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エレクタ,藤元総合病院において,西日本初の 「Icon™(アイコン)」による頭部定位放射線治療開始

2017-2-9

Icon(アイコン)外観

Icon™(アイコン)外観

一般社団法人藤元メディカルシステム 藤元総合病院(宮崎県 都城市)は,新たに導入したレクセル ガンマナイフ®の最新機種「Icon™(アイコン)」1 による頭部定位放射線治療を2016年12月5日に開始した。西日本では初めてとなるアイコンによる治療は大小2個の脳腫瘍を持つ85歳の男性患者に対して行われた。

エレクタ社のガンマナイフ最新機種であるアイコンでは,従来のレクセルフレームによる固定に加え,非侵襲のマスクシステムによって頭部を固定した治療が可能になり,これからは分割照射による治療を容易に行うことができるようになる。

西日本では31の医療機関でガンマナイフ治療が広く行われているが,藤元総合病院は他に先駆けてアイコンを導入し,今後より多くの症例にガンマナイフ治療を行うことができると大きな期待を寄せている。
「当院は1996年以降,述べ5700例のガンマナイフ治療実績があります。」と副院長(脳神経外科)八代やつしろ一孝氏は言う。「アイコン導入によって,マスクシステムによる固定が可能になり,今後は分割照射を容易に行うことが出来ます。つまり,リニアックベースの定位放射線治療機器と同様の治療が可能になり,ガンマナイフ治療の幅を広げる上で,大変意義のあることと考えます。また,マスクシステムを使えば,1-3個の腫瘍は容易に治療が出来るため,患者さんは日帰りで治療を受けることも可能です。不快感もなく,額に傷が残ることもないため,患者さんには大変大きなメリットだと考えます。」
治療開始以降,藤元総合病院では,19人の患者さんに対し,マスクシステムによる固定での照射が行われた。また,この他にも35人の患者さんが,従来のレクセルフレームによって頭部固定を行い,治療を受けている。しかし,アイコンが真の多様性を発揮するのは,マスクシステム固定による分割照射を行う場合である。

1 販売名: レクセル ガンマナイフ パーフェクション医療機器製造販売承認番号22000BZX00768000

「アイコンによる分割照射によって,大きな腫瘍もガンマナイフによって治療ができるようになります。当院にはサイバーナイフも導入されていますが,頭蓋内に深く入りこんだ腫瘍の治療は,神経膠腫や腫瘍摘出腔への照射など一部を除き,今後ほとんどアイコンで行われることになるでしょう。将来的にはサイバーナイフは頭蓋外の疾患を中心に使用されるようになると考えています。」と八代氏は述べている。
さらに「当院の医療スタッフはサイバーナイフ治療の経験を通じて,マスクシステムを用いた治療には慣れています。」と八代先生は言う。「すぐそこにフレームを装着した患者さんが待っている状態と比較すると,事前に患者さんのマスクを作成し,MRIを撮影できるため,我々は時間的なゆとりをもって,じっくりと治療計画をたてることができます。」とアイコン導入がもたらした治療ワークフロー上のメリットについても指摘する。
藤元総合病院は宮崎県で地域医療の中心を担う中核病院として,最新の医療機器であるアイコンの導入によって,地方でも高度な医療を受けられるチャンスを提供し,今まで以上に地域の医療ニーズに対応していく。

定位放射線治療について
定位放射線治療とは,定位放射線照射と呼ばれる放射線治療法の一つで,病巣に対し多方向から放射線を集中させ,高精度で照射する方法。通常の放射線治療に比較し,周囲の正常組織への線量を極力減少させることが可能。当初は,脳病変を対象に広まった治療法だが,現在では治療機器の進歩によって体幹部病変の定位放射線治療も多数行われている。

ガンマナイフ治療について
ガンマナイフは,1968年にスウェーデン カロリンスカ大学の脳神経外科医ラース・レクセル(Dr. Lars Leksell)によって開発された定位放射線治療装置。
ガンマナイフによる定位放射線治療は,ガンマ線(γ線)を用いて虫眼鏡の焦点のように病巣部に対して集中的に照射することで,周辺の正常組織への被曝を最小限に抑えることができる。ガンマナイフユニット内には,約200個のコバルト60線源が半球状に配置されており,これらの線源から発生したガンマ線が病巣部を集中的に照射する。照射時に貫通する頭皮,骨,脳,血管,神経など重要臓器への影響は少なく,照射を受けた病巣を徐々に凝固・壊死させる。
1本1本のガンマ線は細いビームなので,周囲の正常な細胞にはほとんど影響を与えず,ビームが集中する箇所(病巣部)のみが,まるでナイフで切り取られたかのように治療できるため,“ガンマナイフ”という名前がついた。開頭手術を行わなくとも脳内の病変を治療・コントロールでき,患者さんの負担がより少ない治療法。

ガンマナイフ治療

 

ガンマナイフは,ターゲットへの照射の誤差0.5mm以下と高い精度が確保され,重要な組織が密集している頭蓋内においても正常な組織に与える影響を最小限にして治療を行うことができる。また手術が困難である脳深部の病巣に対しても治療が可能。

 

●問い合わせ先
エレクタ(株)ニューロサイエンス事業本部
TEL 03-6722-3808
Mail: Neuro-Japan@elekta.com
http://www.elekta.co.jp