バイエル ソリューションレポート
2025年11月号
第3回 DO LESS. CARE MORE. ウェビナー(日時:2025年 8月27日(水)18:00-19:00 )
座長 長田 弘二 先生
金沢医科大学病院 医療技術部
診療放射線技術部門 副技師長
講演1 リースによるCentargoの導入と使用メリット
平井 丈温 先生
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 放射線診断科部
現状のCT体制で造影CT数を増やす
病院から造影CT検査について、「造影CTの予約が取れない」、「件数増加や経費削減」という課題への対応を求められていた。これらを解決するには、造影CT検査数を増やす必要があるが物理的にCT装置の追加購入は難しいため、現状のCT体制で「検査の質」や「安全性」を確保しながら「検査効率の向上」と、「経費削減」を図る必要があり、検討の結果、CT装置の更新時期を待たずにリース契約でCentargoを導入した。
CT更新時期を待たずにリースで導入
Centargoのリース契約は、フルメンテナンス付きの保守契約が含まれる。さらに契約の途中から買取りも可能であるため、実際に使用しながら状況を判断して契約を更新することもできる(図1)。
初期費用を抑えて、短期間で導入できることがリース契約の決め手となった。
図1 保守契約付リース契約の利点
Centargo導入により変化したこと
1. 検査効率の向上
生食を使用する場合のセットアップ時間は、従来のインジェクタと比べて約1分/件短縮された(図2)。
20件/日と仮定すると20分/日の短縮となる。
実際、導入7ヶ月後の評価ではCentargoを導入したCT室の造影CT数は平均18件/月増加した(図3)。
図2 生食使用時のセットアップ時間の比較(自験例)
図3 造影CT検査数の比較(自験例)
2. 経費削減
感染性医療廃棄物の量が1/7に低減され廃棄費用の削減にも貢献した(図4)。
図4 感染性廃棄物の廃棄量の比較(自験例)
3. 検査の質と安全性
●血管外漏出、留置針と耐圧ルートの接続漏れを事前確認する「生食によるテストインジェクション」が全例で可能になった。
●コストや手間がかからないので全例で生食の後押しが可能になった。生食を自由に使えるようになったことは大きなメリットである。
- 静脈系アーチファクトの低減
- 静脈に停滞していた造影剤の活用(投与量の約15%)
●造影剤が1種類になり、管理の手間が省け、選び間違いがなくなった。
●高濃度造影剤と生食の同時注入機能を用いて、あらゆる検査に対応している(図5)。
図5 均一に造影されたチューブ内の様子(同時注入時)(自験例)
講演2 当院におけるCentargoの使用経験
平下 晶康 先生
神戸大学医学部附属病院 医療技術部 放射線部門
造影CT検査に求められるもの
造影CT検査は、ただ単に造影効果のある画像や診断に有用な画像を撮影するだけには留まらず、患者の予約時間を守り、さらに緊急検査にも対応しながら多くの検査をこなすことが求められる。その為には、1検査にかかる時間を短縮する必要があるが、その忙しさゆえに患者の安全が脅かされるようなことがあってはならない。さらに、昨今、病院の経営が厳しいと言われる中で検査コストを低減することも重要になる。
これらの問題を解決してくれるのがCentargoだ。
実際に感じたCentargoのメリット
1. CT値が上昇する(画質の向上)
患者ラインの交換のみで容易に生食の後押しができるため、鎖骨下動脈に停滞する造影剤を生食でフラッシュし造影効果を高められる(図1,2)。
図1 生食の後押し効果(鎖骨下静脈のアーチファクト)(自験例)
図2 生食の後押し効果(肝実質、大動脈のCT値(HU))(自験例)
2. 注入速度を自由に制御できる(同時注入機能)
生食を制限なく使用できる利点を活かして、検査条件や患者の状態に合わせて注入速度を自由に制御できる事は、大きなメリットである(図3)。
例えば、高注入レートを維持する他に、針先の痛みがある患者では皮下漏れの危険性を考慮し、注入速度を下げることも容易にできる。
図3 低体重患者のダイナミックCTの一例
3. スタッフの負担が低減する
従来のインジェクタでは、異なる容量や濃度のシリンジ製剤から、検査に使用する製剤を決定する段階で悩むことがある。また、慣れていても間違えて開封することも少なくない。Centargoは1種類の高濃度製剤のみを使用するため、製剤の選択を間違える事はない。
4. 造影剤の無駄を省いて経費を削減する
必要な量だけ造影剤を使用するため無駄な廃棄がない。当院の試算では、シリンジ製剤を20例で使用した場合の造影剤廃棄量は9例分に相当する(図4)。この9例相当分の造影剤を入院患者へ活用することで造影剤の費用を抑えることができると考える。
図4 シリンジ製剤の廃棄量を考える(自験例)
環境負荷の軽減にも貢献する
GreenRadiology(環境負荷軽減)のアプローチの一つに、再利用可能な医療材料を使用したり、医療材料の廃棄量を低減するとある。Centargoはプラスチックや造影剤の廃棄量の低減に威力を発揮する環境にも優しいインジェクションシステムである。
管理医療機器 / 多相電動式造影剤注入装置
販売名 / Centargo CTインジェクションシステム
認証番号 / 302AABZX00091000
管理医療機器 / 造影剤用輸液セット
販売名 / Centargo ディスポーザブルセット
認証番号 / 303AABZX00003000
【製品に関する問い合わせ先】
バイエル薬品株式会社 ラジオロジー事業部
TEL 0120-609-040
https://radiology.bayer.jp/
PP-M-CEN-JP-0520-05-10
