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日立製作所,腰椎・大腿骨用X線骨密度測定装置の新製品「ALPHYS LF」を発売

2018-4-5

X線骨密度測定装置「ALPHYS LF」

X線骨密度測定装置「ALPHYS LF」

(株)日立製作所(以下,日立)は,腰椎・大腿骨用*1のX線骨密度測定装置の新製品「ALPHYS LF」(アルフィス エルエフ)を4月6日から販売開始する。
本製品は,従来製品と比較して,アームの開口範囲が広くなったことで,レントゲン検査を行うX線撮影装置と同じ部屋に設置しやすくなった。また,オプションとして体組成測定ソフトウェアを搭載し,大腿部の除脂肪量と脂肪量の測定を行うことができる。検診施設や整形外科をはじめとして,骨粗しょう症が代謝疾患であることにより治療が増えている内科など,幅広く使用できる。

日本では高齢者の増加とともに,要支援・要介護者が増えている。その原因で最も多いのは,転倒・骨折や関節疾患などの運動器疾患であり*2,日本整形外科学会では2007年から,運動器疾患により「立つ」,「歩く」といった機能が低下した状態を総称したロコモティブシンドローム(運動器症候群)を提唱し,予防啓発を行っている。ロコモティブシンドロームの原因の一つが,骨が弱くなることで骨折をしやすくなる骨粗しょう症である。自覚症状が少ないため,早期検査による治療や予防が重要とされている。主な検査は,骨の形状を観察するレントゲン検査と骨密度検査であり,骨密度検査では,現在,腰椎と大腿骨の測定が推奨されている*3

日立は,1988年に日本で初めて,X線を用いたDXA(デキサ)法*4による前腕専用タイプのX線骨密度測定装置「DCS-600」を発売して以来,簡便な操作性や被検者に優しい装置設計などの改良を行ってきた。そして腰椎・大腿骨用として「DCS-900」シリーズを開発し,骨密度測定装置市場をリードしている。

●新製品の主な特徴は以下の通り。

1. X線撮影装置との組み合わせが容易
「ALPHYS LF」は従来製品の「DCS-900FX」と比べ,アームの開口範囲が広くなったため,レントゲン検査を行うX線撮影装置との干渉を避けやすくなり,同じ部屋に設置することが容易になる。X線撮影の前後に,被検者を移動させることなく骨密度検査ができる。

2. 除脂肪量と脂肪量を測定する体組成測定ソフトウェアの搭載
ロコモティブシンドロームの原因には,骨粗しょう症に加えて,加齢や疾患による筋肉量の減少がある。「ALPHYS LF」は,オプションとして体組成測定ソフトウェアを搭載し,骨密度測定から得られるデータを用い,大腿部の除脂肪量と脂肪量の測定を行うことができる。

3. 測定装具の改良や被検者に優しい検査環境を提供するカラーコーディネート
被検者の体の位置を固定する測定装具をより体に密着するように改良したことで,検査位置の再現性や測定精度の向上が期待され,検診施設などにおける,検査値の経年変化検証の信頼性を向上させる。また,予防医療が推進される中,検査に使用する医療機器は性能向上だけでなく,被検者に心理的不安を与えないデザインが求められている。「ALPHYS LF」は,オプションとして,カラーシートがピンクやブルーなど5色の中から選択できる*5。検査室内の色調を揃えることが可能であり,被検者に優しい検査環境を提供する。

*1 オプションで前腕も測定可能。
*2 出典:平成28年度 国民生活基礎調査
*3 出典:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版
*4 DXA(デキサ)法:骨密度の検査法の一つ。2種類のエネルギーのX線により,骨と骨以外の組織を区別して,X線の吸収度合いを測定する。骨密度の検査方法として,広く普及している。
*5 7月末販売予定。

 

●価格(税抜き)
1500万円〜(構成により価格は異なる)

●問い合わせ先
(株)日立製作所ヘルスケアビジネスユニット グローバルビジネス統括本部
[担当::近藤]
TEL 03-6284-3100(直通)
http://www.hitachi.co.jp/healthcare