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富士フイルム,カセッテDR「FUJIFILM DR CALNEO Smart(カルネオ スマート)」発売〜新開発のノイズ低減回路と新画像処理ソフトウェアにより,低線量・高画質を実現〜

2014-11-25

「FUJIFILM DR CALNEO Smart(カルネオ スマート)」 (左からバッテリー,電源供給ユニット,フラットパネルセンサとドッキングスタンド)

「FUJIFILM DR CALNEO Smart(カルネオ スマート)」
(左からバッテリー,電源供給ユニット,
フラットパネルセンサとドッキングスタンド)

富士フイルム(株)は,バッテリー交換タイプのDR方式・カセッテサイズデジタルX線画像診断装置として世界最軽量の「FUJIFILM DR CALNEO Smart(カルネオ スマート)」シリーズを,12月1日より富士フイルムメディカル(株)を通じて発売する。

「カルネオ スマート」シリーズは,新開発のノイズ低減回路を搭載し,透過時にX線が吸収されやすく,撮影画像のコントラストが低下する心臓や縦隔部などの画像の粒状性を向上させ,従来機と比べてより鮮明に描出することができる。新画像処理ソフトウェア「Virtual Grid(バーチャルグリッド)」と組合せることで,CR方式のデジタルX線画像診断装置の約1/4のX線量でも高画質な画像が得られる。また,医療現場で求められる抗菌仕様や堅牢性も実現した。パネルに使用する蛍光体は,温度や湿度などの環境変化に強いGOS(ガドリニウムオキサイドサルファ)とX線変換効率に優れたCsI(ヨウ化セシウム)の2種類から選べ,サイズはそれぞれ14×17インチ,17×17インチを提供する。

同社は,平成22年4月にISS方式の間接変換方式FPDを採用した,有線タイプのカセッテサイズデジタルX線画像診断装置「FUJIFILM DR CALNEO C」シリーズを発売した。平成25年には,低線量でも高画質な画像が得られる無線タイプの「FUJIFILM DR CALNEO C SQ」シリーズを発売。多くの医療現場から高い評価をいただき,国内ではトップシェアを堅持している。

今回発売する「カルネオ スマート」は,新開発のノイズ低減回路の搭載により低線量での撮影を可能にした。さらに,撮影画像からX線の散乱線成分を除去する新画像処理ソフトウェア「Virtual Grid(バーチャルグリッド)」を使用することで,金属製フィルターの「グリッド」を使用しなくても,画像のコントラストと粒状性を向上させ,被ばく量を低減することができる。

また,「カルネオ スマート」は,高い抗菌性能と持続性を合わせ持つ同社独自の抗菌コート技術「HYDRO AG(ハイドロエージー)」により,カセッテ全面を,銀系抗菌剤を含有した超親水性膜でコーティングした世界で初めての「抗菌仕様」のX線画像診断装置。表面に付着した汚れを落としやすく,清潔で衛生的に使用できる。

撮影後のデータをコンソールに転送しなくても,内蔵メモリに最大100枚の画像を保存できる「メモリモード撮影」機能を標準搭載し,回診撮影など,撮り溜めが求められる場面でも「コンソールレス運用」が可能。

フラットパネルセンサの裏面カバーの内側全面をリブ補強した新フレームは,金属の中で最も軽量かつ強度性能に優れたマグネシウム合金を採用,14×17サイズが2.6kg,17×17サイズが3.2kgと,バッテリー交換タイプDR方式カセッテサイズデジタルX線画像診断装置として,世界最軽量を実現。この裏面カバーの基礎フレームには,軽くて強い建築構造の手法として広汎に利用されるシェル(貝殻)構造を採用し,世界トップクラスの全面耐荷重310kgと高い堅牢性を実現した。さらに,基礎フレームの側面は,病棟撮影時などで患者とベッド間にカセッテを挿入しやすい,丸みを帯びたラウンド形状のため,撮影者の作業効率の向上が期待できる。

