70cmワイドボアを中心とする高性能ハードウエアとBreast Imagingに特化したソフトウエアを搭載した次世代MRI「Discovery MR750w 3.0T」の乳腺領域における撮像技術を紹介します。

●乳腺アプリケーション “VIBRANT-FLEX”

乳腺の両側3Dダイナミック撮像に特化したボリュームアプリケーションであるVIBRANTは，独自のデュアルシム機能の搭載により，これまで両側均一な脂肪抑制を可能としてきました。これをさらに進化させたのが“VIBRANT-FLEX”です。VIBRANT-FLEXでは，3.0Tにおける乳腺撮像でより顕著となる局所磁場の不均一を克服するため，フィールドマップを用いて水と脂肪の信号の分離を可能にしました。これにより，患者の状態に依存せず，正確かつ均一な脂肪抑制が可能となり，造影後の3D撮像において高精細な撮像を実現しています（図1）。

図1　乳腺アプリケーション“VIBRANT-FLEX”
片側乳房切除した患者においても，均一な脂肪抑制が可能となっている。
（画像ご提供：聖路加国際病院様）

●次世代RF送信技術“マルチドライブ”

Discovery MR750wのRF送信技術“マルチドライブ”は，70cmのワイドボアにおいて，より重要とされるRF送信の最適化を行う技術です。4つの給電点に加えて位相と振幅の異なるRFが照射可能です。さらに，B1マップを作成する際にbloch siegert shift（BSS）を採用することで，撮像部位の形状だけでなく，各軀幹部の組成に合わせた理想的なRF送信が可能となりました。
このRF送信技術を搭載することで，特に3.0Tでは難しいと言われている乳腺領域のHigh b-Value DWIにおいても，安定した歪みのない画像が得られます（図2）。

図2　High b-Value DWI
（画像ご提供：聖路加国際病院様）

Discovery 750w 3.0T
医療機器認証番号：223ACBZX00061000
薬事認証上の販売名：ディスカバリー MR750w
DOC：1403721