技術解説(GEヘルスケア・ジャパン)

2012年10月号

Digital Radiography(DR)を極める【静止画編】

デジタル一般撮影システムの線量指標「DEI&DI」について

船木新壽(XR Sales&Marketing部)

図1 線量の過不足例

図1 線量の過不足例

GEでは,FPD搭載デジタル一般撮影システムの開発において,低線量・高画質を重要なテーマの1つととらえ,さまざまな技術開発を行ってきた。
一方,これらデジタルシステムは,運用次第で不要な被ばくの増大を招く可能性があるということを認識し,それへの対策方法の調査研究を行った。その結果,検出器の目標線量に対する実際の照射線量の適正さを撮影ごとにオペレータに示す指標として“DEI(detective exposure index)”を開発し,2006年から「Definium 8000」に標準搭載してきた。
図1のように,従来のスクリーン-フィルムシステムにおいて,撮影線量の過不足が画像濃度で判別でき,適切な線量がいつもコントロールされていたのと同様の役割を,この指標に持たせることができるものと考えた。
このような考え方は国際電気標準会議(IEC)において,2008年にIEC62494-1として提案され,線量指標(exposure index:EI)と偏差指標(deviation index:DI)が定義されたため,GEでも「Discovery XR656」からこの定義に準拠して搭載している。

■DEIとDI(図2

DEIもDIも,同一目的の指標であり,基本的な考え方は同じである。
(1) 撮影直後に,その撮影が適正線量であったか否かを,オペレータに即時表示する。
(2) 線量が多い場合,指標数値は大きくなり,線量が少ない場合,それは小さくなる。
(3) 許容線量範囲などは,各施設で部位別にカスタマイズできる。
(4) 関心領域は,被写体が投影された画素データすべてのrawデータを用いる(被写体が存在しない直接Ⅹ線部分の画素データは用いない)。

一方,いくつかの異なる点もある。主な相違点を挙げる。
(1) DEIでは,部位別に目標数値が異なっていたが,DIでは部位に関係なく“0”が目標値となる。
(2) DEIでは,DEI値や許容範囲の指標が線量に正比例する数値(真数)であったが,DIではそれらが対数値となる。IECのDI定義式から,指標数値が“3”変化すると,線量が2倍変化することを意味する。
(3) キャリブレーションなどの基準Ⅹ線質は,DEIでは80kVを用いていたが,DIでは70kVとなる。
(4) DEIでの撮影条件補正前の検出器入射線量“UDExp”が,DIにおいてはEIとして数値変換された上で表示される。ただし,基準線質が異なるなどのため,変換係数は一定ではない。

■DIにおけるカスタマイズ

GEのDIにおいて,ユーザーが施設や撮影部位の特徴を踏まえてカスタマイズする項目として,以下がある。
(1) System Speed:これを撮影部位・目的に応じて設定することで,目標となるtarget EI(EIT)に反映される。
例えば画質重視の撮影をする場合には,このスピードを下げることで,AEC感度も同時に調整される。
(2) Target EI Adjustment:製品出荷時にデフォルト設定されている“Factory EI Target”を,ユーザーが調整する項目である。この調整により,“Customer EI Target”が算出される。
(3) DI Limit:製品出荷時にデフォルト設定されているDIの許容範囲(optimal範囲,warning範囲)のことである。optimal範囲(−3<DI<+2,図2範囲)とwarning範囲(−5<DI<+4,図2範囲)をユーザーがそれぞれ設定変更することができる。これも施設の検討要素として重要と考える。
以上,GEのデジタル一般撮影システムに搭載されている線量指標DEIとDIについて,比較しながら重要なポイントに説明を加えてみた。これからも時代の進歩とともに,ますますの機能充実を図っていきたい。

図2 指標の表示例

図2 指標の表示例

 

●参考文献
1)船木新壽 : デジタル一般撮影システムの線量管理支援技術・DEI. GE Today, sept., 2010.

*販売名称:据置型デジタル式汎用X線診断装置 Discovery
医療機器認証番号:221ACBZX00068000
Discovery XR656は,上記医療機器の類型Discovery XR656です。

 

【問い合わせ先】X-ray Sales & Marketing部 TEL 042-585-5111

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