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富士通,いやしの里診療所に電子カルテシステムを導入,中核病院との医療連携を強化

2012-11-8

富士通は,川根本町立いやしの里診療所に,同社の無床診療所向け医事・電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-RX(ホープ イージーメイン アールエックス)」を提供した。本システムは,静岡県の広域医療連携ネットワーク「ふじのくにねっと」に接続されており,静岡県立総合病院様をはじめとする県内7院の中核病院との間で,診療情報の相互参照が可能となる。
これにより,シームレスな医療連携や,迅速で的確な医療サービスの提供などが期待できる。また,いやしの里診療所では,2012年3月よりビデオ会議システムを利用した静岡県立総合病院の専門医による診療カンファレンスを実施しており,本システムを活用することで専門医はいやしの里診療所での診療情報を参照しながらアドバイスができるため,これまで以上に適切な診療が可能となる。

遠隔地診療支援システムのイメージ図

 

●背景

静岡県では,近年の医師不足や医療機関の都市部集中などによる医療サービスの偏在を解消するため,2011年より,県内の中核病院と診療所で患者情報・診療情報を共有できる地域医療ネットワーク「ふじのくにねっと」の構築が行われてきた。「ふじのくにねっと」にはこれまでに静岡県立総合病院をはじめとする中核病院7施設が電子カルテシステムを接続し,その他90余の医療機関が情報を参照し,医療連携を行っている。
川根本町は,都市部から自動車で1時間以上を要する山間部の地域であり,高齢化率が40%以上と極めて高いうえに,町内の診療所は5件のみで,医師不足が課題となっており,「ふじのくにねっと」を活用した医療データ連携を必要とされていた。

●導入効果

従来,ビデオ会議システムを利用した静岡県立総合病院の専門医による診療カンファレンスでは,いやしの里診療所の診療情報をあらかじめ静岡県立総合病院へ郵送していたが,本システムの導入により,専門医は,患者様に診療記録開示許可を得た上で,いやしの里診療所での処方,検査結果,放射線画像等の記録や,データ変動分析結果を参照しながら,診療のアドバイスが可能となる。これにより,いやしの里診療所の患者さんは,交通の不便な山間部に居ながらにして,都市部の専門医から,より適切な診療アドバイスを受けることができるようになる。
また,本システムには,いやしの里診療所での診療記録に加え,診療カンファレンスでの専門医による診療アドバイスも記録されており,静岡県立総合病院側でこれを参照できるため,いやしの里診療所の患者さんが静岡県立総合病院で診療を受ける際にも,継続的な診療を受けることが可能となる。

●新しく導入したシステム

「ふじのくにねっと」は同社の地域医療ネットワーク「HumanBridge EHR ソリューション」を活用して構築されており,このソリューションに装備されている診療情報連携機能により,同ネットワークに接続している病院,および診療機関の電子カルテや検査画像などの参照が可能となる。
今回,いやしの里診療所に同社の無床診療所向け医事・電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-RX」を導入し,同ネットワークに接続したことにより,県内7院の中核病院といやしの里診療所の間で,電子カルテの相互参照が可能となった。

●今後

川根本町は,本システムの導入を通じて遠隔診療支援のモデルを確立し,他の診療所にも同様のシステムを導入する計画。町内外の医療機関,および関係機関の連携をシームレスにすることで,医療の高度化と効率化を図り,より安心・安全な診療を提供できる環境の整備を目指している。
同社は,各地の地域医療ネットワークと多くの電子カルテシステムをサポートしてきた経験を生かし,全国の医療機関のパートナーとして,高い信頼と最先端ICTを活用し,医療,介護,調剤,在宅まで含む最適な地域医療ネットワーク基盤を提供していく。

 

●問い合わせ先
富士通(株)
ビジネス推進本部 ヘルスケアソリューション推進統括部
第三ソリューション推進部
TEL 03-6252-2502(直通)
http://jp.fujitsu.com/