「カルネオ スマート」シリーズは,操作者と患者,双方の負担軽減を実現するという,医療現場で求められるニーズに応えたデザインや機能が評価され,2014年度「グッドデザイン賞」(財団法人日本デザイン振興会主催)を受賞している。

●主な特長

(1)カセッテDRにおいて,トップクラスの高感度・高画質をさらにレベルアップ
 「カルネオ スマート」は,独自に開発したノイズ低減回路の搭載により,透過時にX線が吸収されやすく,撮影画像のコントラストが低下する心臓や縦隔部などの撮影において低濃度部領域の大幅なノイズ抑制が可能。これらの部位の画像の粒状性を飛躍的に向上させたことで,低線量撮影(線量0.03mR)では従来機比でDQEが1.2倍向上した。
さらに,撮影画像から推定された散乱線成分を元の撮影画像から除去することで,画像のコントラストを高めることができる新画像処理ソフトウェア「Virtual Grid」をオプションで用意。「カルネオ スマート」と「Virtual Grid」を組合せることで,金属製フィルターの「グリッド」を使用しなくても画像のコントラストと粒状性が向上し,CR方式と比較して約1/4のX線量でも高画質な画像が得られる。

(2)過酷な環境でも耐えるタフネス化と軽量化を実現する独自の新フレーム
金属の中で最も軽量で強度性能に優れたマグネシウム合金を採用し,軽くて強い建築構造の手法として広汎に利用されるシェル(貝殻)構造をフラットパネルセンサの裏面カバーの基礎フレームに採用した。さらなる強度確保のため,内側全面にリブ補強した独自考案の新フレームにより,14×17サイズが2.6kg,17×17サイズが3.2kgと世界最軽量を実現しながら,全面耐荷重310kgの世界トップクラスの堅牢性を達成した。カセッテ側面の角が丸みをおびたラウンド形状は,撮影用テーブルからカセッテを持ち上げる際の指かかり効果や,病棟撮影時の患者とベッド間への挿入性が向上し,撮影者の作業労力軽減にも効果を発揮する。

(3)カセッテDRとして世界初の抗菌仕様
同社の抗菌コート技術「HYDRO AG」を活用し,カセッテ全面に抗菌コートを施した。
 「HYDRO AG」は,銀系抗菌剤(銀イオンを徐々に放出する機能を持ったセラミック微粒子)を分散した,水となじみやすい超親水性の樹脂を塗布する同社技術。一般的に,銀系抗菌剤を使った抗菌コートでは,抗菌剤に空気中の水分などが作用して,細菌を不活性化する銀イオンが溶出される。本技術では,塗布膜表面だけでなく,塗布膜内部の抗菌剤にも水分が作用して,塗布膜内部からも銀イオンを供給する。これにより,塗布膜表面の銀イオン濃度が高くなり,従来の抗菌コートと比べて約100倍の抗菌性能を実現した。さらに,その効果は長期間の持続が可能。また,超親水性膜によりカセッテ表面に付着した汚れが拭き取り易くなるので,清潔で衛生的に使用できる。

(4)「メモリモード撮影」機能標準搭載によるコンソールレス運用
従来CRの回診撮影ではカセッテに画像が保存できないため,複数枚のカセッテを持ち運んだり,1回の撮影ごとにCRカセッテを読み取ったりする作業が必要であり,撮影者に多くの労力と手間が伴っていた。しかし,「カルネオ スマート」に搭載した「メモリモード撮影」により,コンソールが無い環境でもパネル本体に画像を最大100画像まで保存でき,撮影業務の負荷を軽減できる。回診撮影用の専用システムを構築することなく,最低限の投資で一般撮影から回診撮影までDR化が可能。回診撮影の機会が少ないため,専用設備を持たない中小規模の医療機関でも,この装置を回診時に活用することができる。

 

●問い合わせ先
富士フイルムメディカル(株)
マーケティング部
TEL 03-6419-8033
http://fms.fujifilm.co.jp/

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