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富士フイルム,新画像処理ソフトウェア「Virtual Grid(バーチャルグリッド)」提供開始〜DR方式の「CALNEO Cシリーズ」でX線撮影時の画質および作業性を向上 / 病室や救急での撮影で,グリッドを使わずに高コントラスト画像を実現〜

2014-4-8

富士フイルム(株)は,病室や救急などでのX線撮影の際に,グリッド(*1)を使わなくても,画像のコントラストを高めることができる新画像処理ソフトウェア「Virtual Grid(バーチャルグリッド)」を,富士フイルムメディカル(株)を通じて,平成26年5月20日より提供する。本ソフトウェアは,デジタルX線画像診断システム「FUJIFILM DR CALNEO Cシリーズ」の画像処理ユニット「Console Advance」上で使用することができる。

X線撮影では,X線画像の画質低下につながる散乱線(*2)を除去し,画像のコントラストを高める金属製フィルター「グリッド」を一般的に使用している。グリッドは,患者や撮影状態により画像ムラが生じやすく,また撮影条件に応じて種類を変える必要がある。そのため,病棟内のベッド,車椅子,救急での撮影においては,グリッドを使用せず,画像のコントラストが低くなることがあった。また,X線撮影を行う放射線技師は,複数枚のグリッドを持ち運ばなければならなかった。

今回提供する「Virtual Grid」は,X線とデジタル画像に対する解析技術を組み合わせることで,散乱線成分を高速かつ忠実に再現する独自の「散乱線推定技術」を用いている。この技術により,撮影画像から推定された散乱線成分を,元の撮影画像から除去することで,散乱線により低下した画像のコントラストを高めることができる。さらに,「Virtual Grid」はグリッドの種類を変えた場合と同じように,画像のコントラストを調整することができ,また複数枚のグリッドの持ち運びや入れ替えが不要なので,作業性の向上を実現する。

「Virtual Grid」は,さまざまなX線装置との組合せが可能な同社の「CALNEO Cシリーズ」で使うことができるので,現在お使いのポータブル撮影装置などでも利用することができる。

なお,同社は4月11日からパシフィコ横浜にて開催される「2014国際医用画像総合展(ITEM2014)」にて本画像処理技術を展示する。

*1 グリッド:乱反射したX線をフィルム,イメージングプレート,パネルなどの受像部に到達する前に除去するフィルターのこと。
*2 散乱線:X線が被写体を透過する時に,被写体の中のさまざまな物質によって乱反射したX線のこと。

●特長

(1) 散乱線により低下した画像のコントラストを高める

撮影条件(X線の強さ,量など)や撮影部位,被験者の体格などさまざまな要因の影響を受ける散乱線成分を高速かつ忠実に再現する「散乱線推定技術」を開発。画像ごとにコントラストを自動で調整している。

散乱線により低下した画像のコントラストを高める

 

撮影画像から推定された散乱線成分を,元の撮影画像から除去することで,散乱線により低下した画像のコントラストを高めることができる。

散乱線により低下した画像のコントラストを高める

 

(2) デジタルX線画像診断システム「CALNEO Cシリーズ」との組み合わせが可能

「Virtual Grid」は,「CALNEO Cシリーズ」の画像処理ユニット「Console Advance」に搭載される。「CALNEO Cシリーズ」で撮影し,「Console Advance」に送られてきた画像に「Virtual Grid」を適用できる。

(3) グリッド比に相当するパラメータで,コントラストを調整可能

「Virtual Grid」はグリッドの種類を変えた場合と同じように,画像のコントラストを調整することができる。

グリッド比に相当するパラメータで,コントラストを調整可能

 

●対応機種

デジタルX線画像診断システム「FUJIFILM DR CALNEO Cシリーズ」

 

●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
営業本部 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/

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