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東京都健康長寿医療センター × FUJIFILM DR CALNEOシリーズ(富士フイルムメディカル)一般撮影室を高齢者用省力化パッケージにデザインする

2013-12-1

一般撮影室の内部とCALNEO U/MT/CおよびFlexコンソール。更衣室は車いすの出入りが容易なスペースを確保。

一般撮影室の内部とCALNEO U/MT/CおよびFlexコンソール。
更衣室は車いすの出入りが容易なスペースを確保。

はじめに

東京都健康長寿医療センターは,1872年の養育院設立に始まり,東京都老人医療センターを経て,2009年に併設されていた老人総合研究所と統合し,地方独立行政法人として設立されました。2013年6月,新施設移転に合わせて大幅な装置の更新を行いました。富士フィルム社製FPDシステム「FUJIFILM DR CALNEO(以下,CALNEO)」シリーズは,一般撮影系の装置を更新するにあたり“高齢者対応,省力化,高画質化”を目的として導入しました。

高齢者に対応させる

当センターでは,血管病医療,高齢者がん医療,認知症医療を重点医療と位置づけ,医療と研究の一体化のメリットを生かし,高齢者の急性期医療を担う病院として高齢者の生活の質の確保,健康の維持,増進への貢献を施設目標としています。2012(平成24)年度の患者平均年齢は80歳であり,DPC対象者の要介助率は56.6%,全介助21.4%と自力で動けない患者様が大変多い施設です。このため,移動が少なくスピーディに複数の部位が撮影可能となるように,一般撮影4室にほぼ同じ機能を持たせました。また,低身長の患者様の撮影に合わせて天井走行懸垂器や撮影台の下限設定を見直しました。FPDの採用にあたっては,旧施設で先行導入され画質の評価が高かったCALNEOシリーズを採用しました。結果として,CALNEO Uが3台,CALNEO MTが3台,CALNEO Cが2台,CALNEO Flexが4台(Cと共用),「FUJIFILM DR BENEO」が1台の計14台のFPDシステムが導入されています。これらにより,介助度の高い患者様にワン・ストップとも言えるサービスを提供できるようになりました。併せて,更衣室は車いすと介助者が同時に入っても余裕のあるスペースを確保しました。

導入時の労力も省力化

新施設移転,電子カルテ導入,RISの更新,装置更新が同時だったこともあり,スタッフの労力も導入コストとして考え,HIS,RIS,画像処理コンソール,X線コントローラのメニュー設定を1種類ですむように,また運用開始後は一貫した操作性を得られるシステムをめざしました。これらにより,スタッフは,ほぼ同様の操作性を持つRIS内蔵の画像処理コンソールで撮影が可能です。
さらに,CALNEO FlexのコンソールへのRISの内蔵も9月に開発版がリリースされ,12月に製品版がリリースされる予定です。これにより,一般撮影系のコンソールの操作性は統一され,省力化とともに二重撮影などに対してフェイルプルーフなシステムになりました。

画像の一貫性も省力化につながる

当センターは長期的な変性疾患を扱うことが多く,長期的な経過観察に向いた画像の一貫性が要求されます。このため,いつ,どこの撮影室で撮っても同じ画質,ポジショニングとなるように,撮影コンソール上から前回同部位の画像を参照可能とし,比較読影に適した画像となるように配慮しています。これらを生かすために,PACSビューワも比較読影が容易な設定を選べます。

今 後

RISと同期させた長期的な経過観察に向いた自動化ツールの開発が望まれます。

海野  泰(東京都健康長寿医療センター放射線診療科)

 

東京都健康長寿医療センター
〒173-0015 東京都板橋区栄町35-2
TEL 03-3964-1141
http://www.tmghig.jp/hospital/
病床数 550床
診療科目 29科

 

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