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オリンパス,小腸内視鏡システム「PowerSpiral」を欧州・アジア一部地域で発売〜世界初の電動回転式を採用〜

2019-3-29

オリンパス(株)は,電動回転で小腸を手繰り寄せながら目的部位に到達する小腸内視鏡システム「PowerSpiral(パワースパイラル)」を,2019年3月29日から欧州,香港・インドなどの一部アジア・パシフィック地域で発売する。

本製品は,消化管領域の診断・治療を行う事を目的とした内視鏡システム。内視鏡に装着したスパイラル形状のフィンを有するオーバーチューブを,フットスイッチによる操作で電動により回転させる世界初の技術を搭載している。スパイラル形状のフィンが回転することで,長い小腸を連続的に手繰り寄せることが出来るため,内視鏡の挿入操作性の向上,挿入時間の短縮などが期待される。

小腸内視鏡システム「PowerSpiral」

 

●小腸内視鏡システム「PowerSpiral」発売の概要

製品名
INTESTINAL VIDEOSCOPE OLYMPUS PSF-1
SINGLE USE POWERSPIRAL TUBE DPST-1
POWERSPIRAL CONTROL UNIT PSCU
発売予定日
2019年3月29日

●開発の背景

小腸内視鏡検査は,消化管出血,小腸腫瘍,炎症性疾患などの診断・治療を目的に行われる。小腸は「暗黒の臓器」といわれ,長年,診断・治療が難しい臓器とされてきた。その理由は,全長が6〜7mと非常に長いこと,口からも肛門からも遠い場所に位置すること,小腸全体が体腔内に固定されておらず可動性があることなど,内視鏡の深部挿入が難しい条件が揃っているため。
2000年代に登場したバルーン式内視鏡や,米国製の手動式スパイラルオーバーチューブによって,小腸を手繰り寄せて短縮することが可能となり,内視鏡の深部小腸への挿入性が向上した。しかしながら,これらの多くは2人の術者で実施されており,また検査時間が長く,依然として難易度が高いという課題がある。
このような課題に対して,オリンパスは電動回転式のスパイラルオーバーチューブによる内視鏡挿入技術の獲得を目的として2011年に米国スパイラス社の全株式を取得し,自社技術と融合させることで,新たな小腸内視鏡システム「PowerSpiral」の開発に取り組んできた。

●主な特長

1.オーバーチューブの電動回転により,深部小腸への効率的な挿入に貢献
「PowerSpiral」は,ディスポーザブルのオーバーチューブを内視鏡に装着して使用する。オーバーチューブにはスパイラル形状のフィンが付いており,フットスイッチ操作により電動回転が可能。スパイラル形状のフィンが小腸を捉えるので,深部小腸への挿入,診断・治療をサポートする。

2. ハイビジョン画質及び3.2mm鉗子挿通用管路の搭載により,診断・処置性能の向上に寄与
ハイビジョン画質を採用したことで,より高精細な診断に寄与する。また,従来の小腸内視鏡に比べ大きな鉗子挿通用管路を搭載しているため,使用できる処置具の幅が広がり効率的な治療手技をサポートする。

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
http://www.olympus.co.jp