技術解説(富士フイルムヘルスケア)

2018年8月号

Women's Imaging 2018 最新技術

超音波診断装置のプレミアム機「ARIETTA 850」に搭載している新技術“eFocusing”
〜eFocusingが日本超音波医学会第18回技術賞を受賞〜

株式会社日立製作所(日立)のプレミアム機「ARIETTA 850」(図1)のために開発された新しい送受信技術“eFocusing”は,S/Nの改善とフォーカス依存性の低減を実現し,被検者依存が少なく浅部から深部まで均一な画像を得ることができます。

図1 ARIETTA 850概観

図1 ARIETTA 850概観

 

eFocusing技術

従来の送信ビームフォーミングでは,フォーカス点に近い深度ではビームが絞られるため,方位分解能の高い画像が得られますが,フォーカス点から離れた位置では方位分解能が劣化してしまいます。
eFocusingは,従来の送信フォーカスの概念とは異なり,送信位置をスライドしながら複数回送信し,少しずつ反射角度をずらした受信信号を複数合成することで,フォーカス効果を得る手法です(図2)。本手法は,各受信点において合成するため,送信のフォーカスに依存することなく,浅部や深部においても方位分解能の高い画像を表示することが可能です。そのため,描出位置に応じたフォーカス設定の手間を省き,検査効率を上げることができます(図3)。
日立は,eFocusingによる高分解能な画質,DFI(Detective Flow Imaging)による微細な血流表示(図4),さらにエラストのリーディングカンパニーとして,包括的アプローチ(形態,血流,硬さ)により乳房超音波の発展に寄与し続けます。

図2 eFocusingイメージ

図2 eFocusingイメージ

 

図3 eFocusing ON/OFF画像

図3 eFocusing ON/OFF画像

 

図4 DFI乳腺画像

図4 DFI乳腺画像

 

*ALOKA ARIETTA 850はARIETTA 850と呼称します。

 

【問い合わせ先】
ヘルスケアビジネスユニット グローバル統括本部
URL http://www.hitachi.co.jp/healthcare

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