技術解説(シーメンスヘルスケア)

2016年8月号

Women's Imaging 2016 最新技術[Breast Imaging]

乳房MR撮像テクニックのアップデート

乳房MRIは近年のソフトウエアや受信コイルの発展により,高い空間分解能での撮像時間が短縮されています。本稿では,ルーチン検査で使用可能になっている最新テクニックについて紹介します。

syngo RESOLVE

従来のシングルショットEPIによるDWIは空間分解能が低く,また形態的な歪みを生じましたが,“syngo RESOLVE”はリードアウト方向にセグメント化することで,歪みのない高分解能DWIを得られます(図1)。セグメント化は撮像時間延長につながりますが,パーシャルフーリエを適用することによって大幅に短縮しています。

図1 syngo RESOLVEによる歪みのないDWI

図1 syngo RESOLVEによる歪みのないDWI
(左:TWIST-VIBE,右:syngo RESOLVE DWI,b=800)

 

●18channel Coil

頭部用と同様に乳房用コイルも高密度化が進むことで,SNRが向上するだけでなく,CAIPIRINHA1)などの撮像時間短縮法に対応できます。シーメンス独自の“Tim(Total imaging matrix)”に対応しているため,ボディコイルとの組み合わせ使用が可能で,腋窩や胸壁など乳房コイルだけでは感度が不足する部分をカバーできます。

●TWIST-VIBE

“TWIST-VIBE”は空間分解能を維持したままで,より高い時間分解能の3Dダイナミック撮像ができるシーケンスです。乳腺ダイナミック撮像においては通常およそ60秒で1回撮像しますが,造影剤投与後first phaseまでを高い時間分解能で撮像して信号変化曲線の上昇角度を評価することで,良悪性の判別をより的確に行えるという報告もあります2)

●Dotエンジン

“Dotエンジン”は,煩雑な撮像パラメータ調整などを自動化することで,オペレータに依存しない再現性の高い検査を支援します。乳房用の“Breast Dotエンジン”は,ダイナミック撮像における造影剤ボーラス到達の検知や撮像ボリュームの調整,シミングボリュームの最適化を行います。
また,MRIガイド下生検においては,ニードル位置の表示をすることで的確な生検を支援する機能があります。

●参考文献
1)Breruer, F.A., et al. : Controlled aliasing in volumetric parallel imaging(2D CAIPIRINHA). MRM, 55, 549〜556, 2006.
2)Mann, R.M., et al. : A Novel Approach to Contrast-Enhanced Breast Magnetic Resonance Imaging for Screening. ; High-resolution dynamic imaging. Invest. Radiol., 49, 579〜585, 2014.

 

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