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GEヘルスケア・ジャパン,自社製汎用超音波診断装置「LOGIQ E9 with XDclear(ロジック・イーナイン・ウィズ・エックスディークリアー」発売〜国内開発・製造の新型先進プローブを新たに装着〜

2013-3-29

XDclear Transducerプローブ

XDclear Transducerプローブ

画質と検査効率の向上を実現,肝疾患などの早期発見やRFAの治療支援に

医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニー,GEヘルスケア・ジャパン(株)は4月1日(月),フルデジタル汎用超音波診断装置「LOGIQ(ロジック)」ブランドの最上位機種「LOGIQ E9 with XDclear(ロジック・イーナイン・ウィズ・エックスディークリアー)」を,高度先進医療を手がける2次・3次医療圏の中核病院検査室や肝疾患のラジオ波焼灼治療(RFA)を手がける消化器内科を主対象に発売する。
LOGIQ E9 with XDclearは2008年に発売したLOGIQ E9に,新たな治療支援技術や検査工程改善機能などを搭載したLOGIQブランドのフラッグシップモデル。高精細な画質と優れた操作性が高く評価されているLOGIQ E9を国内の医療機関の声をもとに改良し,皮膚に近い表在部から体内深部までの画質の向上,患者さんの負担軽減や検査効率の改善を実現している。臨床的には,肝臓やすい臓など消化器疾患やバイオプシー(生検)を含めた乳がんなど乳腺疾患の早期発見,RFAの治療支援などに大きく貢献すると見込まれている。

国内開発の新型プローブ「XDclear Transducer」による画質と診断深度の両立
LOGIQ E9 with XDclearの最大の特長が,製品名にも冠されている国内開発の新型プローブ「XDclear Transducer(エックスディークリアー・トランスデューサー)」による画質と診断深度の両立。画質を左右する超音波診断装置の心臓部であるプローブはこれまで,画像精度を高めると描出できる体内深度が浅くなり,逆に深部まで超音波ビームを届かせようとすると画質が粗くなる相反関係にあった。
同社では,GEヘルスケアの中核開発・製造拠点として,これまで30年以上にわたり世界の医療現場に日本発の先進プローブを届けてきた開発・製造チームの密な連携のもと,まずプローブの素材を見直し,従来のセラミックに替えて,電気信号と音の変換効率に優れたシングルクリスタル(高密度単結晶)を採用。加えて,これまで使用されていなかった音響エネルギーを有効活用するアコースティックアンプリファイヤー技術,ならびにレンズ表面での温度上昇を抑えてプローブが最大限の性能を発揮できるようにするクールスタック技術を搭載することで,この課題を克服。画質と診断深度の両立を可能にする新型XDclear Transducerプローブの開発で,皮膚に近い表在部から体内深部まで広範囲にわたって均一な高精細画像を描出できるようになった。臨床的には肝臓やすい臓などの消化器疾患の微小疾患の早期発見に貢献すると期待されている。

表在部から体内深部まで均一な高精細画像を描出 左:従来プローブ/右:XDclear Transducerプローブ

表在部から体内深部まで均一な高精細画像を描出
左:従来プローブ/右:XDclear Transducerプローブ

 

一本一本丹念に手作りされるプローブは,100μm(μmは1000分の1mm)厚の3枚の部材を気泡が入らないように絶妙な力加減で接着する技術や,6cmx1cmのプローブ内の基板上で,幅0.2mmの128本の信号線を正確かつスピーディに半田付けする技術など,高度な微細加工スキルが必要とされる。これに加えて,新たな素材であるシングルクリスタルの加工には,ミクロン単位でのカッティングや数多くの細かな加工条件の最適化が不可欠だが,日野工場ではこれまで蓄積してきた「匠」の技術をもとにこのほど,GEヘルスケアのプローブ拠点で初めて,シングルクリスタルプローブの製品化に成功した。XDclear Transducerプローブは当面,全量が日野工場で製造され,全世界の医療機関に届けられる。

●その他のLOGIQ E9 with XDclearの主な特長

1. CTと超音波画像の位置合わせを自動化,患者さんの体の動きの補正機能も搭載し,より高度な診断・治療支援や患者さんの負担を軽減

微小な病変部の発見やより正確かつ安全なRFAに向けて,LOGIQ E9ではCT(コンピューター断層撮影装置)やMR(磁気共鳴断層撮影装置)などの画像診断装置で撮影した画像と,超音波のイメージを同一画面に同期表示し,リアルタイムな比較を可能にする「VolumeNavigation(ボリューム・ナビゲーション)」機能を搭載している。ただ現在は,手作業で画像の位置合わせの必要があるほか,同期を維持するために検査中は患者さんが常に同じ体勢を保っていなければならなかった。
LOGIQ E9 with XDclearでは,センサーを装着した基準位置マーカー(Civco社製)*1を使用し,画像診断装置と超音波診断装置の画像位置合わせを自動化する「ActiveTracker(アクティブ・トラッカー)」機能,ならびに同センサーを用いて患者さんの動きを的確に補正する「ReferenceSensor(レファレンス・センサー)」機能を搭載することでこの課題を克服。画像同期の正確性や客観性,効率性が高まることで,病変部の早期発見やより優れたRFA治療支援に貢献するほか,患者さん負担を大幅に軽減すると見込まれている。
*1 販売名:シブコomniTRAXブラケット/届出番号:13B1X00089040226/製造販売業者:センチュリーメディカル(株)

2. 検査手順のアシストや同一条件下での過去画像比較を実現,検査の効率性・精度を大幅に改善

血管検査をはじめとする超音波検査では検査項目が極めて多く,これまで検査の長時間化や検査のモレ・重複,検査者間の診断のばらつきなどが発生していた。また過去画像と比較する際も,数多くの検査条件(パラメーター)を設定する必要があり,同一条件下での画像比較は実質的に困難な状況にあった。
LOGIQ E9 with XDclearでは,検査手順をプログラム化して,ワンタッチでの検査を実現する「Scan Assistant(スキャン・アシスタント)」機能を搭載,検査の次のステップを自動アシストすることで,検査時間を最大49%短縮する。検査モードの切り替えや診断コメントの入力,計測項目の表示などもすべて自動化することで,ボタン操作を大幅に削減,検査者は患者さんの診断に一段と集中できるようになるほか,検査モレや重複の減少に貢献すると見込まれている。また,検査者間の差も低減できるため,一定の検査や手順を繰り返す血管検査に特に高い有用性が期待されている。
さらに,過去画像を簡単に呼び出しライブ画像と2画面表示すると同時に,ライブ画像に使用されたすべての検査条件を過去画像にも適用できる「CompareAssistant(コンペア・アシスタント)」機能も搭載,同一条件下での画像比較を可能にし,より正確性や客観性の高いフォローアップにつながると期待され,このように大幅なワークフロー改善を実現することで,検査回数の削減や診断時間の短縮など患者さんの負担軽減への大きな貢献が見込まれている。

LOGIQ E9 with XDclearは,4月12日(金)〜14日(日)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される2013国際医用画像総合展(ITEM2013)において,実機展示される。

 

●問い合わせ先
GEヘルスケア・ジャパン(株)
コミュニケーション本部
ブランチャード美津子/松井亜起
TEL 0120-202-021 FAX 042-585-5360
Mail: mitsuko.blanchard@ge.com / aki.matsui@ge.com
www.gehealthcare.co.jp