技術解説(GEヘルスケア・ジャパン)

2022年4月号

腹部画像診断におけるCTの技術の到達点

Dual energyとディープラーニング再構成法の相乗効果

小林賢太朗[GEヘルスケア・ジャパン(株)MICT部Clinical Leader]

1970年代にCTが登場して以来,ハードウエア・ソフトウエア共に新たな技術が次々と開発されてきたが,近年ではdual energyやディープラーニング再構成法が特に目を引くものとして挙げられる。
本稿では,上記それぞれの技術について,また,両方が合わさることにより,腹部領域においてどのような優位性があるのかを解説する。

■‌Gemstone Spectral Imaging

GEのdual energyは,Fast kV Switching法を用いた“Gemstone Spectral Imaging(以下,GSI)”と呼ばれている。
GSIは,80kV,140kVのエネルギー切り替えを0.25msというごく短時間の中で行うことにより,2つのエネルギーデータ間に時間的・空間的差異がほぼ発生しないため,良好なエネルギー分解能の獲得が可能となっている。
腹部領域では,低keV画像やIodine画像による造影効果強調や造影剤量低減などが,使用例として挙げられる(図1)。

図1 Iodine画像による造影効果強調(→:上行結腸がん)

図1 Iodine画像による造影効果強調(:上行結腸がん)

 

■‌TrueFidelity Image

CTが登場して以来,画像再構成技術は大きく3つの時代をたどってきた。
最初に登場したfiltered back projection(以下,FBP)は,長らくCTの基礎を支えてきたが,低線量で撮影された場合のノイズやアーチファクトの発生が課題とされていた。
上記課題を解決すべく,2008年には,GEが世界で初めて逐次近似応用再構成法“ASiR”を発表した。この技術により,低線量時でもノイズやアーチファクトの発生を抑えることが可能となったが,標準線量で撮影されたFBP画像と比較すると画像テクスチャに変化が表れ,読影者から違和感があると指摘されるケースもあった1)
そこで,GEは,ディープラーニングを用いて,低ノイズかつ自然な質感を両立した画像を再構成することが可能なTrueFidelity Image(以下,TFI)を開発した。TFIは米国食品医薬品局(FDA)に承認された,世界で初めてのディープラーニング再構成法である。TFIをGSIと併用することにより,ノイズの影響を受けやすかった低keV画像などが非常に使用しやすいものとなり,病変部の視認性をより向上させることが可能となった(図2)。また,ノイズを大幅に低減することにより,低keVとnarrow windowの組み合わせによる低コントラスト強調に特化した画像を提供することも可能である(図3)。

図2 低keV画像におけるASiRとTFIの比較(膵頭部腫瘍)

図2 低keV画像におけるASiRとTFIの比較(膵頭部腫瘍)

 

図3 低keVとnarrow windowを組み合わせた低コントラスト強調画像(肝腫瘍)

図3 低keVとnarrow windowを組み合わせた低コントラスト強調画像(肝腫瘍)

 

本稿では,近年,臨床応用が広がっているdual energyとディープラーニング再構成法について,腹部領域の臨床例を交えながら解説した。今後,CTの中心となっていくこれらの技術について,GEとして引き続き精度・機能を向上させていき,新たな臨床的アウトカムを出せるように努めていく。

マルチスライスCTスキャナ Revolution
医療機器認証番号:226ACBXZ00011000号
(デュアルエナジー,Deep Learning画像再構成)
マルチスライスCTスキャナ LightSpeed
類型Revolution
医療機器認証番号:21100BZY00104000号
(デュアルエナジー)

●参考文献
1)Geyer., et al. : State of the Art : Iterative CT Reconstruction Techniques. Radiology, 276(2): 339-357, 2015.

 

【問い合わせ先】
GEヘルスケア・ジャパン(株)MICT部
TEL 0120-055-919
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