技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)

2018年8月号

Women's Imaging 2018 最新技術

トモシンセシス対応型マンモグラフィ装置「Pe・ru・ru LaPlus」の紹介

2008年に発売開始して以来,優しいデザインや使いやすさの点で高い評価を得てきた「Pe・ru・ru」シリーズ。従来装置の良さはそのままに,トモシンセシス機能を搭載した新製品「Pe・ru・ru LaPlus」について紹介します(図1)。

図1 Pe・ru・ru LaPlus

図1 Pe・ru・ru LaPlus

 

●特 長

コンパクトで親しみやすいデザインは,検診の現場において特に必要な条件です。Pe・ru・ru LaPlusは,撮影台が大きいトモシンセシス対応装置が多い中で,小型サイズのフラットパネルディテクタ(FPD)を採用することにより,乳房を預ける撮影台自体もコンパクトに設計しています。受診者の安心感のみならず,高い技術が求められる操作者のポジショニングが快適に実施できることをコンセプトに開発した装置です。例えば,電動圧迫フットスイッチの反応速度など,操作者にストレスを与えることがないよう,細部にまでこだわっています。
システムの管理は非常にシンプルであり,FPD部分も含めて使用時のみの通電ですむエコロジーな装置です。常時通電が必要な装置に比べ,急な停電時の故障のリスクも低くなっています。
画質に関して,X線発生部においては,「W(タングステン)ターゲットとAg(銀)フィルタ」の組み合わせを採用。高エネルギー領域を適切にカットし,効果的なエネルギー領域を抽出することができ,CNRの低下を抑え,画質と乳腺被ばくとの適切なバランスを実現しています。
トモシンセシスでは,アームの回転角度を「±7.5°」としています。FPD検出器へのX線の斜入が抑えられることで画像のボケや被ばく低減を実現しています。
Pe・ru・ru LaPlusでは,独自のZ-filter処理により,深さ方向の分解能を改善するとともに,フォーカスが合ったスライスでの被写体がよりクリアに描出されます。
トモシンセシス画質の特長は,「逐次近似法」による再構成と独自の画像処理,2D撮影と同じピクセルサイズ(85μm)で画像を収集(ノンビニング)・再構成することにより,複数の画素を1つの画素として収集する方式(ビニング)に比べ,分解能の高いトモシンセシス画像を実現しています。
当社は,国産装置の強みを生かし,日本の乳がん検診,診断におけるニーズに対応した装置を今後も提供してまいります。

*Pe・ru・ruはキヤノンメディカルシステムズ株式会社の商標です。

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ(株)
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/

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