技術解説(キヤノンメディカルシステムズ)

2019年11月号

放射線治療の技術動向

治療RIS「RapideyeAgent RT Pro」

治療RIS「RapideyeAgent RT Pro」は,放射線治療業務のワークフローに沿った運用支援を実現している。

本システムでは,チームで患者の治療情報を共有し,どこからでも患者の治療情報を参照・確認することができる。

カンファレンスでは,治療方針/治療情報を確認・登録でき,日々の照射業務では治療装置と連携し,plan情報から照射情報まであらゆる情報の共有化を実現している。また,算定項目の自動設定やチェック機能,法定帳票として多彩な帳票の出力,さまざまな条件でのデータ抽出・活用が可能なツールも兼ね備えている。
現状,多くの施設では,当日の放射線治療のスケジュール管理をホワイトボードなどの掲示板により行っている。

この管理方法は,多くの情報を掲示・共有できる点や急な予約時間の変更対応が反映できる点など,運用上のメリットも多い。一方で,そこに記入・掲示されている情報の多くは,治療RISで管理されているものである。

RapideyeAgent RT Proは,この放射線治療部門の掲示板をシステム上に表現し(図1),これまで書き直しやマグネットの移動などの手作業で更新していた当日の治療進捗や患者情報を,自動で最新表示できるようになった。この治療掲示板を大型の汎用モニタに表示することで,掲示板の情報更新に割いていた時間を,次患者の照射に向けたセットアップや患者接遇の充実など,有意義な時間に変えることが可能となる。これからも装置メーカーとして,日々変遷する放射線治療現場のニーズにいち早く応え,強力にサポートするシステム環境構築を提案していく。

図1 放射線治療掲示板表示

図1 放射線治療掲示板表示

 

【問い合わせ先】
広報室
TEL 0287-26-5100
https://jp.medical.canon/

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