に対して安全かつ継続的な医療DX推進を支援していく考えを示した。
佐藤朝紀 氏(アライドテレシス代表取締役副社長)
次いで,ビットブレイン代表取締役社長の斎藤智示氏が登壇し,WCIの技術的特徴を紹介した。増加するサイバー攻撃に対して医療機関でも対策がとられるようになっているが,斎藤氏は課題として,インターネットにつながっているVPNルータが攻撃の標的となること,対策が手薄な医療機関から侵入されるとVPNを経由して他院にも侵入が広がることの2つを挙げた。そしてWCIは,インターネットと接続しない医療専用の閉域ネットワーク基盤であり,外部から到達できない構造を採用していること,接続先を医療機関自身が承認制で管理できることから,セキュリティと運用性の両立を図れる点を強調した。また,WCIは医療画像や動画などの大容量データの高速通信が可能であり,遠隔読影やAI活用,電子カルテ情報の連携など,今後の医療DXを支える基盤として活用できることを紹介した。
斎藤智示 氏(ビットブレイン代表取締役社長)
続いて,EPLink代表取締役の中島裕尚氏は,同社が提供するリモートSDV(直接閲覧)支援システム「SYNOV-R(サイノブ)」について説明した。治験では,製薬企業などのモニターが電子カルテや検査結果などの原資料と症例報告書の内容を照合するSDVが不可欠であるが,医療機関訪問のための移動や日程調整が大きな負担となっていた。そこで,SYNOV-Rは遠隔から電子カルテ画面を閲覧できる環境を提供し,治験業務の効率化を実現してきた。一方で,接続経路にインターネット回線を利用しており,施設ごとの個別設定や運用負担が課題となっていた。中島氏は,今回の協業を通じてWCIにより安全な接続環境の実現をめざすとともに,接続方式の標準化や障害対応の効率化など,医療機関側の運用負担軽減も視野に入れて検証を進めていくことを説明した。
中島裕尚 氏(EPLink代表取締役)
また発表会では,アライドテレシスとビットブレインが先行して取り組む金沢赤十字病院と福井大学医学部附属病院の遠隔読影支援事例も紹介された(https://www.allied-telesis.co.jp/news/nr261005/ )。金沢赤十字病院の放射線科医不足,および福井大学放射線科の地域医療機関への読影支援負担を背景に,両院間の遠隔読影にアライドテレシスのSD-WANルータ「ARX200Sシリーズ」とWCIを活用。福井大学放射線科に金沢赤十字病院の読影環境を設置し,WCIを介して金沢赤十字病院のPACSに直接アクセスすることで,安全な閉域網と高速通信環境による大容量画像を用いた遠隔読影を実現し,医師の移動負担軽減と診療体制の維持に貢献しているという。
最後に,アライドテレシス取締役の木村有司氏が登壇し,WCIを活用したサービスについて,3年間で5000施設への導入を目標としていると述べた。安全な外部接続環境を社会基盤として普及させることで,持続可能な医療DXを全国の医療現場へ届けることをめざす考えだ。今後3社は,リモートSDVを第一弾の活用領域として実証を進めながら,医療機関間の情報連携,遠隔医療,医療AI,データバックアップなどへ展開を図っていく。
木村有司 氏(アライドテレシス取締役)
