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オリンパス,効率的なESD/EMR手技をサポートする内視鏡用粘膜下注入材「ケイスマート」発売

2018-10-25

内視鏡用粘膜下注入材「ケイスマート」

オリンパス(株)は,効率的なESD/EMR手技をサポートする内視鏡用粘膜下注入材「ケイスマート」を,2018年11月1日から国内で発売する。本製品は,キユーピー(株)が製造販売元となる。

内視鏡用粘膜下注入材は,胃,食道,大腸などの消化管の粘膜層にとどまる早期がんなどの病変を通電しながら切除する「内視鏡的粘膜下層剥離術」(以下,ESD※1)や「内視鏡的粘膜切除術」(以下,EMR※2)という術式で使用される医療機器。製造販売元のキユーピー(株)とともに,手術時間の短縮と安全確実なESD/EMR手技の実現をサポートする。

本製品は,第26回日本消化器関連学会週間(期間:2018年11月1日~4日,会場:神戸コンベンションセンター)および第81回日本消化器内視鏡技師学会(期間:2018年11月2日~3日,会場:京都パルスプラザ 京都府総合見本市会館)に出展する。

※1 Endoscopic Submucosal Dissectionの略。内視鏡を用いて,高周波ナイフで病変周囲の粘膜を切開・剥離する手技。
※2 Endoscopic Mucosal Resectionの略。内視鏡を用いて,スネアと呼ばれる金属の輪を病変部に引っかけ,高周波電流を流して切除する手技。

●市場導入の背景

1980年代にEMRが登場し,内視鏡による早期がんなどの治療が盛んに行われ,患者に負担の少ない手技として現在も普及している。一方で,EMRは使用する処置具の制約上,切除できるサイズに限界がある。これに対して,2000年頃から,より広範囲の病変を一括切除することのできるESDが行われるようになった。同社は,2002年に世界初のESD専用処置具を商品化するなど,市場の拡大に貢献してきた。
内視鏡用粘膜下注入材は,ESD/EMR手技を行う際,病変周囲の粘膜下層に注入して使用する。病変が隆起することで切除がしやすくなり,円滑な手技を行う上で重要な役割を果たす。今回,同社初となる内視鏡用粘膜下注入材を販売することで,さらなる手技の普及を目指す。

●キユーピーとの提携

ケイスマートの主成分はヒアルロン酸ナトリウム溶液。キユーピー(株)のファインケミカル事業は,さまざまな素材を食品・化粧品・医薬品などの分野へ提供しており,中でも30年以上にわたり研究を重ねてきたヒアルロン酸は,国内販売量No.1(2017年富士経済調べ)となっている。キユーピー(株)が培った豊かな知見を,「内視鏡用粘膜下注入材」という形で医療機器へ活用することとなり,キユーピー(株)が製造販売,オリンパスが販売を担当することとなった。

●主な特長

1. 腫瘍部位の粘膜隆起,形成・維持をサポート
ケイスマートは,製造販売承認され償還価格が設定されている内視鏡用粘膜下注入材。病変部位の粘膜の隆起・形成,その維持をサポートする。また,隆起がキープされるため,スムーズなESD/EMR手技に貢献する。

2. 使い勝手の良いバイアルのデザインを採用
20mlの内容量に対して30mlのバイアル瓶を使用しているため,瓶内の空気のスペースが広くなっている(写真左)。そのため,ヒアルロン酸溶液を注射器内に引き込む一連の操作を非常に軽い力で行うことができ,一度で20mlのヒアルロン酸溶液全てを引き抜くことができる。また,針の先端が視認しやすいふたの設計のため,最後まで抜き切ったことがわかりやすくなっている(写真右)。

使い勝手の良いバイアルのデザインを採用

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
内視鏡お客様相談センター
TEL 0120-41-7149
http://www.olympus.co.jp